中小企業を対象に2016年度 昇給予定実態調査を実施 58%...

中小企業を対象に2016年度 昇給予定実態調査を実施  58%が昇給予定の反面、非正社員の待遇には課題も

株式会社エフアンドエムでは、エフアンドエムクラブ会員企業に対し、2016年度の昇給予定についての実態調査を行いました。

■1. 調査背景
アベノミクスを掲げて3年が経過し“経済の好循環”の実現を目指す中、2016年春闘が実施されました。日本労働組合総連合会が発表した「2016年春季生活闘争 第2回回答集計結果」による定昇相当込賃上げ計は6,335円であり、景気は回復傾向にあると言われているものの、前年対比マイナス801円という結果でした。大企業のこのような結果を背景に、エフアンドエムでは中小企業の実態について調査を行いました。


■2. 調査概要
調査期間 :2016年1月1日~2016年3月11日
調査対象 :エフアンドエムクラブ会員企業
      ※エフアンドエム会員企業とは、エフアンドエムが提供する
       中小企業向け管理部門支援サービスに入会している企業
有効回答数:909社
調査エリア:全国

<業種地域別回答数>
https://www.atpress.ne.jp/releases/97250/img_97250_2.jpg
※1 首都圏=東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県


■3. 調査結果
<図1 2016年度正社員昇給(予定)の有無>
https://www.atpress.ne.jp/releases/97250/img_97250_3.jpg
※2 n=909社

<図2 正社員とパートタイマー等の昇給(予定)の有無比較>
https://www.atpress.ne.jp/releases/97250/img_97250_4.jpg
※3 n=909社

調査の結果、58%の企業が2016年度に昇給の予定があることがわかり、2015年度の昇給予定企業の割合と比較すると、10ポイント下がる厳しい結果となりました。従業員数別でみると、11~30名以下の企業の昇給予定の割合が6~10名以下の企業の昇給予定の割合を下回る結果となりました。
また、図2より、パートタイマー等に昇給を行う予定の企業は17%と、正社員の昇給予定の企業の3分の1にも満たない結果となりました。2015年4月1日に改正されたパートタイム労働法では、職務内容や人材活用の仕組みが正社員と同一であれば正社員と差別的扱いが禁止されますが、実態には乖離があると考えられます。

正社員の平均昇給予定額についても調査を行いました。
<表1 2016年度正社員平均昇給予定額>
https://www.atpress.ne.jp/releases/97250/img_97250_5.jpg
※4 n=443社
※5 平均値と標準偏差を求め、異常値を除く

調査の結果より、正社員の平均昇給予定額は4,704円でした。この結果は、2015年の5,854円と比較すると、1,150円下回る結果となりました。
業種別でみると、不動産業、飲食業、建設業が5,000円を上回る結果となった一方、小売業は唯一3,000円台と厳しい結果となりました。内閣府が発表する月例経済報告では、1月・2月の2か月連続で「個人消費は総じてみれば底堅い動きとなっている」と発表しています。インバウンド消費は期待できるものの国内消費の冷え込みが続くと考え、昇給という経営判断ができなかったと考えられます。


■4. 総評
月例経済報告では、「景気は、このところ弱さも見られるが、緩やかな回復基調が続いている」とされましたが、中小企業の昇給実態は厳しい結果となりました。2015年年末賞与の実態調査時には賞与支給割合が前年を上回る結果となりましたが、長期的な売上の見通しを立てにくい中小企業において、昇給という経営判断は慎重にならざるを得ない状況が依然として続いています。
経済産業省では、2015年度の税制改正において、所得拡大促進税制の制度拡充を行うなど企業の昇給を後押しする制度も設けています。このような制度を増やし、昇給をする企業の負担を軽減することも必要だと考えられます。


■ 会社概要
会社名  : 株式会社エフアンドエム(英文名:F&M CO.,LTD.)
証券コード: 4771(上場証券取引所 東京証券取引所「JASDAQ」)
代表者  : 代表取締役社長 森中 一郎
設立   : 1990年(平成2年)
資本金  : 9億740万円(2015年3月期)
URL    : https://www.fmltd.co.jp/

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