【レチノール美容】日焼けがしやすくなる？朝は使える？レチノールの噂を医学博士がやさしく解説！

レチノールの使用で『日焼けしやすくなる』『朝は使えない』と心配する人は少なくありません。

本記事では、レチノールとその誘導体が紫外線にどう影響するか・朝の使用の可否・日常でできるUV対策を医学博士が解説します。

解説：医学博士 高岡（セラミド化粧品　シェルシュール開発者）

レチノールは、肌のターンオーバー（肌の細胞が「生まれ変わる周期」のこと）を整える成分です。

肌の生まれ変わりを助けることで、しわやシミ、毛穴の見た目の改善につながる可能性があります。レチノールは、食事等で摂る以外にも、化粧品でも取り入れることができます。

結論：レチノールおよびその誘導体は継続使用で紫外線への感受性が上がり、シミや日焼けが起こりやすくなる可能性があります。

朝・夜、どちらに使う場合でも、日中は必ず日焼け止めや帽子・日傘などで紫外線対策を行うことが大切です。

結論：徐々に効果が弱くなる。

レチノールは不安定で紫外線や熱で分解・変質しやすいです。

最近は、純粋レチノール配合製品でも処方や遮光容器などで分解されない工夫が施されていることが多いです。

結論：効果は失われにくいと考えられる。

酢酸・パルミチン酸・リノール酸レチノールなどのレチノール誘導体は紫外線や熱に比較的安定で分解されにくく効果を維持しやすく（肌内でもパルミチン酸レチノールの形で蓄えられます）、市販の多くの製品はこれらの誘導体を使っています。

不安な方は購入前に成分表示を確認すると安心で、いずれの場合も直射日光を避けて保管し早めに使い切ることが大切です。

結論：レチノールは朝の使用はおすすめしません。

レチノールは不安定で、肌に塗って紫外線を浴びると変質する恐れがあるため、朝の使用は推奨しません。

※レチノール誘導体については、製剤によって性質が異なるため、使用方法はメーカーの製品の表示等を確認してください。

結論：市販品でSPF20相当の紫外線防御を期待するのは難しい。

濃度にもよりますが、日本製のほとんどのパルミチン酸レチノール化粧品には、SPF20の効果はありません。

2003年のJournal of Investigative Dermatologyの論文では、背部に2％のパルミチン酸レチノールを外用した条件で、UVBによる紅斑形成が抑えられ、SPF20相当のサンスクリーンと同程度の結果が得られたと報告されている点が「SPF20相当」との噂の由来です。

今の日本の法律では論文と同じ濃度で配合することは可能ですが、その刺激性や不安定性から、紫外線吸収剤として効果が期待できるほど配合するのは、現実的には厳しいと考えます。

レチノールの刺激性を踏まえ、敏感肌向け化粧品の開発者としては家庭用（ホームユースの場合）の配合濃度の上限をおおむね0.1%と考えており、その濃度では論文で報告されたような紫外線防御効果を再現することは期待しにくいと考えられます。

※ホームユース＝家で市販の化粧品やスキンケア製品を自分で使う場面のこと。

レチノールは便利な成分ですが、長く使うと紫外線に弱くなる場合があります。

効果と安全のバランスを意識して使用し、朝でも夜でも日焼け止めや帽子などで対策を続けてください。

製品ごとに使用法や注意点が異なるため、気になる点はメーカー表示や専門家に相談するのが安心です。

レチノールについてさらに知りたい方は敏感肌ナビをご覧ください。

会社名　　 ：有限会社ＤＳＲ
代表者　 ：宮竹　二郎
本社所在地 ：大阪府吹田市江坂町1-23-101大同生命江坂ビル13階
設立　　 ：2002年12月4日
事業内容 ：化粧品の開発、製造、販売
資本金　 ：300万円
URL　　 ：https://dsr-skincare.jp/