サイバーロジテック、釜山新港でAI衝突防止システム稼働 タグ不要で作業員を20cm未満の精度で位置特定

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    2026年10月6日 15:26
    STS作業レーンと周辺のストラドルキャリアの詳細なバーチャルターミナルビュー(運転手視点の挿入図付き)
    STS作業レーンと周辺のストラドルキャリアの詳細なバーチャルターミナルビュー(運転手視点の挿入図付き)

    サイバーロジテックは、釜山新港第5ターミナルを運営するBusan New Container Terminal(BNCT)に、AIを活用した衝突防止システムを導入した。ウェアラブルタグを携帯していない作業員を検知し、同一作業レーン内でストラドルキャリアに接近した場合、運転者に警報を発する。作業員と荷役機器を同一座標上でリアルタイムに把握することで、ターミナル内の車両・歩行者間の接触事故防止につなげる。

    港湾業界では、荷役機器と歩行者の接触事故防止が重要な安全課題となっている。ICHCA Internationalによると、特に荷役機器による歩行者の轢過事故は、貨物取扱作業における死亡事故の主要因の一つ。2026年8月には、PEMA、TT Club、ICHCA Internationalの3団体が共同で、ターミナルにおける衝突防止対策の強化を呼び掛けている。

    システムの中核となるのは、サイバーロジテックのデジタルツイン型リアルタイム港湾監視プラットフォーム。作業員と荷役機器を同一の座標系上に配置し、双方の位置関係をリアルタイムで把握する。

    STSクレーンに設置したAIカメラで作業員を検知し、サイバーロジテックとGlobeAIが共同開発した特許出願中の「ビジョン・トゥ・ジオロケーション」技術によって、画像上の検知情報を実世界の座標に変換する。これをストラドルキャリアから取得したRTK測位情報と組み合わせることで、作業員と荷役機器の距離をリアルタイムで算出する。人物の個人識別は行わず、位置情報のみを取得する仕組みだ。

    誤警報や過剰な警報を抑制するため、作業レーンを考慮した判定ロジックを採用。ストラドルキャリアと作業員が同一レーンにいる場合に限って距離を判定する。警報距離は15メートル、10メートル、5メートルの3段階で、運転席のディスプレーに方向を示すバー表示で通知する。実証試験では、荷役機器の測位精度は3センチメートル未満、作業員の位置特定精度は20センチメートル未満を確認した。

    開発を主導したサイバーロジテックのデジタルチームリーダー、Junhee Cho氏は、「STSクレーン下では、隣のレーンで安全に作業している作業員が数メートル先にいるケースも多い。理由のない警報がシフト中に鳴り続ければ、運転者はシステムを停止してしまう。安全システムで重要なのは、どれだけ多くを検知できるかではなく、現場がシステムを信頼し続けられるかどうかだ」と説明する。

    作業員の検知にはGlobeAIのディープラーニングによる画像認識技術を採用。港湾現場の画像データを用いて学習させ、機器やコンテナが多く存在する環境に加え、低照度、霧、降雨時にも対応する。

    荷役機器の測位にはLG UplusのRTKネットワークを活用する。韓国内に200カ所以上設置された基準局を利用し、コンテナの積み重ねによる鋼材からの電波干渉に対応する。RTK受信機は約70台の移動機器に搭載し、14基のSTSクレーンには計28台のAIカメラを設置した。

    管制室では「3D Virtual Terminal」により、ターミナル全体の稼働状況を3Dで監視できる。過去の事象を再生してヒヤリハットの原因を分析できるほか、警報履歴を記録・管理し、監査可能な形で蓄積する。既存のターミナルオペレーティングシステム「OPUS」と連携しており、今後はターミナルトラクターなど他の移動機器への適用も可能としている。

    サイバーロジテックのPort Solution Groupを統括するHans Moh上級副社長は、「最も難しかったのは、デバイスを携帯していない作業員を、センチメートル単位で移動する機器と同一の基準で位置特定することだった」と指摘。「ターミナルが1日に何本のコンテナを扱うかよりも、そこで働く全員が無事に家に帰れることの方が重要だ」と強調した。

    BNCTのCEO兼代表取締役、Chris Choi氏は、「安全は決して妥協できないものであり、当社にとって最優先事項だ。サイバーロジテックとの協業を通じ、安全管理における予防重視の取り組みをさらに強化した。今後も操業リスクを積極的に管理し、ターミナルで働く全ての人に、より安全な作業環境を提供していく」とコメントした。

    サイバーロジテックは今後、同システムを韓国内の他港湾に加え、海外港湾にも展開する方針だ。

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