イメージセンサ通信などを利用した長距離可視光通信実験に成功

イメージセンサ通信などを利用した長距離可視光通信実験に成功

~可視光通信の新たな通信技術としてさらなる発展を目指す~

可視光通信コンソーシアム(以下VLCC、所在地:東京都、会長:春山 真一郎)は、2008年10月に海上保安庁と、また2009年2月には財団法人日本交通管理技術協会と各社で開発した新しい可視光通信方式(「イメージセンサ通信」および「長距離フォトダイオード通信」)による通信実験を行い、実験に参加した各企業はそれぞれデータ取得に成功しました。VLCCではイメージセンサ通信を可視光通信の新たな通信技術として、さらなる発展を目指していきます。

2009年2月の実験は、VLCCが推進している「社会システムプロジェクト」の1つである「交通信号機サブプロジェクト」に参加する企業のうち、カシオ計算機株式会社(以下カシオ)、日本電気株式会社(以下NEC)、日本信号株式会社(以下日本信号)、株式会社東芝(以下東芝)が、日本信号の久喜事業所において行いました。
これは日本信号が用意したLED信号機から約160m離れた場所に、各社のイメージセンサ受信機(可視光通信の受信部にカメラ等に利用されている「イメージセンサ」を搭載した受信機)などを設置し、LED信号機から送信されるデータを受信するという実験でした。
なお、本実験に先駆けて行われた予備実験では、約260mの距離での通信にも成功しています。

LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)は、消費電力が少ないことや、耐用年数の長さなどの特徴があることから、1997年ごろから交通信号機のLED化が始まりました。
そうした背景にあって、「交通信号機サブプロジェクト」では、2008年4月から日本交通管理技術協会と交通管制分野における可視光通信の利用可能性についての検討を開始し現在に至っています。

VLCCにおけるイメージセンサ通信を活用した可視光通信の取り組みとしては「交通信号機サブプロジェクト」のほかに「灯台サブプロジェクト」があり、長距離可視光通信の実現へ向けて活動しています。
後述するイメージセンサ技術の特長のうち、特に長距離通信を行いやすい点に着目し、2008年10月、千葉県の九十九里浜において、LED灯器を使用している灯台からの発光信号に情報を載せて、長距離通信が可能であることを確認する基礎実験が行われました。
この実験においてイメージセンサ通信を活用することで、世界の社会インフラで普及している、広く拡散する光源を用いた空間光通信としては「世界最長距離」の長距離通信実験に成功しました(通信距離2kmでは通信速度1,022bps、通信距離1kmでは通信速度1,200bpsを記録)。
この実験には海上保安庁、カシオ、東芝が参加しました。

イメージセンサ通信では、長距離通信のほか、多地点同時把握や画像を併用した利用も可能なため、さまざまなアプリケーションへの応用が考えられます。

イメージセンサ通信およびVLCCの概要については、付随情報(別記: http://www.atpress.ne.jp/releases/10515/material_2_6.pdf )の通りです。

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