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GfK Japan調べ:2015年上半期 家電・IT市場動向

 ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社(所在地:東京都中野区、代表取締役社長:藤林 義晃)は、2015年上半期の家電およびIT市場の販売動向を発表した※1。


図1.薄型TV市場規模の推移(万台)

【国内家電流通】
 国内の家電小売り市場規模は2012年からの3年間おおよそ7兆5,000億円前後で推移してきた。2015年上半期は、消費増税に伴う駆け込み需要があった時期との比較となるということもあり、販売は前年を下回った。下半期に前年比は回復すると予想されるが、2015年通年としては前年を数パーセント下回ると見込む。こうした中、2014年に家電小売り販売額に占める割合が10%を突破したインターネット販売は順調に規模を拡大しており、今後も成長が見込まれる。今後に向けては、エコポイント制度導入時期や、アナログ停波の際に購入された製品が徐々に買い替えの時期を迎え、需要を下支えすると考えられる。外国人観光客の増加もプラス材料で、家電量販店中心に免税販売に対応する店舗が急増しており、注目度が高い。

【AV市場】
 2015年上半期のAV市場は、薄型TVが数量ベースでプラス成長となるも、全体としては縮小基調が継続した。このような中、4K、ハイレゾといった高付加価値製品の伸長が目立った。

 薄型テレビの販売台数は前年比8%増の330万台と8半期ぶりのプラス成長となった(図1)。2015年3月を中心に各地域でケーブルテレビ局のデジアナ変換サービスが終了し、これに伴うアナログテレビからの買い替え需要が市場を押し上げた。4Kテレビは大幅な成長を遂げ、販売台数は前年同期の4.8倍となる20万台に達した。薄型テレビに占める4Kテレビの構成比は数量ベースでは前年同期の1%から6%へ拡大し、金額ベースでは23%を占めた。薄型テレビの平均価格は、大画面製品の平均価格が下落したことに加え、デジアナ変換サービス終了に伴う買い替えで中小型製品への需要が高まったことにより、前年同期から11%下落した。これにより薄型テレビの販売金額は前年比3%減となった。

 BD/DVDは前年比10%減の230万台となった。プレーヤーは数量前年比9%減、レコーダーは同11%減と、ともにマイナス成長となった。レコーダーの97%を占めるBDレコーダーでは、内蔵HDDの大容量化が進展し、1TB以上の数量構成比は前年同期から6%ポイント拡大し46%を占めた。平均価格はレコーダー、プレーヤー共に前年を下回った結果、BD/DVDの金額前年比は15%減となった。

 オーディオ製品の中で需要が比較的安定しているヘッドホン/ヘッドセット※2は、低価格帯の需要減により数量ベースでは前年比2%減の920万本となった。ヘッドホンが数量前年比6%減となる一方、ヘッドセットは同6%増と拡大した。注目のハイレゾ対応製品の販売台数は前年同期の3倍に増加した。ヘッドホン/ヘッドセットに占めるハイレゾ対応製品の構成比は数量ベースでは2%とまだ小さいが、平均価格が21,500円と高額であるため、金額ベースでは11%に達した。この他、Bluetooth対応機も増加した。このような高価格製品が伸長した結果、ヘッドホン/ヘッドセット全体の平均価格は前年同期から12%上昇し、金額市場規模は前年同期から10%拡大した。

図1.薄型TV市場規模の推移(万台)
https://www.atpress.ne.jp/releases/69999/img_69999_1.png

【テレコム市場】
 2015年上半期の携帯電話の販売台数は前年比6%減の1,560万台となった(図2)。スマートフォン(ファブレット含む)は前年比2%増の1,260万台となり、携帯電話販売台数における構成比は81%へ上昇した。スマートフォンでは大画面化が顕著で、5インチ以上の数量構成比は前年同期から24%ポイント増加し約4割を占めた。SIMロック解除やMVNOの伸長と共に注目されたSIMフリースマートフォンの販売数量構成比はスマートフォンの1%程度と限定的であった。
 データ通信端末は下りの最大通信速度の向上やデータ通信料の無制限化が後押しとなり、数量前年比18%増と販売が伸長した。

 ウェアラブル端末※3は前年比86%増で50万台に達した。特にスマートウォッチはアップルウォッチの発売を受け急拡大し、販売台数は前年同期の約25倍に拡大した。結果、ウェアラブル端末に占めるスマートウォッチの数量構成比は3割を占めるに至った。

図2.携帯電話市場規模の推移(万台)
https://www.atpress.ne.jp/releases/69999/img_69999_2.png

【IT・オフィス市場】
 2015年上半期のIT・オフィス市場は、タブレット端末※4こそプラス成長となったものの、それ以外の多くのカテゴリでは前年同期の増税前の駆け込みや、XPサポート終了に伴う特需の反動によりマイナス成長となった。

 パソコン※5は前年比41%減の590万台となった。リテール市場は同37%減の200万台と他主要家電と比較しても落ち込みが大きかった。前年同期の増税とXPサポート終了による需要増の反動が大きく影響した。こうした中、インターネット販売はタブレットPCやスティックPC等の新形状タイプが好調だったため数量前年比は1割減にとどまった。また、前年同期にXPのリプレース特需があったリセラー市場は同45%減となった。

 プラス成長が続くタブレット端末は前年比32%増の380万台となった。リテール市場は同29%増の205万台。家電量販店インターネット販売がマイナス成長となる一方で携帯電話専門店はブランドやモデルの増加を追い風に数量前年比99%増を記録した。画面サイズ別にみると、8インチモデルの販売が特に好調で、数量構成比は前年同期の5%から19%に拡大した。法人市場の一部であるリセラー市場では企業での導入や買い替え・買い増しが引き続き進んでおり、リテール市場を上回る伸び率となった。

 パソコンとタブレット端末と合わせてみると、市場は970万台と前年比25%減となった。タブレット形状のデバイス※6の数量構成比は44%を占めるに至った(図3)。また、この割合はリテール市場では前年同期から18%ポイント拡大し過半となる55%に達した。また、リセラー市場においても拡大の一途にあり、約2割を占めた。

 リテール市場でのパソコン本体の需要減を背景に、同市場におけるキーボードは前年比4%減、マウスは同6%減となった。店頭販売が落ち込む一方でインターネット販売は前年を上回った。また、Bluetooth対応製品の販売数量は増加傾向にあり、キーボードでは前年比7%増、マウスでは同10%増となった。

 プリンター・複合機は前年比13%減の260万台となった。特にリテール市場で縮小幅が大きく、9割がリテール市場であるインクジェットは数量前年比15%減となった。法人利用が中心のレーザーは同8%減にとどまった。スマートフォンやタブレット端末との連携が進展しており、インクジェットにおけるNFC対応率は前年の6%から18%に数量構成比を拡大した。

図3.パソコン+タブレット市場規模の推移(万台)
https://www.atpress.ne.jp/releases/69999/img_69999_3.png

【イメージング市場】
 2015年上半期のデジタルカメラの販売台数は前年比25%減の260万台となった(図4)。コンパクトカメラは同28%減の170万台と縮小が続いた。またレンズ交換式カメラもエントリーモデルの需要が一巡したことでマイナス成長が続き、一眼レフカメラが同20%減の54万台、ミラーレス一眼が同19%減となった。ただしコンパクトカメラ、レンズ交換式カメラ共にハイエンドモデルの販売割合は伸長し、デジタルカメラの平均価格は前年同期から14%上昇した。
 交換レンズは前年並みの50万本となった。高級レンズの販売好調を受け、交換レンズの平均価格は11%上昇した。

図4.デジタルカメラ市場規模の推移(万台)
https://www.atpress.ne.jp/releases/69999/img_69999_4.png

【生活家電市場】
 2015年上半期の生活家電市場は、前年の増税前に高価格帯を中心に需要が先食いされたため、多くのカテゴリで前年を下回る販売となった。

 冷蔵庫は前年比19%減の220万台となった(図5)。容量クラス別数量構成比は小容量(200L以下)が前年同期から6%ポイント拡大し44%を占める一方、中容量(201~400L)は22%、大容量(401L以上)は34%と前年同期から縮小した。前年の消費増税前の駆け込み需要は中・大容量に集中しており、この反動減が未だに影響をしている。また、省エネ性能は向上し続けており、年間消費電力の平均値は中・大容量でそれぞれ約3%削減した。

 洗濯機は前年比16%減の250万台となった。縦型、ドラム式共に同程度のマイナス成長となったため、タイプ別の数量構成比に大きな変化は無く、縦型が86%、ドラム式が10%、二槽式が4%を占めた。洗濯容量の大容量化は継続しており、大容量クラス(8kg以上)の数量構成比は前年から4%ポイント拡大し、41%を占めた。特に10kg以上が好調に推移しており、2015年上半期の販売台数は前年同期比で33%増となった。

 エアコンは数量前年比19%減の300万台となった。前年特需との対比であることに加え、需要が高まる6月の気温が平年以下であったことが市場を押し下げた。冷房能力別の数量構成比は、2.2kw(6畳用)が44%、2.8kw(10畳用)が21%、4.0kw(14畳用)が12%と前年並みで推移した。一方、高付加価値機能の搭載は進展した。人の動きを検知し効率的な運転を行う人感センサー搭載製品は数量構成比で45%を占めた。また、自動フィルタークリーニング機能は57%を占めた。

 掃除機は数量前年比14%減の410万台となった(図6)。こうした中、スティックタイプは数量前年比5%増とプラス成長を維持した。スティックタイプでは2台目需要を背景に使い勝手の良いコードレスが拡大しており、コードレスの数量構成比は前年同期から6%ポイント伸長し56%を占めた。また、シリンダタイプは数量前年比19%減、ハンディータイプは布団クリーナーの拡大が一服し同23%減、ロボットタイプは同2%減となった。タイプ別の数量構成比ではシリンダタイプが46%、スティックタイプが28%、ハンディータイプが21%、ロボットタイプが4%を占めた。

図5.冷蔵庫市場規模の推移(万台)
https://www.atpress.ne.jp/releases/69999/img_69999_5.png
図6.掃除機市場規模の推移(万台)
https://www.atpress.ne.jp/releases/69999/img_69999_6.png

※1.全国の有力家電・IT取扱店(家電量販店、地域家電店、総合量販店、カメラ専門店、携帯電話専門店、総合ネット通販等)からPOSデータ等を収集し、統計的な手法に基づき全国市場規模相当に拡大推計した。
※2.ヘッドホン:マイク無しのイヤホン・ヘッドホン製品(ステレオのみ)、ヘッドセット:マイクを備えたイヤホン・ヘッドホン製品(ステレオ・モノラル)。
※3.搭載されているセンサーを利用して心拍や位置情報などのライフログを収集し、スマートフォン等と連携する機器や、自身で演算能力を持つ機器。
※4.画面サイズ5.6inch以上、タッチスクリーンを備え、iOS,Android等の軽量OSを搭載するスレート型情報端末。
※5.タブレットPC(Windows8/8.1搭載のスレート型情報端末)はパソコンに含む。
※6.タブレット端末とタブレットPCを合算。

ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社
URL: http://www.gfk.com/jp

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