【家庭学習】「勉強しなさい!」では伸びない? 子どもの学習効率を左右する"脳の状態"とは―

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    2026年10月17日 19:30

    「うちの子、家ではなかなか勉強しない……」

    「勉強を始めても、すぐに集中が切れてしまう」

    「何度言っても机に向かわない」

    子どもの家庭学習について、こうした悩みを抱える保護者は少なくありません。

    しかし、ここで一度考えてみたいのが、

    「子どもは、本当に"勉強できない状態"なのでしょうか?」

    ということ。

    実は、勉強時間を増やしたり、「もっと頑張りなさい」と声をかけたりする前に、もっと大切なことがあります。

    それは、子どもの脳が"学習できる状態"になっているかどうかです。

    株式会社脳レボ代表の川谷潤太は、家庭学習のポイントとして「ドーパミン」に着目します。

    「やる気がない」のではなく、「脳の状態」が整っていない?

    脳内では、さまざまな神経伝達物質が働いています。

    その中でもドーパミンは、意欲や快の感情、学習・記憶などに関わる重要な神経伝達物質として知られています。

    一方で、緊張や不安、イライラなどのストレス状態では、学習に集中しづらくなることがあります。

    つまり、

    「勉強しなさい!」と叱るだけでは、子どもの学習効率が上がるとは限らない。

    むしろ、まずは「学べる状態」をつくることが重要なのです。

    では、家庭では何を意識すればよいのでしょうか。

    まずは「好き」「できる」から始める

    川谷がすすめる家庭学習のポイントの一つが、

    いきなり苦手科目や難しい問題から始めないこと。

    例えば、好きな科目や簡単な計算問題、漢字や暗記問題など、子どもが「これならできそう」「ちょっとやってみよう」と思えるものからスタートします。

    最初の5分程度で「できた!」という感覚をつくり、そこから苦手な科目や難しい問題に取り組む。

    このように、最初から高いハードルを設定するのではなく、小さな成功体験から学習をスタートさせることがポイントです。

    勉強前の「家庭の空気」も重要

    もう一つ、意外と見落とされがちなのが「勉強を始める前の時間」です。

    例えば、勉強前に家族で楽しい会話をする。

    面白い話をする。

    親子で笑う。

    こうした時間をつくってから机に向かうことで、子どもが前向きな気持ちで学習を始めやすくなります。

    反対に、親子ゲンカをした直後や、子どもがイライラしている状態で、

    「早く勉強しなさい!」

    と言っても、なかなか集中できません。

    そんなときは、無理に勉強をさせるのではなく、まず気持ちを落ち着かせる。

    場合によっては、いったん勉強を切り上げて休むことも選択肢の一つです。

    「勉強時間を確保すること」だけが、家庭学習ではないのです。

    「志望校に合格する」だけでは足りない?

    さらに川谷が重要だと考えるのが、

    「目標」と「目的」を明確にすること。

    例えば、

    「志望校に合格する」

    これは具体的な「目標」です。

    では、その先に何があるのでしょうか?

    「合格したら、やりたい部活動がある」

    「新しい友達をつくりたい」

    「将来○○になりたい」

    「自分自身を成長させたい」

    このように、目標を達成した先にある「楽しみ」や「なりたい自分」をイメージすることで、勉強そのものに意味を持たせることができます。

    ただ「勉強しなさい」と言われるのと、

    「その先にどんな未来が待っているのか」をイメージして勉強するのとでは、取り組む姿勢も変わってきます。

    子どもを伸ばすのは「勉強量」だけではない

    家庭学習というと、

    「何時間勉強したか」

    「何ページ問題を解いたか」

    「何点取れたか」

    といった"量"や"結果"に目が向きがちです。

    もちろん、それらも大切です。

    しかし、その前に、

    「今、この子はどんな気持ちで勉強しているのか?」

    を見ることも重要です。

    「できる!」

    「やってみたい!」

    「面白い!」

    「もっと知りたい!」

    そんな前向きな感情が生まれる環境をつくること。

    川谷は、こうしたプラスの感情や前向きな思考が、学習への意欲につながると考えています。

    「勉強しなさい」の前に、親ができること

    子どもの成績を伸ばしたい。

    集中力を高めたい。

    家庭学習を習慣化したい。

    そう考えたとき、つい「子どもをどう変えるか」に意識が向いてしまいます。

    しかし、もしかすると最初に変えるべきなのは、

    子どもへの声かけではなく、子どもを取り巻く環境なのかもしれません。

    「勉強しなさい!」

    と言う前に、

    「今日は何からやってみる?」

    「まず簡単な問題からやってみようか」

    「終わったら何をしたい?」

    と、子どもが前向きになれるきっかけをつくる。

    家庭学習は、机に向かわせるところから始まるのではありません。

    子どもの脳と心が「学びたい」と思える状態をつくることから始まるのです。



    監修者:川谷 潤太(かわたに じゅんた)

    株式会社脳レボ 代表取締役
    https://nourevo.co.jp/

    大手学習塾にて最年少校長、全国塾講師No.1を獲得。その後、高校でスポーツメンタル指導を行い、多くの部活を地区優勝や世界一へ導く。2019年に株式会社脳レボを創設。脳科学や大脳生理学、バイオフィードバック工学をベースとした実践的手法で、オリンピック選手から企業、教育現場まで幅広く指導。9年間で1,600回以上の講演や研修を行い、受講者は15万名を突破している。

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