夏季特別展「雪村―奇想の誕生」を開催

シルクロードの名品を集めた「永遠の至福を求めて」も同時開催!

 MIHO MUSEUM(所在地:滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300 館長:熊倉功夫)は、

2017年(平成29年)8月1日(火)~ 9月3日(日)までの期間、夏季特別展「雪村 ―奇想の誕生」、ならびに開館20周年記念特別企画「永遠の至福を求めて」を同時開催いたします。

 戦国時代、東国で活躍した画僧・雪村(せっそん)の知られざる画業を辿ります。

伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳などに評される「奇想」の端緒が雪村にあると定義し、劇的(ドラマティック)で幻想的(ファンタスティック)な作品から雪村の魅力に迫ります。

 併せて、雪村に私淑した尾形光琳や、狩野芳崖、橋本雅邦などの作品を展観し、雪村が後代に与えた大きな影響を紐解きます。

 本展は、海外からの里帰りも含めた雪村の主要作品約80件、関連作品約30件で構成される過去最大規模の回顧展となります。※会期中展示替えあり


■開催趣旨

 雪村は、室町時代後期から戦国時代にかけて、東国で活躍した画僧です(生没年不明 1490前後-1573以降)。常陸国(茨城県常陸大宮市)の武家・佐竹氏の一族に生まれましたが、幼くして禅寺に出家し、多くの絵画に接したと考えられています。

五十歳頃から関東各地を遊歴、会津(福島県)から小田原、鎌倉(いずれも神奈川県)では北条氏の持つ中国画や寺院に伝来する作品に学び、独創的な表現を確立していったと思われます。六十歳代半ばから会津、三春(福島県)を行き来しながら、多くの傑作を生み出し、八十歳代後半まで衰えぬ筆力で描き続けました。

 雪村が生きた時代、画は中国画を手本にするのが当然でした。しかし、雪村の描く人物画や山水画は、伝統的な様式をはみ出して、破天荒でドラマティックなものが多く、若冲、蕭白、芦雪、国芳などに評される「奇想」の端緒を、雪村に位置付ける所以はここにあります。一方、動植物を題材にした作品は、写実的で、生き物に対する慈しみや、細やかな感性が感じられ、変幻自在ともいえる作風を持っていたのです。

 雪村の生涯は謎が多く、独創的な画風をどのように築いていったかははっきりしませんが、関東・東北の諸大名家に多くの作品が伝わることから、当時高い評価を受けていたことは間違いありません。また、尾形光琳(1658-1716)は雪村を好み、その画を丁寧に模写し、雪村が使ったといわれる石印まで所有していました。近世には狩野派の絵師が雪村画を粉本(手本とした模写)として継承し、近代日本画の父と称される狩野芳崖(1828-1888)や橋本雅邦(1835-1908)は雪村作品をいくつも模写して独自の表現を研究しました。

 本展覧会は、海外からの里帰り作品を含む雪村の主要作品約80件に、雪村から大きな影響を受けた後代の関連作品約30件を加えた、過去最大規模の回顧展となります。知られざる戦国の画僧・雪村の魅力をどうぞお楽しみください。※会期中展示替えあり


■開催概要

展覧会名:夏季特別展「雪村 ―奇想の誕生」

英語タイトル:“SESSON: A Singular Painter”

開催期間:2017年(平成29年)8月1日(火)~ 9月3日(日)

同時開催:開館20周年記念特別企画「永遠の至福を求めて」

会  場:MIHO MUSEUM

       〒529-1814 滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300

       Tel:0748-82-3411 Fax:0748-82-3414 

       URL http://miho.jp

主  催:MIHO MUSEUM、読売新聞社

後  援:滋賀県、滋賀県教育委員会、NHK大津放送局、BBCびわ湖放送、

       エフエム京都

協賛:日本写真印刷        協力:日本航空

監修:河合 正朝(千葉市美術館長)

担当学芸員:片山 寛明(MIHO MUSEUM学芸員)

出展数:展示総数122件(会期中展示替えあり)

      うち雪村作品 87件(   〃      )

イベント情報:≪とっておき美術公開講座≫ 雪村展担当学芸員の解説

         8月12日(土)14:00~15:00 南レクチャーホール

         「雪村が与えたインパクト」(仮題)

         片山 寛明(MIHO MUSEUM特任学芸員)

         *予約不要:当日会場へお越しください 

         *参加無料(入館料要)

開館時間:午前10時~午後5時 【入館は午後4時まで】

休館日:毎月曜日

入館料:一般1,100円、高・大生800円、小・中生300円

      【20名以上の団体は各200円割引】

次回予告:2017年9月16日(土)~ 12月17日(日)

       開館20周年記念特別展

       「桃源郷はここ ―I.M.ペイとMIHO MUSEUMの軌跡」


■作品写真

1.呂洞賓図 重要文化財 一幅 大和文華館蔵 展示:8/1-20

2.風濤図 重要文化財 一幅 京都・野村美術館蔵

    展示:8/22-9/3

3.琴高仙人・群仙図(部分) 重要文化財 三幅 京都国立博物館蔵

    展示:8/1-13

4.銹絵寒山拾得図角皿 尾形光琳画・尾形乾山作 重要文化財 一対

    京都国立博物館蔵 展示:全期間


■同時開催

開館20周年記念特別企画 「永遠の至福を求めて」

中国・山東博物館より5年ぶりにお目見えする菩薩像を中心に

MIHOコレクションから厳選したシルクロードの名品を展示


 奇しくもこの20周年に、中国・山東博物館のご厚意で、第二の故郷である当館にかえる菩薩像の神秘のほほえみ。

 開館当時さながらの古代中国から始まり、やがて華やかなシルクロードの文化へと展開する80余りの作品で構成する、ユーラシア大陸東西交流の壮大な叙事詩をご堪能ください。


■作品写真

5.蝉冠菩薩 山東博物館蔵


■MIHOMUSEUMについて

 MIHO  MUSEUMは1997年11月に、琵琶湖の南、自然豊かで風光明媚な湖南アルプスの山中に誕生しました。

  建築設計は、フランス・ルーブル美術館のガラスのピラミッドで世界的に知られるI.M.Pei氏によるものです。設計のテーマは「桃源郷」。東晋の詩人、陶 淵明の「桃花源記」にある仙境の楽園 ―桃源郷の物語を、構想・設計・建設に6年の歳月をかけて、信楽の地に実現したのです。

 所蔵品は、エジプト、ギリシア・ローマ、西アジア、中央アジア、南アジア、中国、朝鮮、古代アメリカなどの古代美術と、仏教美術や、茶道美術をはじめ、絵画、漆工、陶磁器などの日本古美術をあわせて、約2,000点からなり、季節により内外からの出陳を加えて、常時250~500点を展示しています。

  その質の高いコレクションは、ニューヨーク・メトロポリタン美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館、オーストリア・ウィーン美術史美術館、オランダ・ライデン国立古代博物館などで公開され、海外からも高く評価されています。

 レセプション棟から美術館棟へは、枝垂れ桜の並木道、銀色に輝くトンネル、吊り橋を経て行きます。美術館棟は、「自然と建物と美術品」「伝統と現代」「東洋と西洋」の融合をテーマに、建築容積の80%以上を地中に埋設し、建物の上にも自然を復元しています。幾何学模様が織りなすガラス屋根からは、明るい太陽の光が降り注ぎ、訪れる人をやさしく包み込んでくれます。

 施設としては、2つのホール、オリジナルグッズをそろえた3つのショップ、無肥料・無農薬の厳選された食材を使用したレストランと、喫茶各1店舗があります。レストラン別室では、団体様用の昼食も提供しています。

  MIHO MUSEUMは30万坪の敷地に、信楽の大自然、建築、美術品、すべてが融合した感動の空間です。

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