営農型発電設備新法人の設立 課題が残る営農と太陽光発電の両立...

営農型発電設備新法人の設立  課題が残る営農と太陽光発電の両立に向け農業関係者を支援

営農型発電設備の公正かつ健全な発展を推進する一般社団法人全国営農型発電協会(略称:Farm X、所在地:東京都千代田区、代表理事:清水 進矢)を昨年2015年10月1日に設立しました。

影分布シミュレーション
影分布シミュレーション

営農型発電設備が一定の要件を満たすことで設置可能となってから、今年で4年目をむかえます。農業と売電の収入を両立できるため、各地域で導入が進み、全国で約500件の認可実績があります。(2015年12月現在、当協会調査)
しかし、作物に適した遮光率や農作業に支障のない空間を十分確保できていない設備や、また導入を検討する段階で案件が頓挫するケースも多く見られ、本当の意味での普及、発展には多くの課題が残されています。そうした課題に対する解決策を考案し、そして実行、実現していくことを誓い、当協会は発足しました。

ホームページURL: http://farmsolar.or.jp/


■課題への取り組み 1.影分布シミュレーションの開発
営農型太陽光発電の根本的な問題は影が圃場に落ちるということです。上空でモジュールが遮っている光は遮光率として表現されていますが、実際はその数値通りに遮光されている訳ではありません。なぜなら季節により太陽高度が違い、また時間により太陽の位置が違うからです。どのような影が圃場に落ち、作物にどう影響を及ぼすのかといった研究をし、またその情報を農家さんにも見える形で分かりやすく提供します。


■課題への取り組み 2.普及・発展への正しい基準組成
本来、営農型発電設備により減少してしまう光合成に必要な日照量を積算値として把握する必要がありますが、それ以上に分単位で大きく増減する日照変化は作物の生育に重要な要素であり、これらの研究を大学、企業との連携や共同研究により進め、作物ごとに生育結果を集積していきます。今後も実証実験を重ね、全国に向けて正しい基準を作り上げることの必要性を訴え、また情報発信し営農型発電認可基準をより公平、公正で安全なものとなるよう貢献して参ります。


■課題への取り組み 3.新たな耕作支援への取り組み
当協会に登録店という形で登録にご賛同頂いた農家・農業生産法人等に発電設備下での営農の協力依頼をしていく体制を築き数十年先になっても切れ目のない耕作支援の仕組みとします。


■課題への取り組み 4.新たなリスク分散への取り組み
金融機関による融資以外にも、市民ファンドや匿名組合等の組成により資金を得る方法をご提案することで、近隣や市民の理解をより得た形で運営する仕組みを選択できるように準備します。また、個々の農家が土地の貸出しのみ、設備下部の営農のみ、設備投資のみ、又はこれらの何れか2つ、というように、様々な立場・状況の農業関係者がそれぞれの方法で営農型発電設備による利益を享受します。これにより地域一体で営農型発電設備への理解が進んでいきます。


~日本の農業の未来への思い~
今まで日本は、分散錯圃という考えのもと長年農業が行われてきました。そこへTPPの波が押しよせ急に大規模効率化を求められています。しかし就農者の高齢化が進み平均年齢が66歳となった今、精神的にも体力的にも多くの農業従事者にとって大規模効率化は諦めざるを得ないのが現実です。また、作物の価格低迷は更に農業そのものを苦しめます。頑張って良いものを作っても高値で売れる訳ではない上に天候等にも左右され、収入が安定せず若者が就農しない現状があります。そもそも集約しにくい土地柄や地域も多く日本で集約化を進めても、広大な農地を持つ諸外国に効率で敵うことはありません。

集約化、効率化の最たるものは遺伝子組み換え野菜と言えるかもしれませんが、日本に受け入れられるかは疑問が残ります。中山間地域や集約の難しい農地、担い手の見つからない農地では手の打ちようがなくどんどん耕作放棄地になっていきます。農地を潰してマンションやアパートを建てても家賃経営が赤字になってしまう時代になりました。国家にとって必要不可欠な電気というエネルギーを売ることで投資をしっかり回収できる営農型発電設備は、今後の農業の経営改革そして資産でもある農地の有効な利用法として国土の狭い日本に定着すると信じています。

カテゴリ:
企業動向
ジャンル:
自然・エコロジー ビジネス全般

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