スターマリン・パブリックリレーションズ株式会社

    日本のエネルギー・海運企業がノルウェー・ベルゲンを視察 ー世界初の商用CCS“ Northern Lights ”と、当社製品が採用されるLCO₂輸送バリューチェーンを紹介ー

    株式会社福井製作所
    2025年12月4日

    株式会社福井製作所(本社:大阪府、代表取締役社長 福井 洋)は 2025年11月19日、当社主催の「FUKUI 第三回 CN シンポ@NL CCSベルゲン」を開催し、脱炭素事業を牽引する日本のエネルギー企業および海運企業のリーダーをノルウェー・ベルゲンへ招き、世界初の商用 CCS プロジェクトである Northern Lights社(本社:ノルウェー)の CO₂輸送・貯留バリューチェーンを視察いただきました。またCCSとしては、ギリシャ船主向け、世界初の低温低圧(LP)仕様のLCO2船4隻にも当社製品が納入されています。今回の視察では、当社製品が実際に採用されている現場を、日本企業の皆様に直接ご覧いただく初の機会となりました。

    視察先の Northern Lights社 は、ノルウェー政府主導の国家プロジェクトである「Longship」を構成する中核企業であり、世界で初めてCO₂輸送・貯留を商業化したパイオニア・ベンチャー企業です。同社は、産業由来CO₂を液化して専用船でØygardenへ海上輸送し、船舶での一時貯蔵を経て、海底100km先の貯留サイト「Aurora」へ圧入する一連のバリューチェーンを構築しています。年間150万トン規模のフェーズ1に続き、年間500万トン規模のフェーズ2拡張も計画されており、欧州の脱炭素化に不可欠な基盤インフラとして急速に存在感を高めています。

    採用実績は世界初の商用 CCS実証 から中型低温低圧船まで

    福井製作所では、CCS に不可欠な安全弁のグローバルリーディングメーカーとして、国内では苫小牧実証が活用した LCO₂キャリア向け設備で当社製品が採用されており、日本のCCSにおける重要技術基盤を支えるコア部品として貢献している他、世界初の商用CCSの成功事例として 今回視察いただいた、CCS“ Northern Lights ”プロジェクト(ノルウェー)があり、福井の製品は、CO₂輸送船(LCO2船)という、高度な圧力や温度管理を要する船舶で採用されています。

    欧州では、GHG排出削減が困難な産業(セメント、廃棄物処理、アンモニア、バイオマス発電など)から年間約3.2億トンのCO₂が排出され、そのうち2030年には約1億1千万トンがCCSに依存すると見込まれています。こうした状況を背景に、Northern Lights はすでに Yara や Ørsted などとの商業契約を締結しており、同社のCO₂輸送ネットワークは欧州全体で広がりを見せています。また、CO₂輸送の分野では、現在建造中の4隻の液化CO₂
    専用船も大きな注目を集めています。7,500m³のタンク容量を持つ世界最大級のCO₂輸送船で、LNG燃料に加え、風力推進補助システム(WAPS)や空気潤滑システムを導入し、従来比約34%の排出削減を実現します。圧力・温度管理が極めて厳しい液化CO₂輸送では、安全弁の信頼性が船舶運航と事業継続に直結するため、当社製品が担う役割は一層重要度を増しています。陸上インフラについても、Øygarden の受入ターミナルには12基の中間貯蔵タンクや蒸発器、海水循環設備などが整備され、海底パイプラインおよび貯留井の建設は掘削工事完了率99%に達するなど、Northern Lights が構築する設備群は世界でも屈指の完成度を誇ります。当社としても、こうした高度設備に求められるバルブ・圧力管理の専門性について、参加いただいた日本企業に直接共有できたことは大きな成果となりました。

    CCS市場形成における制度的課題に照準、世界最先端プロジェクトにおける技術力で、
    脱炭素イノベーションに貢献

    視察では、CCS市場形成における制度的課題にも議論が及び、国境を越えるCO₂輸送に必要となる政府間協定の整備や、輸送・貯留サービスにおける責任分担を明確にする新たな契約モデルなど、国際的に共通する実務課題についても理解を深めました。IEAが「CCSなしでネットゼロ達成はほぼ不可能」と指摘するなか、福井としても日本企業と欧州の先進事例を結び付けながら、この成長分野の国際サプライチェーン構築に寄与していく所存です。

    また今回のベルゲン視察は、日本のエネルギー・海運企業にとって、CO₂輸送船の建造、国際的なCCSバリューチェーンの形成、安全弁を含む重要機器の信頼性確保など、脱炭素社会の実現に向けた具体的な方向性を模索する好機となりました。福井製作所は今後も、世界最先端プロジェクトに採用されている技術力を基盤に、日本企業の海外展開と脱炭素イノベーションを支える橋渡し役として貢献してまいります。

    左(WAPSも搭載された、CO2回収船をバックに参加者で記念撮影) 右(CO2貯蔵タンク)
    左(WAPSも搭載された、CO2回収船をバックに参加者で記念撮影) 右(CO2貯蔵タンク)
    左(貴重なプレゼンでは、日本の参加者から質問が多く寄せられました) 右(KLine.UKが運航するCO2回収船、Northern Pioneer)
    左(貴重なプレゼンでは、日本の参加者から質問が多く寄せられました) 右(KLine.UKが運航するCO2回収船、Northern Pioneer)

    報道関係者の方々へ(当件に係るお問い合わせは下記にお問い合わせください)

    *プロジェクト及び事業に係る問い合わせ
    株式会社福井製作所 グローバルマーケティングG 海洋船舶Uリーダー 岡村大地
    メール:taichi.okamura@fkis.co.jp

    *リリース内容に係る問い合わせ
    スターマリン・パブリックリレーションズ株式会社 吉田麻貴
    メール:maki@starmarinepr.com

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