サクソバンク、「2016年第2四半期エッセンシャルトレード」...

サクソバンク、 「2016年第2四半期エッセンシャルトレード」を発表 ~渦巻く極論(At The Extremes)~

デリバティブ取引の世界的大手であるサクソバンク(Saxo Bank A/S、デンマーク)の100%子会社であるサクソバンク証券は、2016年第2四半期の市場動向についてサクソバンクの市場分析チームが執筆したレポート「エッセンシャルトレード~渦巻く極論~」の邦訳版を発表しました。

2016年第2四半期の焦点は、金融市場にとって最大の課題「政治リスクと社会リスクの高まり」です。7月のアメリカ大統領候補者指名と、イギリスの欧州連合(EU)離脱の是非を問う6月の国民投票を前に高まる政治的な不透明感は、第2四半期の金融市場にとって最大のリスクと言えます。この二つの要素が世界でほぼ同時多発的に表面化してきたという事実は、社会における政治的エリートと現状の不一致を示唆しています。第2四半期予測レポートでは、サクソバンクのストラテジストが各アセットクラスの現状と見通し、それらに基づくトレードシナリオを解説します。

この世界情勢に対してチーフエコノミストのスティーン・ヤコブセンは下記の様に述べています。
「2007年に発生した世界金融危機から8年以上が過ぎたにも関わらず、実質賃金の対国内総生産(GDP)比は過去最低水準のまま、企業の税引き前利益の対GDP比は史上最高を記録しています。一方、資本支出と生産性は史上最低に落ちています。その結果、政治エリートと最も距離を置く極左、極右が台頭しているのが現状でしょう。すなわち、有権者は、『変わらない政治』より『混乱』のほうがましだと考えているのかもしれません。この新しいパラダイムを『社会契約の崩壊(the breakdown of the social contract)』と呼ぶことにします」

サクソバンク予測チームが総力を挙げて最良のトレードシナリオをまとめたこのレポートにより、皆様のインスピレーションを刺激することができれば幸いです。

<レポートはこちらからダウンロードできます(無料)>
URL: http://jp.saxobank.com/insights


「2016年第2四半期エッセンシャルトレード」は、各分野の専門家が執筆した5編のレポートから構成されています。各レポートの詳細は下記のとおりです。

■FX編/ジョン・ハーディ
「社会契約の崩壊」が第2四半期のテーマですが、その影響を最も受ける可能性が高い通貨は、EU離脱の是非を問う国民投票を控えた英ポンドです。EU離脱が現実となった場合、そのことが実際問題として何を意味するのかについては不透明さが残ったままですが、投票結果が即、英ポンド相場に大きな影響をもたらすのは必至です。
第2四半期は、トランプ政権が誕生した場合のアメリカ経済、より具体的には米ドルへの影響について、市場関係者がより真剣に検討する時期となりそうです。世論調査でトランプ勝利を強く示唆する結果が出てくれば、ドル安のリスクは大統領選が近づくほど高まるでしょう。それは、「トランプ大統領」が間違いなく最大の「未知数」だからです。唯一確かなことは「ボラティリティ」の高まりです。

「社会契約の崩壊」は日本にも無関係ではないかもしれません。日本銀行の黒田東彦総裁は2%のインフレ率達成目標を掲げています。名目インフレ率の上昇だけであれば簡単ですが、名目インフレ率が上がっても、実質インフレ率がマイナス2%かそれ以上になる可能性があります。


■債券市場編/サイモン・ファスダル
EUが抱える問題の解決を求める圧力が、イギリスのEU離脱の可能性と緊縮政策への反発を受けてさらに強まれば、ヨーロッパ債券市場は再び混乱に陥りかねません。ヨーロッパの金融部門については第2四半期も引き続き警戒する必要があります。超低水準の利鞘、規制強化の流れ(具体的には不明)、高水準の不良債権比率、とりわけ時代遅れで性能が劣る「ローテク」のビジネスモデルへの依存などがその理由として挙げられます。


■商品市場編/オーレ・ハンセン
過去2年間、金と原油を中心に、売り一色だったコモディティ市場は、ようやく息を吹き返す兆候を見せています。金需要には第1四半期を通して衰えが見られませんでした。これは、ヘッジファンドが金先物市場で記録的なショート(売り持ち)水準から13カ月ぶりの高水準のネットロング(買い越し)に転じたためでした。当面の金の上値は1オンス=1,310ドルで、それより上を目指す動きは期待できないと見ています。
1月中旬に北海ブレントが12年ぶりの安値を付けましたが、その後は上昇要因が続いたことから、市場の不安感は消えています。サクソバンクの第2四半期の原油価格の予測は、第1四半期と変わらず(1バレル=35ドルから40ドル)、ただし下値に偏るリスクは解消されると見ています。


■株式市場編/ピーター・ガーンリュー
新年早々から荒れ模様となった株式市場では、一部のセクターの株価が、サクソバンク予測チームが開発した新しい「MSCIワールド指数バリュエーションモデル」をベースにすると、割安水準まで売られました。その結果、シクリカルセクターの中では、一般消費財、素材、金融などの株価が標準偏差より安くなっています。サクソバンク予測チームは、この3セクターについて第2四半期はオーバーウェイトにしました。


■マクロ経済編/マッズ・コフォーズ
マクロ視点では、第2四半期には、市場に影響を及ぼすことが必至の出来事がいくつか予定されています。その中には、すでに大きな注目を集めている6月15日開催の米連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)と、6月23日に行われるEU離脱の是非を問うイギリスの国民投票が含まれます。さらにスペインでは新たな総選挙の可能性も出てきました。

しかし、FOMCが実際に追加利上げを行い、私たちがその影響をうまく乗り越えることができると仮定したうえで、先進国の株価を見てみると、現時点では割安だとは思えません。2月の底からおよそ10%反騰したことが先進国株価のバリュエーションに影響を与えています。イタリアでは、予想配当利回りが3.5%となり、同国の金融部門の業績が回復したことから、収益の急増が見込まれます。ヨーロッパの中でイタリアの対極にあるのがイギリスで、住宅市場から吹いていた追い風が衰えを見せていることを考慮すると、株価は過大評価されているように見えます


【サクソバンク(Saxo Bank A/S)について】
サクソバンク(Saxo Bank A/S)は、1992年に設立され、デンマーク金融監督庁の許可を受けた、オンライン取引を専門とした銀行です。外国為替(FX)、CFDs、ETFs、株式、先物、オプションなどの多岐にわたるデリバティブ商品を、数々の受賞暦を誇る取引プラットフォームとAPIを通じて提供しています。サクソバンクはインターバンク市場を形成する主要銀行(Tier 1 Banks)および世界中の80カ所以上の取引所から流動性を確保しており、リアルタイムでのプライス配信、正確な約定、そして競争力のあるスプレッドを提供しています。サクソバンク・グループは本社をデンマークに置き、日本、イギリス、イタリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スペイン、フランス、ウクライナ、チェコ共和国、アラブ首長国連邦、インド、オーストラリア、シンガポールなど27ヵ国にオフィスを構えて業務を展開しています。


【サクソバンク証券株式会社について】
社名  : サクソバンク証券株式会社
      第一種金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第239号
      商品先物取引業者 農林水産省 指令22総合第1352号
               経済産業省 平成22・12・22商第6号
所在地 : 〒106-0041 東京都港区麻布台1-7-2 神谷町サンケイビル10F
加入団体: 日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
      日本投資者保護基金、日本商品先物取引協会
URL   : http://jp.saxobank.com/

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