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クリエイティブ業務に関わる皆さまへ
有料写真、インターネット上の無断使用で著作権侵害が認められ勝訴

ストックコンテンツの企画・商品開発を手がける株式会社アマナイメージズ(本社:東京都品川区、代表取締役社長:石亀幸大)はこの度、当社が有料で販売する写真素材が他社Webサイトに無断で使用され損害賠償を請求した事案について、著作権および著作権人格権、独占的利用権の侵害が認められ勝訴したことについてご報告します。

本件はこれまで、有料で販売する写真素材の無断使用※1が発覚しても他のサイトから入手したと主張して損害賠償に応じないことが多かった無断使用者に対して、無断使用の事実を証明すれば(他からの引用でないことを証明しなくても)写真の著作権侵害等による損害賠償が認められ勝訴した重要な裁判例となります。すなわち著作物の違法使用が立証しにくいインターネット上の無断使用行為を舞台として上記のような判決が下されたことは、インターネット環境が普及した現代に適合した、権利者を守る画期的判決と言えます。広告業界関係者やウェブサイト・販促物・個人の作品を制作するクリエイターなど、著作物を使用する側が今後留意しなければいけない、1つの指針となる裁判例です。(東京地裁2015年4月15日判決(確定)、事件番号:平成26年(ワ)24391号)※1 写真の著作者またはその管理者から事前に使用許諾を取得せず、使用料を支払うことなく使用する事


■ 判決のポイント

【1】無料素材ダウンロードサイトから入手する場合であっても、識別情報や権利関係の不明な著作物の利用を控えるべき義務がある(すなわち、著作物を利用する際は、当該著作物に係る著作権等の権利関係について調査・確認する義務があると考えられる)

【2】有料で販売する写真としては、著作者の氏名表示がない状態での使用を認めていても、無断で不正使用した場合は著作者人格権の侵害となる

【3】立証責任について、従来であれば、被害者側において、加害者に著作権侵害の故意・過失があることを立証する必要がある。しかし、本判決によって、被害者側が「加害者による著作物の無断使用の事実(被害者の著作権等が侵害された事実)」を立証すれば、加害者において著作物の権利関係について調査・確認を怠らなかったことを立証しなければ損害賠償責任が認められ得ることが明らかとなった。事実上、被害者(権利者)による立証責任のハードルが低くなったと言える。


当社は、本判決が今後のネット社会における著作権保護のあり方を考える上で非常に重要なものであると位置付け、今後も継続的に認知啓発活動を行う考えです。


■ 「知らなかった」「違法とは思わなかった」は通用しない

本判決では、著作権等の侵害について、単なる過失にとどまらず、少なくとも未必の故意があったと認めました。これは、Web制作経験を有していた被告従業員の経歴及び立場に照らして、「著作権等の侵害を惹起する可能性があることを十分認識しながら」あえて使用行為に及んだと認定したものであり、クリエイティブ業務に従事するプロフェッショナルとして、権利関係の確認を怠って安易に著作物を無断使用した場合に、「有料の写真とは知らなかった」「違法とは思わなかった」などの言い訳がおよそ通用しないことを裁判所が認めたと考えられます。

特にインターネット上では膨大な数の著作物がアップされており誰もが簡単にコピーできるため、クリエイターや著作権者の権利の保護が十分に全うされないおそれが大きいといえます。しかしながら、著作権者等の権利者、使用者双方にとって健全なクリエイティブ環境を維持するためには、著作物が不正に使用された場合に、被害者(著作権者等の権利者)がきちんと無断使用者からの損害賠償等により被害回復を受けられることが必要不可欠です。逆に、使用する側においても、著作物の使用に当たり、権利関係の不明な著作物の利用を控える等の配慮が必要となります。


<訴訟内容について>

弁護士法人ボストン法律経済事務所が無断で自社のWebサイトにアマナイメージズが独占的にマネージメントする有料写真素材を使用したことについて、著作権(複製権、公衆送信権)、著作者人格権、独占的利用権等が侵害されたとして損害賠償を請求したものです。判決では、著作権(複製権、公衆送信権)、著作者人格権、独占的利用権の侵害が認められ勝訴しました。
(東京地裁2015年4月15日判決(確定))

裁判所ウェブサイト(最高裁判所事務総局 運営)
知的財産裁判例集
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=85082


<担当弁護士によるコメント>

本判決は、写真の著作者、著作権者のみならず、著作物の独占的利用権を有する権利者を保護するという観点から非常に有意義な判決だったと考えています。特に、著作権等の権利侵害に関して、故意・過失の有無が重要な争点の一つとなるケースが多い中で、本判決が、単なる過失にとどまらず、少なくとも未必の故意があったと認定している点、無料素材ダウンロードサイトから入手する場合であっても、権利関係の不明な著作物の利用を控えるべきであると判示している点は、安易な著作物の使用に警鐘を鳴らすものであり、著作権等の権利保護の観点から高く評価できると考えています。

不法行為(民法第709条)の故意・過失については、損害賠償を求める側(被害者)に立証責任があるとされています。本判決は、原告が対象となる著作物が許諾なく被告のウェブサイトで使用された事実(著作権等が侵害された事実)さえ立証すれば、被告による当該著作物の具体的な取得方法を原告で立証しなくても、被告側に未必の故意による損害賠償責任が認められ得る場合があることを明らかにしており、事実上の立証責任の転換・緩和が図られたと考えられます。

また、もともと氏名が表示されていなかった著作物について、著作物が違法に利用されるような場合についてまで、氏名の表示を省略することを承諾していたと認めることはできないとして、本判決が著作者人格権(氏名表示権)の侵害を認めた点も、今後の同種事案において参考になると考えています。

著作物の不正使用について泣き寝入りを強いられるケースも多い中で、アマナイメージズが不正行為を看過さずに毅然とした態度で立ち向かったことが、こうした指針となる判例を生み出したといえるでしょう。今後のネット社会における著作権保護のあり方を考える上で、本件は重要なケースとなってくるのではないでしょうか。


担当弁護士:
三宅坂総合法律事務所
弁護士 野間 自子氏
1992年ワシントン大学ロースクール修士課程修了。知的財産権法、個人情報保護法、電子商取引を含む、企業法務(紛争解決業務を含む)を専門とし、著作権侵害に関する著書・論文も発表。2014年から2015年まで、日本知的財産仲裁センター副センター長を務めていた。

弁護士 浅田 登志雄氏
2005年東京大学法学部卒業、2006年弁護士登録。専門分野は、会社法務全般(訴訟・紛争解決、コンプライアンス等)、知的財産権、M&A、事業再生・倒産など。


株式会社アマナイメージズ 会社概要
代表者: 代表取締役社長 石亀 幸大
所在地: 東京都品川区東品川2-2-43
設立: 2007年1月
事業内容: ストックコンテンツの企画・商品開発
URL: http://amana.co.jp/about/group/amanaimages.html

株式会社アマナ 会社概要
代表者: 代表取締役社長 進藤博信
所在地: 東京都品川区東品川2-2-43
設立: 1979年4月
資本金: 10億9,714万円
証券コード: 東証マザーズ2402
売上高: (連結)209億66百万円 ※2014年度12月期実績
従業員数: (単体)446名/(連結)1,064名 ※2015年4月1日現在
事業内容: ビジュアル・コミュニケーション事業
URL: http://amana.co.jp/

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