欧州委員会、難治性全身型重症筋無力症患者さんの治療に対するソ...

欧州委員会、 難治性全身型重症筋無力症患者さんの治療に対する ソリリス(R)(エクリズマブ)の適応拡大を承認

極めて稀な難治性gMGに承認された最初で唯一の補体阻害薬

この資料は、アレクシオン・ファーマシューティカルズ(米国コネチカット州ニューヘイブン)が2017年8月21日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語抄訳で、参考資料として提供するものです。その内容および解釈については英文プレスリリースが優先されます。英文プレスリリースは http://www.alexion.com をご参照ください。


2017年8月21日、米国コネチカット州ニューヘイブン -- アレクシオン・ファーマシューティカルズは本日、欧州委員会(EC)が抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性の成人の難治性全身型重症筋無力症(gMG)患者さんに対するソリリス(R)(一般名:エクリズマブ)の適応拡大を承認したことを発表しました。ソリリス(R)は、この極めて稀な難治性gMG患者さんに対して、欧州連合(EU)で承認された最初で唯一の補体阻害薬です(参考文献1~4)。難治性gMG患者さんには、MGに対する既存の治療を行っても、歩きづらい、話しづらい、飲み込みづらい、呼吸しづらいという症状があります。病気の増悪やクリーゼが起これば、入院や集中治療が必要となり、生命が脅かされる恐れもあります(参考文献5~7)。この新しい適応症に関しては、最初にドイツでの上市を予定しており、他のEU各国に関しては現在検討中です。

第III相REGAIN試験の治験責任医師で、イタリア・ミラノにあるカルロ・ベスタ神経学研究所の神経免疫学および神経筋疾患部門(Department of Neuroimmunology and Neuromuscular Diseases, at the Istituto Neurologico Carlo Besta in Milan, Italy)のレナート・マンテガッツァ医師(Renato Mantegazza, MD)は、次のように述べています。「難治性gMG患者さんは複数の治療法を尽くしてもなお、深刻な症状と合併症に苦しみ続けており、日常生活にも支障をきたしています。これらの患者さんには治療が急務であり、患者さんの症状や日常生活動作を行う能力を改善することが臨床試験で実証されたソリリスのような薬剤の使用が可能になったことは、非常に素晴らしいことです。」

難治性gMGの消耗性の症状および生命を脅かす恐れのある合併症の発症には、免疫システムの一部である補体カスケードの慢性的で制御不能な活性化が大きく関与しています(参考文献8~10)。ソリリスは、補体カスケードの終末部を特異的かつ効果的に阻害する、ファースト・イン・クラスの補体阻害薬です。
アレクシオンのエグゼクティブ・バイスプレジデントでR&Dヘッドであるジョン・オーロフは次のように述べています。「補体介在性疾患に対して深く理解することで、ソリリスを難治性gMG患者さんの治療薬として開発することができました。当社の臨床試験に参加してくださった医師および患者さんに感謝申し上げたいと思います。私たちは、既存の治療法を行っているにもかかわらず、この消耗性疾患に苦しみ続けている患者さんにソリリスをお届けできることを嬉しく思います。」

ECは、第III相REGAIN試験(MG-301)およびその長期非盲検継続試験(MG-302)から得られた包括的な臨床データに基づき、ソリリスの適応拡大を承認しました。

日本では、ソリリスについて難治性のgMGに対する効能追加の承認申請を行っています。また米国においては、抗AChR抗体陽性の難治性gMG患者さんの治療薬として、ソリリスの生物製剤承認一部変更申請(sBLA)を行っています。ソリリスは、日本では難治性gMGの治療薬として、米国およびEUではMGの治療薬として、希少疾病用医薬品指定を取得しています。


■難治性の全身型重症筋無力症について
抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性の難治性の全身型重症筋無力症(gMG)の患者さんは、MGの中では稀であり(参考文献1~4)、既存の治療法を行っても深刻な症状と合併症に苦しみ続けています(参考文献1~2、11)。

重症筋無力症は慢性進行性の消耗性自己免疫性神経筋疾患で、年齢を問わず発症の可能性がありますが、40歳以前の女性と60歳以降の男性に最も多く発症します(参考文献5、6、12、13)。この疾患は一般的に眼球および眼瞼の動きをコントロールする眼筋の筋力低下から始まり、多くの場合重症化して頭部、頸部、体幹、四肢および呼吸筋の筋力低下など、gMGとして知られる全身型へと進行します(参考文献13)。

gMG患者さんの大半の症状は既存の治療法でコントロールできますが、10~15%の患者さんはこれらの治療法では十分な効果が得られない難治性と言われています。難治性の患者さんは複数の治療に反応せず、全身の著しい筋力低下が継続し、機能を制限するような深刻な症状に苦しみ続けています(参考文献1~2、11)。難治性gMG患者さんは不明瞭な会話、嚥下障害、複視や霧視、日常生活に支障を来すほどの疲労感、身動きに介助を要する状態、息切れ、そして呼吸不全を呈する可能性があります。合併症、増悪、筋無力症クリーゼが生じた場合、長期間の入院や集中治療室での治療が必要となり、生命を脅かす恐れもあります(参考文献5~7)。

抗AChR抗体陽性MGの患者さんでは、神経筋接合部(NMJ)の筋細胞上に存在するAChRに対する抗体が免疫系により産生されます(参考文献5、6)。AChRは筋細胞に神経からの刺激を伝達する受容体で、抗体が結合すると補体カスケードが活性化され、NMJが徐々に破壊されます。その結果、神経筋伝達障害が引き起こされ筋肉が正常に機能しなくなります(参考文献8~10、14)。


■ソリリス(R)(エクリズマブ)について
ソリリス(R)は、免疫システムの一部である補体カスケードの終末部を阻害することで作用する、ファースト・イン・クラスの補体阻害薬です。補体カスケードの制御不能な活性化は、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)および抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性の難治性全身型重症筋無力症(gMG)のような重篤な超希少疾患に関与しています。

ソリリスは米国、EU、日本およびその他の国々においてPNHおよびaHUS患者さんの最初で唯一の治療薬として、またEUでは抗AChR抗体陽性の難治性gMG患者さんの最初で唯一の治療薬として承認されています。ソリリスは、志賀毒素産生大腸菌由来溶血性尿毒症症候群(STEC-HUS)の患者さんの治療は適応としていません。補体阻害における画期的な医療革新に対し、アレクシオンとソリリスは米ガリアン賞(2008年度ベストバイオテクノロジー医薬品)を受賞したほか、仏ガリアン賞(2009年度希少疾患用医薬品部門)を受賞するなど、製薬業界最高の栄誉を受けました。


■アレクシオンについて
アレクシオンは、重篤な希少疾患を抱える患者さんの生活を一変させる治療薬の開発と提供に注力するグローバルなバイオ製薬企業です。アレクシオンは補体阻害におけるグローバルリーダーであり、生命を脅かす2つの超希少疾患である発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)および非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の治療薬として初めてかつ唯一承認されている補体阻害薬を開発し、製造販売しています。また、アレクシオンは、低ホスファターゼ症(HPP)とライソゾーム酸性リパーゼ欠損症(LAL-D)といった生命を脅かす超希少疾患の患者さんに対する2つの非常に革新的な酵素補充療法を有しています。20年以上にわたる補体領域のリーダとして、アレクシオンは、補体カスケードにおける新しい分子やターゲットの研究に重点的に取り組んでおり、血液学、腎臓学、神経学、および代謝性疾患といったコアとなる治療領域においても重点的に開発を行っています。本プレスリリースとアレクシオンに関する詳細については、 http://www.alexion.com をご覧ください。


■参考文献:
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