貴重な品々を一堂に集め、約40年ぶりに公開 「近世京都の宮廷文化~宮廷大礼文化の風景~」展

    イベント
    2016年8月26日 14:15

     近世京都の宮廷文化展覧会実行委員会は、京セラ株式会社と城南宮の特別協力のもと、本年9月10日(土)から11月13日(日)までの2ヶ月余り、「近世京都の宮廷文化~宮廷大礼(たいれい)文化の風景~」展を京セラ美術館と城南宮斎館(さいかん)の2会場で開催します(但し、城南宮は、10月23日(日)までの開催)。

    大嘗会図(小原家文庫 蔵)<展示:京セラ美術館>

     京都は794年の平安建都以来、宮廷を中心に雅びな文化を形成し展開してきました。その宮廷文化の粋を形で表わす最高の晴れ舞台が、即位式と大嘗祭(だいじょうさい)です。これら一連の儀式は、大礼や大典(たいてん)とも呼ばれています。
     本展覧会では、近世以降の大礼に関する資料を収集する小原家(おはらけ)文庫や、民間に所蔵されている貴重な資料をはじめ、徳川秀忠の娘で、後(ご)水尾(みずのお)天皇に入内し、公家と武家を結ぶ懸け橋として、宮廷文化にも貢献した東福門院(とうふくもんいん)(徳川和子)ゆかりの品々など、約60点を展示します。
     このようにまとまった形で展示を行うのは、昭和51(1976)年に京都で展覧会「文(ぶん)華(か)典(てん)」が開催されて以来、約40年ぶりであり、現代まで受け継がれる高雅な宮廷文化の精華を、多くの方々に実感していただける内容となっています。

    ■ 京セラ美術館と城南宮斎館での展示内容
     京セラ美術館では、小原家文庫の大礼に関する当時の貴重な資料をはじめ、東福門院ゆかりの品々などを展示します。また、城南宮の斎館では、大礼の儀式を再現した模型や、儀式の際に使用される衣裳や神具などを中心に展示します。
     これら両会場の展示品を通して、天皇の代始めに行われる大礼の場景がより鮮明に浮かびあがります。

    ■ 開催概要
    ◆特別展名:近世京都の宮廷文化~宮廷大礼文化の風景~
    ◆会  期:2016年9月10日(土)~ 11月13日(日)(京セラ美術館)
      2016年9月10日(土)~ 10月23日(日)(城南宮斎館)
    ◆会  場:京セラ美術館(本社ビル1階) 住所:京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地
       城南宮斎館 住所:京都市伏見区中島鳥羽離宮町7番地  
    ◆開館時間:10:00 ~ 17:00(京セラ美術館)/ 9:00 ~ 16:30 (城南宮斎館)
    ※入館は閉館の30分前まで(期間中無休)
    ◆入 場 料 :両会場とも無料
    ◆主  催:近世京都の宮廷文化展覧会実行委員会
     【実行委員長】所 功 (京都産業大学名誉教授/公益財団法人モラロジー研究所教授)
     【事務局長】 山本 信之 (株式会社井筒企画 代表取締役社長)
     【事務局次長】美濃部 竜治 (生活環境づくり21・NPOフォーラム事務局長)
     【実行委員】
      伊藤 之雄 (京都大学教授)/今井 賢  (伝統文化保存協会参与) /
      岡田 荘司 (國學院大學教授)/岡田 芳幸 (皇學館大学/佐川記念神道博物館教授)/
      岡本 和彦 (元宮内庁首席主殿長)/五島 邦治 (京都造形芸術大学教授)/
      坂本 孝志 (NPO法人京都観光文化を考える会・都草特別顧問)/
      澤邊 芳明 (株式会社ワン・トゥー・テン・ホールディングス代表取締役社長CEO)/
      白石 真古人 (株式会社京都新聞COM事務局長)/
      森田 智 (公益財団法人モラロジー研究所京滋北陸ブロック事務長)/
      矢ヶ崎 善太郎 (京都工芸繊維大学准教授)/吉野 健一 (京都府立丹後郷土資料館)
    ◆後 援  :京都市、京都新聞社、京都府神社庁
    ◆特別協力:京セラ株式会社、城南宮、光雲寺

    ◆実行委員長 所 功(ところ いさお)のメッセージ
    展示会場となる伏見には、平安京を定めた桓武天皇や、京都に深い思いを
    寄せられた明治天皇の御陵があります。なかでも鳥羽・竹田の地は、平安時代の
    後期に白河上皇や鳥羽上皇が離宮(鳥羽殿、鳥羽離宮)を営まれ、天皇の行幸を
    迎え、華やいだ宴が行われて王朝文化が花開いた歴史の地です。皇室の長い歴史
    に思いをめぐらしながら本展をご覧くださり、雅やかな儀式をお守り伝えてきた
    意義と宮廷文化の素晴らしさを実感していただけたら幸いです。」

    ◆ 京セラ美術館について
     京セラは、平成10(1998)年、京都市伏見区の本社ビル内に京セラ美術館を開館し、収蔵する美術品を地域の皆様に無料で公開することで、京都南部地域の振興や活性化に努めてきました。
    中国・清朝時代の乾(けん)隆(りゅう)ガラス、ピカソ銅版画347シリーズ、東山魁(かい)夷(い)や平山郁夫らによる現代日本画等を常設展示しています。
    また、定期的に特別展を開催しており、本展覧会で17回目を迎えます。来館者は、開館以来、約24万人(本年7月現在)の方々にご来場いただいています。

    ◆ 城南宮について
    延暦13(794)年の平安京遷都に際し、都の安泰と国の守護を願って京都の南に創建されてから1200年の歴史を誇る、「方除の大社」として知られる神社です。平安時代後期には、白河上皇や鳥羽上皇は院政の拠点として城南宮を取り囲むように城南離宮(鳥羽離宮)を造営、城南宮は離宮の鎮守としても崇められ、城南祭も賑わいました。
    工事や引越、家相の心配を除く方除の信仰が篤く、車のお祓いに全国から参拝されます。曲(きょく)水(すい)の宴(うたげ)が行われる神苑はしだれ梅も名高く、9月・10月は、萩、菊、リンドウ等の秋草に美しく彩られます。

    すべての画像

    大嘗会図(小原家文庫 蔵)<展示:京セラ美術館>
    東福門院(徳川和子)像(光雲寺 蔵)<展示:京セラ美術館>
    紫宸殿と南庭で行われた即位大礼の模型(一般財団法人宗教文化研究所 蔵)<展示:城南宮斎館>
    御大典式場及京都御所全景(小原家文庫 蔵)<展示:京セラ美術館>
    紫宸殿の高御座模型)(一般財団法人宗教文化研究所 蔵)<展示:城南宮斎館>
    威儀者の束帯姿(一般財団法人宗教文化研究所 蔵)<展示:城南宮斎館>
    威儀者の束帯姿(一般財団法人宗教文化研究所 蔵)<展示:城南宮斎館>