『世界から猫が消えたなら』に続く川村元気の小説第2作『億男』...

『世界から猫が消えたなら』に続く 川村元気の小説第2作『億男』が アジア最高峰のスタッフにより中国で映画化決定!

 株式会社マガジンハウス(本社:東京都中央区、代表取締役社長:石崎孟※)刊行の「億男」(著者:川村元気)が中国でアジア最高峰のスタッフにより2017年10月後半に映画化されることが決定しました。

原作小説『億男』書影
原作小説『億男』書影

※崎は正しくは「タツサキ」

 130万部突破のベストセラー『世界から猫が消えたなら』の川村元気による小説第2作『億男』。同作は書店員が売りたい本を選ぶ【本屋大賞2014】にもノミネートされ、17万部を突破。今なお売れ続けているベストセラー小説です。翻訳され中国本土にて出版された『億男』は、好景気に沸きつつも一抹の不安を抱く、現代の中国の若者の心をとらえ、大きな話題となっています。

 今回の映画プロデューサーである、万娟(ワン・ジャン)氏は、『黒衣の刺客』で2015年カンヌ国際映画祭監督賞、『薄氷の殺人』で2014年ベルリン国際映画祭金熊賞、主演男優銀熊賞を獲得した中国を代表する実力派。「制作チーム全員が原作を読んだ。大変面白く、全員で映画にしたいと意見が一致した。中国語の映画も原作に負けないくらい面白いものになると確信している」とコメントしています。

 華策影業有限公司は、国際的企業として成長を続ける、中国トップクラスの映画製作会社です。同社の傅斌星副社長(Karen Fu)は「中国語で原作を読んで、とても興味深く、洞察力のある作品だと思いました。『億男』の企画は、華策集團が国際的企業であることの見事な例だと考えています。中国での『億男』映像化が芸術的に、そしてビジネスとしても、成功するものであることを願っています」とコメント。この映画も日本での公開が期待されます。川村元気が手がけた日本の小説が、中国でどのように映画として描かれるのか、大変興味深い展開となりました。

 主演俳優など、詳細が決まり次第、改めてリリースいたします。2017年撮影開始、2017年10月後半に公開予定。


【映画原作本情報】
商品名 :億男
著者  :川村元気
定価  :1,512円(本体1,400円)
発行日 :2014年10月15日 発売中
版元  :株式会社マガジンハウス

あらすじ:
「お金と幸せの答えを教えてあげよう」宝くじで3億円を当てた図書館司書の一男。浮かれる間もなく不安に襲われた一男は「お金と幸せの答え」を求めて大富豪となった親友・九十九のもとを15年ぶりに訪ねる。だがその直後、九十九が失踪した――。ソクラテス、ドストエフスキー、アダム・スミス、チャップリン、福沢諭吉、ジョン・ロックフェラー、ドナルド・トランプ、ビル・ゲイツ……数々の偉人たちの言葉をくぐり抜け、一男の30日間にわたるお金の冒険が始まる。人間にとってお金とは何か?「億男」になった一男にとっての幸せとは何か?九十九が抱える秘密と「お金と幸せの答え」とは?


《資料》
■川村元気プロフィール
 1979年横浜生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業。『電車男』『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』『寄生獣』『バケモノの子』『バクマン。』などの映画を製作。2010年、米The Hollywood Reporter誌の「Next Generation Asia」に選出され、翌11年には優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞。12年には初小説『世界から猫が消えたなら』を発表。同書は本屋大賞へのノミネートを受け、130万部突破の大ベストセラーとなり、佐藤健、宮崎あおい出演で映画化された。14年には、絵本『ムーム』を発表。同作は『Dam Keeper』にて米アカデミー賞にノミネートされた、Robert Kondo&Dice Tsutsumi監督によるアニメ映画化が決定した。同年、宮崎駿、坂本龍一ら12人との仕事の対話集『仕事。』を発表し大きな反響を呼ぶ。一方でBRUTUS誌に連載された小説第2作『億男』を発表。同作は2作連続の本屋大賞ノミネートを受け、ベストセラーとなった。近著として養老孟司、若田光一、伊藤穰一ら理系人との対話集『理系に学ぶ。』、ハリウッドの巨匠達との空想企画会議本『超企画会議』などがある。


■華策影業有限公司プロフィール
 華策影業有限公司は、華策集團(HUACE GROUP)の子会社として2005年に設立され、オリジナルの作品をメインとする映画、テレビドラマ、ネットドラマを製作する映画製作会社。1年間のドラマ製作本数は1,000話以上あり、中国市場の約15%を占める。フォーブス誌の2014年「上場の中小企業トップ100」でメディア企業の中では最高位の13位を得た。同社が投資・配給している中国映画「黒衣の刺客」は2015年第68回カンヌ映画祭で最優秀監督賞を受賞した。


■中国プロデューサー・プロフィール
<万娟(Wan Juan) ワン・ジャン>
・「黒衣の刺客」2015年第68回カンヌ国際映画祭監督賞
・「薄氷の殺人」2014年第64回ベルリン国際映画祭金熊賞&主演男優銀熊賞
 (中国映画史上初の金熊・銀熊ダブル受賞。中国での興行成績は1億人民元を越えた)

<李冷(※) (Li Ling) リー・リン>
・「二重生活」2012年第65回カンヌ国際映画祭ある視点部門正式出品
・「推拿」2014年第64回ベルリン国際映画祭最優秀芸術貢献賞、第51回台湾金馬映画祭6部門受賞

※冷は正しくは「さんずい」になります。


■プロデューサーからのコメント
 午後の日が当たる窓辺に座り『億男』を読み始めた。表紙がとても気に入って手に取ったが、最初のページをめくると最後まで一気に読み切った。ホッと一息いれて本を置き、窓から外を眺めると、北京の長安街にはすでに街灯が点々としていた。仕事帰りの車の警笛と光が溢れ、ラッシュアワーのビジネスセンター街は昼間より一層コンクリート・ジャングルのイメージを感じさせた。ふと目を移すと、歩道に群がる人々の流れの中に、あるいは向かいのオフィスビルの豪華な部屋の中に、一男と九十九がいるような気がした。ある者は家路を急ぎ、ある者は残りの仕事を切り上げ接待の席に向かう。こうして彼らなりのごく普通の一日が過ぎていく。『億男』は、肩代りした借金の返済に追われ、突然降ってきた大金に不安を感じる一男、事業で成功した九十九、そして彼のパートナー達が「お金と幸せの答え」を探すために悩み苦しむ姿を通して、人間すべてが直面する心の葛藤を描いている。一夜にして大富豪となり、また一夜で大金を失う極端な物語の形式で、お金は人生を変えるかという永遠の命題を凝縮させている。

 現在の中国には大勢の一男と九十九がいる。成功した人がいれば、逆境に溺れた人もいる。このような激しい社会の変貌の中で、しっかりとした足場が築かれていないことを常に目にする。このような社会では、成功者だろうが、失敗者だろうが、あるいはまだどちらでもない無数のさまよう人たちにとっては、あの刺激と興奮と共に感じた不安や困惑に、ふと何かを考えさせ、まっとうな考えに導くような材料があればどれほど良いことであろうか。この優れた小説『億男』を映画化したいと意図したのは、この物語と登場人物を通じて、観客が「お金」というものを多面的にとらえ、「お金」が簡単には「幸せ」とは結びつかないが、同時に人生を狂わせるほど悪いものでもない。お金と上手くつき合い、欲望を人生のエネルギーに変えることが大切だと気づくことができればと考えたからだ。

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