がん組織のみを光らせる「乳がん術中迅速診断機器」五稜化薬、浜...

がん組織のみを光らせる「乳がん術中迅速診断機器」 五稜化薬、浜松ホトニクスから資本参加を受け共同開発を加速

 研究用機能性蛍光プローブ(注1)の製造・販売、受託合成および機能性蛍光プローブによる「がんの外科手術向けナビゲーションドラッグ」の開発に取り組む五稜化薬株式会社(本社:札幌市、代表取締役:丸山 健一、以下「当社」)は、今般、浜松ホトニクス株式会社(本社:浜松市、代表取締役社長:晝馬 明、以下「浜松ホトニクス」)からの資本参加を受け、乳がんの外科手術時に活用し、微小ながん組織の取り残しリスクを大幅に低減させることが期待される「乳がん術中迅速診断機器」の共同開発を加速することになりましたのでご報告いたします。

肉眼で見た組織片
肉眼で見た組織片

1.共同開発の内容
 当社は、東京大学の浦野 泰照教授が開発した機能性蛍光プローブ技術を活用し、主にバイオ分野で利用される研究用試薬の製造・販売を行っております。また、ほぼ無色透明・無蛍光の蛍光プローブをヒト組織片に噴霧すると、数分でがん組織のみを選択的に光らせる世界初の新製品を開発・製造し、がんの外科的手術の際に活用するナビゲーションドラッグ事業の拡大に取り組んでいます。
 今般、乳がんの乳房部分切除術において、手術中に摘出した検体の断面部に潜む微小ながん組織を短時間で発見することが可能(注2)な当社開発中の製品に加えて、浜松ホトニクスが保有する光技術を応用し、がん組織のみを光らせ、その光の強さを定量化することで、がん部位をより正確に捉える「乳がん術中迅速診断機器」の開発を共同で実施いたします。
 乳がんは女性が罹患する癌の中で最も多く、日本においては毎年約7.2万人の女性が新たに罹患しており、その数は年々増加傾向にあります(国立がん研究センター調べ)。また、乳がんの乳房部分切除術を受けた患者は、約25%が再発による再手術が必要となるとの報告(Laurence E.et al. JAMA. 2012)があり、その理由の一つに、がん組織を手術時に取り切れなかった可能性があると考えられています。

 当社と浜松ホトニクスは、今回の共同開発を通じて、乳がんの外科手術環境のさらなる安全性と正確性の向上、技術的進化に向けて貢献してまいります。


2.当社開発中の製品
 以下の写真は、ヒトから摘出した乳がん部分を含む組織片に、当社が開発中の製品をスプレー(噴霧)し、3分後にがん組織のみを選択的に光らせる事を確認した図です。

図:ヒト乳がん切除検体への適用例
  (A.肉眼で見た組織片 B.スプレー前 C.スプレー後3分経過)
▽A.肉眼で見た組織片
https://www.atpress.ne.jp/releases/115825/img_115825_1.jpg
▽B.スプレー前
https://www.atpress.ne.jp/releases/115825/img_115825_2.jpg
▽C.スプレー後3分経過
https://www.atpress.ne.jp/releases/115825/img_115825_3.jpg
(写真データは福岡県 済生会福岡総合病院 乳腺外科の上尾 裕紀先生からご提供頂きました。)


3.当社の概要
会社名 : 五稜化薬株式会社
本社  : 北海道札幌市北区北21条西12丁目2 北大ビジネス・スプリング2階
代表者 : 代表取締役 丸山 健一
設立  : 平成22年7月16日
事業内容: 機能性蛍光プローブの製造・販売、受託合成および
      機能性蛍光プローブを用いた
      がん外科手術向けナビゲーションドラッグの開発
URL   : http://goryochemical.com

(注1)蛍光プローブ:最初は無色透明であるが、ある特定の標的分子と反応することでその構造が変化して、強い蛍光を発したり、蛍光の色調が変化したりする機能性分子の総称。

(注2)噴霧して1分後から光り、1mm程度のがん組織の識別が可能。

カテゴリ:
企業動向
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