「沢に接する土地」を地番単位で可視化。山梨県3市 11万5,563筆の地形解析結果を公開

    公的な台帳に本数すら記録されていない「沢」を、国土地理院の地形データと法務省 登記所備付地図データの重ね合わせで判定。沢と関係する候補3万1,206筆、沢と車道の交差点1万2,217か所。推定・現況・法的情報は分けて提示します。

    その他
    2026年8月12日 17:19

    沢バンク株式会社(東京都渋谷区)は、自社開発の解析システム「SAWA」により、山梨県北杜市・韮崎市・南アルプス市の合計115,563筆について、土地と沢との位置関係を地番単位で判定した結果を公開します。
    判定結果は、沢・川に接する土地を集めた情報サイト「沢バンク」(https://sawabank.jp )に順次反映しています。

    本サービスは、代表者自身が「沢が付いている土地が欲しい」と考えたときに、その条件で探せる場所を見つけられなかったことが出発点です。

    ■ 「沢」には、数える統計そのものが存在しない

    国土交通省『河川データブック2025』(令和6年4月30日現在)によると、日本の一級河川は14,083本・総延長88,099.2km、二級河川は7,088本、準用河川は14,355本。一級・二級・準用を合わせた総河川延長は144,068.7kmです。

    ただしこれらは河川法上の「法定河川」です。山あいの多くの沢は普通河川や無名の細流にあたり、本数すら公的な台帳に記録されていません。

    国土の約7割は山地・丘陵地で(国土技術研究センター)、森林率は67%(林野庁、令和4年3月31日現在)。沢が生まれる地形的な素地は全国に広く分布しています。しかし「日本に沢が何本あるか」「どの土地が沢に接しているか」を示す公的統計は、当社が調べた限り見当たりませんでした(※1)。

    不動産情報の側から見ても同じです。ポータルサイトの検索条件は駅からの距離、土地面積、価格、用途地域といった項目で構成されており、「沢がある」は標準の絞り込みに含まれません。キーワード検索は各社にありますが、「沢」は全国に地名として多数存在するため、地名由来の結果が多く混ざります。

    ■ 解析結果(2026年8月●日時点)

    対象自治体:山梨県 北杜市・韮崎市・南アルプス市

    解析済み筆数:115,563筆  

    ・スコア算出済み    87,842筆     
    北杜市      69,785筆     
    韮崎市      18,057筆  

    ・地図表示、接道、建物、沢ラインまで整備済み

    南アルプス市   27,721筆(標高400m以上。沢スコアは次の段階)

    沢と関係のある候補:31,206筆
    沢と車道の交差点:12,217か所
    主に使用するDEMの解像度:1m

    幅0.5〜3mの沢は樹冠の下を流れるため、航空写真には写りません。
    ただし車道と交わる地点には橋か暗渠があります。
    そこで沢と道路の交差点12,217か所を抽出し、上流側を向く角度を算出することで、現地に行く前に流水の有無を机上で確かめられるようにしています。

    ■ 判定の手順

    地形から流路を推定する

    国土地理院の地形データ(数値標高モデル)から、水の集まる方向を計算します。
    窪地を埋め、最急降下方向に流量を積み上げ、集水面積0.05km²を超えた筋を沢として抽出します。

    既知の河川・水路と突き合わせる

    地図に記載のある河川、公図上の水路敷(青線)と照合し、推定した筋のうちどれに裏づけがあるかを区別します。裏づけのないものは推定のまま扱います。

    筆界と重ねて地番単位に落とす

    法務省 登記所備付地図データと重ね、どの地番に流路が接するか、あるいは通過するかを判定します。接し方は「敷地内通過」「境界沿い」「角のみ接触」の3つに分け、内部を通る長さと全体の長さの比で機械的に決めます。

    ■ 推定と、実在と、法的なものを混ぜない

    SAWAの設計で最初に決めたのが、性質の違う3種類の情報を分けて持つことです。

    ・推定層 地形データからの計算です。「沢がありそう」であって、水があることの証拠ではありません。

    ・現況層 地理院の水系データ、航空レーザによる実在水部、現地写真です。水があることの証拠ですが、「データに無い=水が無い」ではありません。航空レーザは水面で反射が返らず欠測になりやすく、樹冠下の細流も写りません。陽性の確証としてのみ扱います。

    ・法的層 公図の水路敷(青線)、国土数値情報の河川です。実際に水が流れているかとは別の話で、取水や工作物の可否に関わります。

    この3層を混ぜると、推定にすぎない沢を実在の川のように見せて土地を売ることになります。沢のある土地を扱う事業でそれをやれば、原野商法と区別がつきません。色と線種を分けているのは見やすさのためではなく、混ぜないための仕組みです。

    同じ理由から、評価は4つの独立した軸(地形推定スコア/記載の証拠/常時流水の見込み/机上スクリーニングのリスク)で持ち、合成した総合点はデータに持たせていません。キャンプ場を探す方、林業で作業道を引く方、水源を確保したい方では、重視する軸が違うためです。

    ■ 本解析でできないこと

    ・水があるかは分かりません。 地形から水が集まる筋を出しているだけで、実際に流れているか、通年で切れないかは判定できません。渇水期に涸れる沢は珍しくありません。

    ・見えない水は拾えません。 暗渠、パイプ排水、樹冠に完全に覆われた細流は地形データに現れません。逆に、人工的な溝を沢として拾うこともあります。

    ・網状に広がる川では位置がずれます。 扇状地で流れが分かれる区間では、計算上の流心が実際の流路から100〜300m、最大500mほどずれることがあります。

    ・境界の確定には使えません。 筆界は登記データの精度に依存し、地籍調査が済んでいない地域では公図と現地がずれます。

    ・接道は机上の判定です。 道路データとの接続関係を見ているだけで、建築基準法上の接道義務を満たすかどうかの判定ではありません。

    ・水を使えるかは別の話です。 河川法上の区分、慣行水利権、市町村の条例により、取水の可否はSAWAでは判定できません。

    ・沢や渓流沿いは、土石流や水害のリスクを伴い得ます。 必ず自治体のハザードマップと現地でご確認ください。

    当社は、相場の比較、値上がりの見込み、開発の可否、安全性について一切の断定を出力しません。これは仕様として決めていることです。

    ■ 山林・遊休地の情報空白という背景

    山林素地価格(用材林地)の全国平均は10a当たり4万759円です(日本不動産研究所『山林素地及び山元立木価格調』2024年3月末現在)。所有者不明土地は2016年時点で約410万haと推計されており(所有者不明土地問題研究会、2017年)、山林・原野はとくに所有者不明化と管理放棄が進みやすい類型です。

    一方、2024年の移住相談件数は過去最多の61,720件で、4年連続の増加となっています(認定NPO法人ふるさと回帰支援センター、2025年2月発表)。

    解析対象とした山梨県は森林率78%(林野庁、令和4年3月31日現在)。
    国内ミネラルウォーター生産量は1997年から連続で全国1位で、2024年の全国シェアは32.5%です(日本ミネラルウォーター協会調査)。
    北杜市は名水百選・平成の名水百選に3か所が選定されています(環境省)。

    「水のある土地を求める人がいる」ことと、「その土地を地番単位で探す手段がない」こと。このあいだの空白を公開データの解析で埋めることが、本取り組みの目的です。

    ■ 情報サイト「沢バンク」

    サイト名:沢バンク URL:https://sawabank.jp
    掲載件数:452件(2026年8月12日時点)
    掲載元:不動産会社・売主あわせて181者
    対象地域:47都道府県 対応言語:日本語・英語・中国語
    利用料:閲覧無料。掲載料・成約手数料ともに無料

    掲載物件は、沢との関係を「敷地内を流れる」「敷地に接する」「すぐ近く」の3区分で表示しています。

    地方別の内訳  

    北海道 35件
    東北 32件
    関東 63件
    中部・甲信越 165件
    近畿 45件
    中国 43件
    四国 18件
    九州・沖縄 51件

    都道府県別の上位
    長野県 50件
    静岡県 39件
    北海道 35件
    山梨県 30件
    岡山県 21件
    岐阜県 20件
    群馬県 16件
    千葉県 14件

    掲載元にとっての条件
    ・掲載料、撮影費、制作費はいただきません。
    ・お問い合わせは100%掲載元へ直接おつなぎし、当社は取引に関与しません。
    ・掲載の停止はいつでも可能で、違約金はありません。
    ・現地で撮影した写真と動画は、掲載元にも無償でお渡しします。

    ■ 付随して行っていること

    ・モデル沢地の見学(無料・予約制) 当社が山梨県北杜市に保有する山林を公開しています。水の音、夏の気温、平坦地が実際に使えるかは、写真でも数値でも伝わりません。見学の場で土地の売り込みは行いません。

    ・開拓用品レンタル 草刈機、チェーンソー、耕運機など。北杜市・韮崎市は現地へお届けします。

    ・読みもの14本 沢の水は飲めるのか、沢の水を実際に引く方法、水利権、保安林、土砂災害警戒区域の土地、山林の固定資産税、「沢付き・原野の土地は原野商法ではないか」など。買う前の不安に正面から答える内容を掲載しています。

    ■ 今後

    掲載地域の拡大と掲載元との連携拡大、およびSAWAの解析対象地域の拡大を進めます。登記所備付地図データと高精細な地形データが整備されている地域であれば対応可能です。

    ■ 当社の立場について

    当社は宅地建物取引業の免許を保有しておらず、媒介・代理その他の宅地建物取引業に該当する行為は一切行いません。沢バンクは情報の掲載と取次ぎのみを行います。当サイトは資産価値の上昇や開発の可否を示すものではありません。

    沢の情報は、地形データ等を用いた解析による推定を含みます。通年の流水、境界、水利権、接道、開発の可否については、現地確認および掲載元へのご確認が必要です。

    ※1 「公的統計が見当たらない」「探す手段が見当たらない」は、2026年●月●日時点で当社が公表資料およびウェブ上のサービスを調査した結果に基づく自社調べです。すべてを網羅するものではなく、調査時点以降の状況変化を保証するものではありません。

    出典:国土交通省『河川データブック2025』/国土地理院/法務省 登記所備付地図データ/国土交通省 国土数値情報・不動産情報ライブラリ/林野庁/農林水産省 筆ポリゴン/防災科学技術研究所/国土技術研究センター/環境省/日本不動産研究所/所有者不明土地問題研究会/認定NPO法人ふるさと回帰支援センター/日本ミネラルウォーター協会

    ■ 会社概要

    商号:沢バンク株式会社
    所在地:〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-19-15 宮益坂ビルディング
    事業内容:沢・川に接する土地の情報サイト「沢バンク」運営、地形解析システム「SAWA」開発
    URL:https://sawabank.jp

    ■ 報道関係者向けお問い合わせ先

    沢バンク 広報担当
    メール:info@sawabank.jp
    所在地:〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-19-15 宮益坂ビルディング

    取材、解析画面のデモ、モデル沢地(山梨県北杜市)の現地取材も承ります。

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    旅行ビジネス

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