22 歳の⼤学⽣らがクラウドファンディングで財団設⽴へ　神経難病・重症筋無⼒症（MG）の未来を変える

MG の診断・治療開始の遅れ、社会的誤解の課題に挑む新プロジェクトが始動

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2025年12月18日 10:00

22歳の大学生ら、神経難病・重症筋無力症 Myasthenia Gravis（以下、「MG」）患者を中心とした有志が、診断や治療開始の遅れ、社会的誤解といった課題に向き合い、MGの未来を変えることを目指す新たなプロジェクトを始動しました。症状の多様さから見過ごされやすいこの病気について、患者の声を社会や医療現場に届け、理解を広げることで早期発見・早期治療につなげることを目的に、一般財団法人「重症筋無力症かけはし基金」の設立を目指しています。その第一歩として、2025年11月7日よりクラウドファンディングを開始し、開始から約1か月で目標額300万円の9割を達成するなど、注目を集めています。
※クラウドファンディングサイト：https://congrant.com/project/mg-kikin/20055

MG は、厚⽣労働省により「指定難病」に定められている希少疾患です。現在、⽇本国内の患者数は約３万⼈と報告されおり、患者数は年々増加傾向にあります。しかし、その病状は極めて多様です。筋⼒の低下を始めとした主症状だけでなく、症状の個⼈差が⼤きいことや、１つの症状が引き⾦となって別の不調を誘発することもあります。こうした複雑な病態は患者⼀⼈ひとりの⽣活の質（QOL）を著しく低下させる要因となっています。

■活動背景

MG は、筋⼒低下・複視・構⾳障害など時間や⽇によって症状が変動し、個⼈差も⼤きい神経難病です。患者同⼠では、「筋⼒が落ちると関節が痛いよね」「複視があると吐き気が出るよね」といった⼆次的症状や⽇常の困難が実感として共有されています。しかし、MG は未知な部分が多い疾患であるため、こうした“患者の実感”は医学書の定型的な記述と異なることが多く、診断・治療開始の遅れ、社会的誤解、⽣活⽀援の滞りにつながっています。

かつて病名がなかった時代、⼈々が⾃らの不調を語ることが医学の出発点でした。医学は本来、患者の経験から始まります。私たちはその原点に⽴ち返り、医学書には記されていない患者の声を医療現場と社会に届けることこそ、この課題解決の第⼀歩と考え、このプロジェクトを⽴ち上げました。

中⼼メンバーのナツミ（22）は、「⾮典型例や診断に⾄っていない患者の訴えは、『診断の枠外』として扱われ、適切な理解や⽀援につながりにくい。こうした経験から、患者の経験や思いが適切に医療や社会に届けられる仕組みが必要」と話しています。

■新プロジェクト概要

①MG に理解のある若⼿医療者を顕彰する制度

MG 患者のリアルな症状に真摯に向き合うキャリア初期の医療従事者（医師、看護師、理学療法⼠など）を MG 専⾨家らのコメントともに顕彰します。医学書にはまだ掲載されていない MG 患者の実態と症状への理解を広め、質の⾼い医療の提供が可能となるような仕組みづくりを⽀援します。

②患者の実体験の記録（ペイシェントジャーニー）の作成

発症、診断過程、症状の多様性、治療の選択、⼈⽣への影響などを質的データとして整理し、研究・教育でも使⽤できる教材として、専⾨家監修のもと出版します。「100 ⼈いれば 100 通りの MG がある」この多様性こそがエビデンスとなり、医療教育の改善や診断精度向上につながります。

■財団設⽴：永続的な仕組み

活動を 10 年や 20 年で終わらせず、次の世代にも渡せる「社会を変えるためのインフラ」として機能させるために以下の仕組みを構築します。

・永続的な仕組み

基本財産を元本保証の国債にし、その利益によって活動を⾏います。

・運営体制

理事は全員ボランティアとして活動しており、監事や評議員に就任予定の医師らも、すべてプロボノ（専⾨家による無償ボランティア）として参加しています。さらに、⼤学⽣・⼤学院⽣メンバーが⾃ら交渉を⾏い、法律関連は⻄村あさひ法律事務所の三村まり⼦先⽣率いるチームから、税務・会計関連は税理⼠法⼈フィデス会計社から、それぞれプロボノ⽀援を受けています。

■クラウドファンディング実施中

集まった寄付⾦は、財団の基本財産（元本）として積み⽴てられ、元本保証の国債で運⽤されます。運営費は運⽤益からまかなうため、⼀度いただいたご寄付は無くなることなく、この活動を⻑期的に⽀え続ける仕組みになっています。財産設⽴に向けた⽬標⾦額 300 万円の 90%・270 万円以上が開始後約１ヶ⽉で集まり、法⼈を含む賛同者も 120 ⼈を超え、達成間近です。事業拡充のため 400 万円をネクストゴールに設定し、⽬標達成のため、プレスリリースに⾄りました。2026 年 3 ⽉に正式に⼀般財団法⼈としての登記を⽬指しています。

国際医療福祉⼤学医学部脳神経内科学教授（代表）・神経内科医の村井弘之先⽣、公益財団法⼈東京都医学総合研究所社会健康医学研究センター客員研究員の川村佐和⼦先⽣、国⽴精神・神経医療研究センター病院⾝体リハビリテーション部第 1 理学療法室主任の寄本恵輔先⽣から応援メッセージが寄せられています。

期間：2025 年 11 ⽉ 7 ⽇（⾦）〜2026 年 2 ⽉ 7 ⽇（⼟）
⽬標⾦額：初期ゴール 300 万円、ネクストゴール 400 万円
URL：https://congrant.com/project/mg-kikin/20055
協⼒：コングラント株式会社
なお、このクラウドファンディングは「GIVING100 by Yogibo」の応援プロジェクトであり、⽬標⾦額を達成した場合、寄付決済時に発⽣する決済⼿数料を株式会社 Yogibo に全額負担していただきます。