世界の再発、難治性エプスタイン、バーウイルスの市場規模、疾患概要、疫学予測:2026年調査レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「世界の再発、難治性エプスタイン、バーウイルスの市場規模、疾患概要、疫学予測、英文タイトル:Relapsed/Refractory Epstein‑Barr Virus Epidemiology Forecast; Disease Overview; Epidemiology Forecast; Patient Pool Analysis」調査資料を発表しました。本資料には、市場規模、疾患概要、疫学予測、患者数分析(日本、米国、ヨーロッパ、インドなど)、治療上の課題・アンメットニーズなどの情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
本レポートは、再発・難治性Epstein-Barrウイルス関連疾患(Relapsed/Refractory Epstein-Barr Virus:R/R EBV)の疫学動向について、過去の患者推移と2026~2035年の将来予測を整理した市場調査レポートである。ここでいう「R/R EBV」はEBV感染そのものの再発・難治化を指すというより、EBVが関与する悪性腫瘍が初回治療に反応しない、あるいは一旦寛解後に再発した状態を中心とする概念である。EBVは世界の成人の約90~95%に感染している極めて普遍的なウイルスだが、多くは無症候の潜伏感染として経過し、悪性腫瘍へ進展するのはごく一部である。調査会社は、こうしたEBV関連腫瘍のうち再発・難治化した患者群を高いアンメットニーズを持つ集団として捉え、2025年を基準年、2019~2025年を過去分析期間、2026~2035年を予測期間として、米国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、日本、インドの8主要市場における患者数、年齢、性別、病型、診断患者プールなどを分析している。
EBVは主としてBリンパ球に潜伏感染し、宿主免疫によって長期間抑制される。しかし、免疫不全状態や遺伝的素因などがある場合には、ウイルス潜伏関連遺伝子の発現や免疫回避などを介して腫瘍形成に関与することがある。資料では、上咽頭癌、Hodgkinリンパ腫、Burkittリンパ腫、胃癌などが代表的なEBV関連悪性腫瘍として挙げられている。
再発・難治性病態では、初回治療後も腫瘍細胞が残存する、あるいは一旦寛解しても再増殖する。背景として、化学療法抵抗性、腫瘍による免疫回避、持続的なウイルス関連腫瘍機構などが関与するとされる。そのため、進行例では根治可能性が低下し、治療選択肢も限られる。
疫学上、最も重要な点は、EBV感染者数とEBV関連悪性腫瘍患者数、さらにその中の再発・難治例を明確に区別することである。世界成人の90~95%がEBVに感染しているという値は、R/R EBV患者の有病率ではない。
同様に、EBVが世界の悪性腫瘍の約1%に関与するとされる数値も、再発・難治例だけを示すものではない。EBV関連腫瘍全体の負担を示す背景データであり、R/R患者プールを求めるには、その中から各腫瘍の再発・難治率をさらに考慮する必要がある。
腫瘍別では、風土病型Burkittリンパ腫の約95%、胃癌の約8~10%、Hodgkinリンパ腫の約20~90%、上咽頭癌の95%超がEBVと関連するとされる。これらの割合は非常に異なるが、腫瘍ごとにEBV寄与度が大きく違うことを示している。
ただし、Hodgkinリンパ腫の20~90%という非常に広い範囲は、地域、年齢、病理型、研究集団などによるばらつきを反映している可能性が高い。したがって、単一の世界共通割合として扱うべきではない。
また、上咽頭癌の95%超がEBV関連とされても、上咽頭癌患者の95%超が再発・難治性という意味ではない。初回治療後に再発または転移するのは、資料では約20~25%とされる。
この20~25%は、根治目的化学放射線療法後に病勢不成功、すなわち再発または転移を経験する上咽頭癌患者の割合である。したがって、上咽頭癌全体の患者数にEBV関連割合と再発・転移割合を順に掛け合わせることで、R/R EBV関連NPC患者プールに近づくことができる。
Hodgkinリンパ腫では初回治療の治癒率が高い一方、約10~20%が再発または初回治療抵抗性になるとされる。これもHodgkinリンパ腫全体の再発・難治率であり、そのうちさらにEBV陽性患者だけがR/R EBV関連Hodgkinリンパ腫の対象となる。
したがって、「Hodgkinリンパ腫の10~20%がR/R EBV」という意味ではない。まずHodgkinリンパ腫患者の中からEBV関連例を特定し、その中で再発・難治化した患者を評価する必要がある。
年齢分布は基礎腫瘍によって大きく異なる。Hodgkinリンパ腫は15~35歳と55歳超にピークを持つ二峰性分布を示すとされる。
上咽頭癌は主として中年成人に多く、EBV陽性胃癌は高齢者で多い。
したがって、R/R EBV関連疾患全体に単一の「好発年齢」を設定するのは不適切である。実際の年齢構成は、どのEBV関連悪性腫瘍が各市場で多いかによって大きく変わる。
性別では、EBV関連悪性腫瘍全体として男性に多い傾向があり、特に上咽頭癌や胃癌では男性発症率が高いとされる。
ただし、これはEBV感染そのものが男性に多いという意味ではない。成人の感染率は男女とも非常に高く、性差は主として腫瘍発生側にある。
また、再発・難治化リスクそのものが男性で高いかどうかについては、今回の資料では具体的な男女別R/R率が示されていない。
米国では、2017年に成人癌1,666,102例が診断され、そのうち0.5%がEBVに起因すると推定され、約7,581例に相当するとされる。
この約7,581例は米国におけるEBV関連成人癌の推定症例数であり、「再発・難治性EBV患者数」ではない。
したがって、冒頭の「米国成人癌の約0.5%、7,581例」という数字をR/R患者プールとして直接扱うのは不適切である。
この7,581例の中には初回診断時の各種リンパ腫・上皮性腫瘍が含まれ、その一部が初回治療後に再発または難治化する。
R/R患者数を推定するには、腫瘍種類別にEBV関連患者数を分解し、その後に各腫瘍の再発・難治率を適用する必要がある。
そのため、米国ではEBV関連成人癌7,581例という基礎患者プールから、NPCの20~25%、Hodgkinリンパ腫の10~20%など腫瘍別R/R率を用いて対象患者数を推計する構造になる。
ただし、今回の抜粋では米国の7,581例の内訳が示されていないため、R/R患者数を定量的に算出することはできない。
日本については、EBV関連胃癌や上咽頭癌の負担が比較的大きい地域として言及されている。
ただし、今回の資料では日本の具体的なEBV関連癌患者数やR/R患者数は示されていない。
したがって、「日本では米国よりR/R EBVが何倍多い」といった定量比較はできない。
ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、インドについても、今回の抜粋では具体的なR/R EBV患者数や発症率は示されていない。
このため、8主要市場を対象とするレポートではあるものの、国別に数値で直接比較できる情報は非常に限られている。
このレポートを理解するうえでは、「EBV関連悪性腫瘍」と「EBV感染症」を混同しないことも重要である。
EBVは成人のほとんどが保有するウイルスであり、単純な潜伏感染状態に対して「再発・難治性」という表現を用いるのは通常適切ではない。
今回の「Relapsed/Refractory Epstein-Barr Virus」というレポート名は、実際には「再発・難治性EBV関連悪性腫瘍」を指していると解釈するのが最も整合的である。
また、EBV関連癌は一つの疾患ではなく、リンパ系腫瘍と上皮性腫瘍を含む非常に多様な腫瘍群であるため、治療も共通ではない。
治療は、基礎となる悪性腫瘍の種類と過去の治療歴によって大きく異なる。
再発・難治例では救援化学療法が用いられることが多く、適格患者ではその後に造血幹細胞移植が検討される。
特に再発・難治リンパ腫では、初回治療後に再増悪した患者に対して救援療法を行い、反応が得られた患者で移植を行うという治療戦略が用いられる場合がある。
ただし、すべてのEBV関連腫瘍で同じ移植戦略を用いるわけではなく、基礎腫瘍ごとに治療は異なる。
免疫療法では、PD-1阻害薬が特定のEBV関連癌で効果を示しているとされる。
EBV関連腫瘍では免疫回避機構が病態の一部となる場合があるため、免疫チェックポイントを阻害してT細胞応答を回復させる戦略には病態的な合理性がある。
ただし、今回の資料では具体的な薬剤名、奏効率、どの腫瘍でどの適応があるかまでは示されていない。
細胞療法としては、EBV特異的細胞傷害性T細胞(EBV-specific cytotoxic T cells)の投与が新たな治療アプローチとして挙げられている。
これは患者またはドナー由来のT細胞を利用してEBV関連抗原を発現する腫瘍細胞を選択的に攻撃することを目的とする。
ただし、このような養子免疫細胞療法は専門施設中心の治療であり、今回の資料でも「emerging」と位置づけられているため、すべてのR/R EBV患者に広く使用される標準治療と解釈すべきではない。
抗ウイルス薬単独は、潜伏EBV関連腫瘍に対して一般に十分な効果を示さないとされる。
これは、悪性腫瘍細胞内のEBVが主として潜伏感染状態にあり、通常の抗ウイルス薬が標的とする活発なウイルス複製が乏しいためである。
したがって、R/R EBV関連悪性腫瘍は「ウイルス感染症だから抗ウイルス薬で治療する」という単純な構造ではない。
むしろ、腫瘍細胞そのもの、腫瘍免疫、EBV抗原を標的とする必要がある。
このため、ウイルス抗原を標的とする治療や免疫経路を調節する治療が今後の研究領域として重要になる。
臨床試験への参加も強く推奨されるとされる。
これは、再発・難治例では標準治療の選択肢が限られ、特に複数治療後の患者では治療抵抗性が高いことを反映している。
新規治療では、EBV抗原、免疫チェックポイント、細胞療法、その他の分子標的を利用したアプローチが拡大している。
市場の観点では、R/R EBV関連悪性腫瘍は患者数自体は多くない一方、複数の希少・難治性癌にまたがり、一人あたりの治療強度が高い。
救援化学療法、移植、免疫療法、細胞療法、臨床試験など高度医療を必要とするため、患者数だけでは疾病・市場負担を十分に評価できない。
また、この市場では「EBV感染者数」ではなく、「EBV関連癌患者数 × 再発・難治化率 × 診断・治療到達率」が実際の治療対象患者数を決める。
2026~2035年の患者プールを左右する第一の要因は、EBV関連癌そのものの発生動向である。
第二に、EBV関連性を正確に判定する病理・分子診断の普及がある。これまで単にHodgkinリンパ腫や胃癌と診断されていた患者について、EBV陽性・陰性を明確に分類する機会が増えれば、EBV関連患者プールがより正確に把握される。
第三に、初回治療後の生存改善がある。患者が長く生存すれば、再発時に二次・三次治療へ到達する患者が増える可能性がある。
第四に、画像診断や血中EBV関連バイオマーカーなどによる再発検出が改善すれば、R/R患者がより早期に捕捉される可能性がある。
一方、初回治療の成績が改善して再発率が低下すれば、R/R患者数は減少する可能性がある。
したがって、2026~2035年のR/R EBV市場は、EBV関連癌の新規発症数だけでなく、初回治療成績、再発率、再発後生存期間、新規治療の利用可能性によって大きく変動する。
全体として本レポートは、再発・難治性EBV関連疾患を「EBV感染そのものの再燃ではなく、EBVが発癌に関与する上咽頭癌、Hodgkinリンパ腫、Burkittリンパ腫、胃癌などが初回治療に反応しない、または治療後に再発した高リスク悪性腫瘍群」と位置づけている。
世界成人の90~95%がEBVに感染している一方、EBVが関与する悪性腫瘍は全癌の約1%にとどまり、そのさらに一部が再発・難治性となる。したがって、EBV感染率の高さをそのままR/R患者数へ結びつけてはいけない。
腫瘍別には、風土病型Burkittリンパ腫約95%、胃癌8~10%、Hodgkinリンパ腫20~90%、上咽頭癌95%超がEBV関連とされる。上咽頭癌では根治治療後約20~25%が再発または転移し、Hodgkinリンパ腫では約10~20%が再発・難治化する。
ただし、これらの再発率は各腫瘍全体に関するものであり、R/R EBV患者数を求めるにはさらにEBV陽性割合を考慮する必要がある。
米国では2017年の成人癌約166万6,102例のうち0.5%、約7,581例がEBV関連と推定されるが、この7,581例もR/R患者数ではなくEBV関連癌全体の推定数である。この点は今回の資料で最も重要な解釈上の注意事項の一つである。
年齢は基礎腫瘍ごとに異なり、Hodgkinリンパ腫は15~35歳と55歳超、上咽頭癌は中年、EBV陽性胃癌は高齢者に多い。性別ではEBV関連腫瘍全体として男性優位傾向がみられる。
治療では、基礎腫瘍と前治療歴に応じて救援化学療法、適格患者への造血幹細胞移植、PD-1阻害を含む免疫療法、EBV特異的細胞傷害性T細胞療法などを検討する。潜伏感染を背景とするため抗ウイルス薬単独は一般に有効性が限定的であり、臨床試験への参加も重要とされる。
2026~2035年の疫学・市場動向を考えるうえでは、EBV関連癌の診断精度向上、EBV陽性症例の分子・病理学的同定、再発の早期検出、初回治療後の長期生存によってR/R患者プールがより明確に把握される可能性がある。一方、初回治療成績が改善すれば再発患者割合は低下する可能性もある。
したがって、今後のR/R EBV関連悪性腫瘍管理における中心的課題は、「EBV陽性」であることだけを治療対象とするのではなく、どの基礎悪性腫瘍であるか、初回治療への反応、再発部位、EBV関連性、患者の全身状態、移植適格性、免疫療法・細胞療法の適応を個別に評価することである。2026~2035年は、再発・難治性EBV関連疾患を単なる難治性感染症としてではなく、ウイルス発癌と腫瘍免疫を利用した標的治療開発が求められる希少かつ高アンメットニーズの悪性腫瘍群として捉えることが、臨床・疫学・研究開発・市場の主要テーマになるとまとめられる。
※目次構成
01
序文
1.1 はじめに
1.2 調査目的
1.3 調査方法および前提条件
02
エグゼクティブサマリー
03
再発・難治性エプスタイン・バーウイルス市場概要(8主要市場)
3.1 再発・難治性エプスタイン・バーウイルス市場の過去市場規模(2019年~2025年)
3.2 再発・難治性エプスタイン・バーウイルス市場の予測市場規模(2026年~2035年)
04
再発・難治性エプスタイン・バーウイルス疫学概要(8主要市場)
4.1 再発・難治性エプスタイン・バーウイルス疫学状況(2019年~2025年)
4.2 再発・難治性エプスタイン・バーウイルス疫学予測(2026年~2035年)
05
疾患概要
5.1 症状および徴候
5.2 原因
5.3 リスク要因
5.4 ガイドラインおよび病期分類
5.5 病態生理
5.6 スクリーニングおよび診断
06
患者プロファイル
6.1 患者プロファイル概要
6.2 患者心理および感情面への影響要因
07
疫学状況および予測(8主要市場:2019年~2035年)
7.1 主要調査結果
7.2 前提条件および根拠
7.3 8主要市場における再発・難治性エプスタイン・バーウイルス疫学状況(2019年~2035年)
08
疫学状況および予測:米国(2019年~2035年)
8.1 米国における再発・難治性エプスタイン・バーウイルス疫学状況(2019年~2035年)
09
疫学状況および予測:英国(2019年~2035年)
9.1 英国における再発・難治性エプスタイン・バーウイルス疫学状況(2019年~2035年)
10
疫学状況および予測:ドイツ(2019年~2035年)
10.1 ドイツにおける再発・難治性エプスタイン・バーウイルス疫学状況(2019年~2035年)
11
疫学状況および予測:フランス(2019年~2035年)
11.1 フランスにおける再発・難治性エプスタイン・バーウイルス疫学状況(2019年~2035年)
12
疫学状況および予測:イタリア(2019年~2035年)
12.1 イタリアにおける再発・難治性エプスタイン・バーウイルス疫学状況(2019年~2035年)
13
疫学状況および予測:スペイン(2019年~2035年)
13.1 スペインにおける再発・難治性エプスタイン・バーウイルス疫学状況(2019年~2035年)
14
疫学状況および予測:日本(2019年~2035年)
14.1 日本における再発・難治性エプスタイン・バーウイルス疫学状況(2019年~2035年)
15
疫学状況および予測:インド(2019年~2035年)
15.1 インドにおける再発・難治性エプスタイン・バーウイルス疫学状況(2019年~2035年)
16
患者経路
17
治療課題および未充足ニーズ
18
キーオピニオンリーダー(KOL)による洞察
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