情報技術開発と日本ティーマックスソフト、アイチコーポレーショ...

情報技術開発と日本ティーマックスソフト、 アイチコーポレーション基幹業務システムをオープン化

プログラム変更不要のリホスト・ソリューションで 約1万5,000のプログラムが稼働するシステムの移行実施 ~他社の3分の1以下!10ヶ月という短期間で実現~

 情報技術開発株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:三好 一郎、以下 tdi)と日本ティーマックスソフト株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:佐藤 成徳、以下 ティーマックスソフト)は、株式会社アイチコーポレーション(本社:埼玉県上尾市、代表取締役社長:三矢 金平、以下 アイチコーポレーション)の基幹業務システムにおいて「Tmax OpenFrame(ティーマックス オープンフレーム、以下 OpenFrame)」を用いてIBMメインフレーム環境からオープンプラットフォーム環境へのマイグレーションを実施いたしました。

tdi、ティーマックスソフト
tdi、ティーマックスソフト

 tdiは、アイチコーポレーションの既存システムの運用保守を担当しており、その豊富な業務ノウハウと効率的なプロジェクト推進、そしてティーマックスソフトが提供するメインフレーム資産をオープン環境へ移行するリホスト・ソリューション「OpenFrame」により、1万5,000本の大規模メインフレーム環境のマイグレーションを10ヶ月という短期間で実現しました。これは、主な他社ソリューションを利用した場合には3年程度の期間が想定される規模であり、今回は特にアイチコーポレーションが契約するホストの更新時期に合わせた10ヶ月以内という厳しいスケジュール要件に応えたことになります。
 本システムは、2016年1月に全機能カットオーバーを迎え、現在は安定的に稼働しており、夜間のバッチ処理時間も大幅に短縮することを実現しました。そのため、マイグレーション後は夜間に実施するシステムメンテナンスの時間などを十分に確保することが可能となり、計画的かつ安全で安定したシステム運用が可能となりました。


【リホスト・ソリューション導入の背景について】
 車輛に設置されたバケットに作業員が乗り、電柱や電線の工事をする「高所作業車」や、電柱を立てるために地面に穴を掘る「穴掘建柱車」、電柱の間や地中にケーブルを引くための「ケーブル工事車」など、機械化車両を製造する特殊車両メーカーの草分けであるアイチコーポレーションでは、2015年、社内業務アプリケーションの抜本的見直しに取り掛かりました。
 従来の業務アプリケーションは1993年に導入したIBMメインフレーム上で稼働しており、ものづくり部門で用いる生産管理や進捗管理、営業部門が用いる顧客との取引記録・アフターサービス管理など、同社のほぼすべての業務がこのシステム上で稼動しています。
 また、このシステムは、1993年導入のIBMメインフレーム上で動かす以前のオフコン時代から利用されていたものを引き継ぎながら使い続けられ、オフコン時代から数えれば、40年近く使われてきたシステムでした。この業務システムは、長い時間をかけて改良を加えられており、まさに「かゆいところに手が届く」システムであり、このシステムなしでは現場が混乱し、仕事の生産性が大幅にダウンするほどのものでした。
 ところが、ホストの更新時期を前にした2014年12月、経営層からの指示により、5年後、10年後を見据えて情報システムを見直すことが情報システム部門に求められました。メインフレームは、オープン系システムに比べてコストが高く、将来を見据えた業務改革につながる基盤をIT面から考えた結果の経営層の決断でした。

 情報システム部では、このようなイノベーションの実現をめざして、1)安いホスト(メインフレーム)に切り替える、2)新たな時代にあったものとしてSAPやJAVAなどでシステムを作り直す、3)リホストする、といった3つの選択肢を考え、検討に入りました。
 安価なホストへの切り替えは現実的だが、「10年後を見据えた業務改革」につながる将来性は期待ができず、SAPやJAVAといった選択肢は構築に時間が掛かり過ぎ、最終的に、メインフレーム上の業務アプリケーションを新しいオープン系プラットフォームへ載せ替える「リホスト」が選ばれました。「リホスト」であれば、同社の事業に適しており、長年にわたって改良を加えてきた業務アプリケーションの良さを活かしながらコストも抑えられるため、将来的な発展性も期待できると判断されたものでした。


【OpenFrame選定に至る経緯について】
 アイチコーポレーションでは、こうして、次回のホスト更新までの短期間でリホストを実行できるSIer探しが始まりました。しかしながら、数社に声をかけたところ、「10ヶ月で移行したい」というスケジュールを伝えただけで、「間に合わない」「エンジニアのアサインができない」といった否定的な言葉が返ってくるばかりで、多くは見積りすら出てこない状況でした。
 そうした中、「10カ月でもリホストが可能」と応じたところが、tdiでした。アイチコーポレーションとの付き合いも長く、スタッフを常駐させていたtdiは、同社がリホスト案件で困っていることを聞き、すでにメインフレームからオープン系へのリホストを短期間で成功した実績を持っていること、さらにそのプロジェクトに参加したエンジニアをそのまま使えることを提案しました。この短期間でリホストを実施したスキルとノウハウがそのまま使えることが大きな決め手となり、tdiの提案が採用される結果となりました。
 その際tdiが提案したリホスト・ソリューションが、ティーマックスソフトの「OpenFrame」でした。「OpenFrame」はtdiが以前の短期間で実現したリホスト案件で用いたソリューションで、従来のメインフレーム上で稼働する業務システムをコード変換するだけで、オープン系プラットフォーム上で使えるようになります。
 もともと、tdiが、数あるリホスト・ソリューションについても比較検討した結果、既存の資産を最大限に活用できるソリューションである「OpenFrame」の機能に注目しました。中でも、日本語処理に用いられる2バイト処理に強い点がエンジニアの信頼性を強め、今回の選定に至りました。


【移行対象資産1万5,000本の大規模ホストマイグレーションを10ヶ月という短期間で実現】
 tdiがアイチコーポレーションのリホスト案件に手を挙げたのは2015年3月。そこから役員会議で承認を受け、正式に発注。そして、予定通り2015年の末にリホストの作業が完了、2016年1月に全機能カットオーバーを迎えました。
 従来のメインフレームはオンプレミスでしたが、新しいプラットフォームでは、プライベートクラウド上で稼働させることになり、情報システム部の運用負荷が大幅に軽減されました。サーバーなどのハードウェア、データセンター内のネットワークインフラについては、それぞれの事業者が責任を持って運用するため、メンテナンスが不要となり、クラウド上のプラットフォームで動く業務アプリケーションを運用監視する体制になりました。その運用監視の方法も大きく変わり、多くの運用業務は自動化されました。
 また、業務アプリケーションの開発や改良も効率的になりました。COBOLで組んだ業務システムも、現場の要望を受けて改良を加え続け、以前の表示行数の制約がある3270エミュレーターの画面でのプログラミング操作に比べて、広い画面で効率よくプログラムが書けるようになり、開発効率化が進みました。
 また、バッチ処理のスピードも向上し、特にこれまで月次処理を行う時期にホストが混みあい、通常よりも処理に遅延が発生していましたが、新システムでは混みあう時期であっても処理がスムーズに行われるようになりました。
 さらに、40年もの長きにわたって使い続けた業務アプリケーションの不要なものを整理したり、業務アプリケーションのコードを見直す過程でこれまでに見つけられなかった不備を発見し、修正することもできました。
 また、営業や経理などの現場社員にとっても、新システムにより、業務システムの使いやすさが向上し、印刷の手順が簡単になったり、帳票のPDF出力が容易になるという利便性が増しています。


【リホスト・ソリューションとして「OpenFrame」を採用した決め手とメリット】
(1) 基幹業務システムのマイグレーション・ツールとしての実績があること
 「OpenFrame」は、メインフレーム上で稼働する既存のアプリケーション資産を修正せずにオープン環境に移行するマイグレーション・ツールとして韓国で開発されました。多数の大手企業に採用され、日本国内でも大手金融機関をはじめとするミッションクリティカルな環境での採用実績があるリホスト・ソリューションです。オープン環境への資産移行ツールの高機能性やメインフレームと同等の機能を持つミドルウェアなど、システムの根幹を支える領域において豊富な稼働実績を有しており、その性能や安定性に関してリスクを最小限に抑えることができます。

(2) コスト削減とエンハンス(機能強化)効率の向上を具現化できる製品コンセプトと開発体制
 「OpenFrame」は、メインフレームで稼動しているオンライン処理やバッチ処理などの業務で使われているプログラムやJCL資産を再開発することなく現有の資産そのままにオープン環境に移行し、メインフレームと同様の環境を実現します。それにより大幅なTCO削減が見込まれます。オープン環境のミドルウェアとして稼働する仕組みとなっており、ビジネスの継続性・拡張性が見込めることも魅力です。「OpenFrame」の製品群はすべて自社開発されており、非互換項目に対してOpenFrameの機能として実装することにより、迅速に対応できる体制が整っています。


【ホストマイグレーションプロジェクト実施後の効果や取組みについて】
 アイチコーポレーションは本プロジェクトで大規模メインフレームのマイグレーションが実現できたことにより、メーカー依存によるシステムの硬直化から脱却する第一歩を踏み出すことができました。
 アイチコーポレーションにとって40年以上にわたって改良を加えてきた業務アプリケーションは、他社と差別化するためのキーとなる重要なものです。今後は、オープン系、クラウドへの移行によって、他のシステムやデータベース管理システムと連携しやすくなり、情報の有効利用がさらに推進していくことが可能となります。さらに、新しいプラットフォームへの移行が済み、業務改革のための基盤が整ったため、今後はITの面から、将来を見据えた業務改革へ取り組むことが可能となります。
 tdiとティーマックスソフトは、本プロジェクトで得た様々な技術ノウハウと緊密なパートナーシップを基盤として、マイグレーションビジネスの協業を推進してまいります。


【4月26日開催「ITモダナイゼーションSummit 2016」においてアイチコーポレーションが特別講演を実施】
 2016年4月26日(火)に東京コンベンションホール(東京都中央区京橋)で開催される「ITモダナイゼーションSummit 2016」において、アイチコーポレーションによる本事例に関する特別講演が実施されます。
イベントの詳細は下記をご覧ください。
詳細URL: http://ac.nikkeibp.co.jp/nos/modernization/


■リホスト・ソリューション「OpenFrame」について
 「OpenFrame」は、メインフレームで使用している資産(アプリケーション、データ、画面など)をオープンプラットフォーム上で稼働させることが可能となるリホスト・ソリューションです。さらに移行負荷の高いメインフレーム特有のデータベースなどのミドルウェア機能も「OpenFrame」で提供しており、メインフレームで使用していた資産をオープンプラットフォーム環境でも有効活用することが可能となります。


■会社概要 情報技術開発株式会社について
 1968年創業の独立系のシステムインテグレーターです。主に企業向けにシステム開発・保守・システム運用・管理などのサービスを提供しています。

商号 : 情報技術開発株式会社(略称:tdi)
代表者: 代表取締役社長 三好 一郎
所在地: 東京都新宿区西新宿六丁目8番1号 住友不動産新宿オークタワー
設立 : 1968年9月
資本金: 18億8,186万円
URL  : http://www.tdi.co.jp


■会社概要 日本ティーマックスソフト社について
 日本ティーマックスソフト社はTPモニタ「Tmax」、Webアプリケーションサーバ「JEUS」、メインフレーム・リホスト・ソリューション「Tmax OpenFrame」、データベース「Tibero RDBMS」などのミドルウェアおよび各種ソリューションの販売・技術サポートを行っています。

商号 : 日本ティーマックスソフト株式会社
代表者: 代表取締役社長 佐藤 成徳
所在地: 東京都港区三田3丁目12番16号 山光ビル5階
設立 : 2000年7月
資本金: 9,000万円
URL  : http://www.tmaxsoft.co.jp/

※JEUSは、TmaxSoft Co., Ltd.の登録商標です。
※Tiberoは、TmaxData Co., Ltd.の登録商標です。
※その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。

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