インフラ点検の人手不足と積み上がる調書作成 市区町村の橋1万1,699本「修繕未着手」問題に挑む 点検所見をAIが書く新技術を9月8日 一橋講堂で初公開
北海道大学と共同開発。点検写真から変状を検知し、 調書に載せる所見文まで自動生成。2026年度よりモニタリング販売・試行提供を開始
株式会社ベイシスコンサルティング(所在地:東京都文京区、代表取締役:石川 雄章)は、点検写真から変状を検知し、調書に載せる所見文までをAIが自動で生成する新技術を、北海道大学大学院情報科学研究院と共同で開発しました。2026年9月8日(火)に国立研究開発法人土木研究所が主催する「土研新技術ショーケース2026 in 東京」(一橋講堂)で初めて公開し、2026年度よりモニタリング販売・試行提供を開始します。

職員がスマートフォンで構造物を撮影するだけで、3次元データと写真を同時に取得。専門の点検技術者でなくても現場の状況を正確に記録できます。
全国で橋の修繕が進みません。国土交通省が2026年8月26日に公表した「道路メンテナンス年報」によれば、市区町村が管理する橋のうち、早期または緊急に修繕が必要と判定されながら措置に着手できていない橋が1万1,699本あります。原因は、点検そのものよりも、その後に待つ調書作成の負担です。
【市区町村の橋1万1,699本が「修繕未着手」、道路陥没は年9,844件】
国土交通省が2026年8月26日に公表した「道路メンテナンス年報(3巡目2年目)」は、日本のインフラの現在地を数字で示しています。
建設後50年以上が経過した橋は、2018年度末の約13万橋から2025年度末には約24万橋へと倍増しました。修繕等が必要な判定区分III・IVの橋は5万1,046橋にのぼります。
判定区分III・IVの橋は、次回点検までの5年以内に措置を講じることとされています。しかし2巡目(2019年度~2023年度)の点検でIII・IVと判定された橋について、2025年度末時点で措置に着手した割合は、国土交通省が91%、高速道路会社が79%であるのに対し、地方公共団体は69%にとどまります。完了に至っては45%です。
差は市区町村でさらに開きます。市区町村が管理する橋では、措置が必要な3万1,587本のうち着手は63%、完了は43%。1万1,699本、率にして37%が未着手のまま残されています。同省は「地方公共団体において5年以上経過していても措置に着手できていない橋梁は約2割ある」としています。
道路陥没も同じ傾向です。2025年度に発生した陥没は、直轄国道101件、都道府県管理道路1,282件に対し、市町村管理道路では9,844件。全体の約9割が市町村の道路で起きています。年報に陥没件数が記載されたのは今回が初めてです。
【点検はできる。終わらないのは「持ち帰ってからの書類」】
国土交通省・東京大学を経て当社代表を務める石川は、措置が進まない原因を、予算だけでなく点検後の事務作業にあると分析します。
現場で撮った写真を持ち帰り、変状の種類を判読し、ひび割れの幅と長さを測り、国が定める様式に文章で書き起こす。この一連の作業に人手がかかるため、点検そのものを外部に委託せざるを得なくなり、費用が膨らみます。国土交通省「地域インフラ群再生戦略マネジメント」(2022年12月発表)によれば、市町村自治体の25%は技術職員がゼロです。
当社は内閣府のSBIR制度に基づき国土交通省に採択された「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3基金事業)」第一分野・採択事業No.20として、「簡便な3次元計測機器を用いた自治体の中小構造物の状況把握・維持管理手法の開発」に取り組んでいます。これまでに自治体・企業あわせて約30団体で実証を重ねてきました(2025年1月時点)。大阪府ではスマートフォンで撮影した点群データから寸法を抽出し、職員が単独で台帳図を作成できることを確認しました。仙台市では積雪期の現場点検とシステム連携によるデータ取得を実証しています。

スマートフォンで撮影した動画から生成した橋桁の3次元点群データ。現地に行かなくても寸法を測ることができます。
【撮る・測る・書く。その「書く」をAIが引き受ける】
今回公開するのは、点検写真から変状を検知・定量化し、調書に載せる所見文までを自動で生成するAIです。北海道大学大学院情報科学研究院との共同開発により、「主桁に顕著な錆、剥離あり。」「スラブにW=0.2mm L=300mmのひび割れを確認。」といった、そのまま調書に転記できる文章を出力します。生成した所見は維持管理システムへファイルで連携できます。
このAIは、当社のインフラデータ統合基盤「SIMPL(R)」、3次元計測アプリ「Mapry」、国土交通省のデータ連携基盤「xROAD」と組み合わせて利用します。
点検から調書作成までを一貫して行うサービス「サポ楽」では、多いところで業務量が約8割減という結果が出ています。NETIS登録(KT-230225-AJ)および点検支援技術性能カタログ(BR010084-V0025)にも登録されています。
当社は2026年度より、モニタリング販売・試行提供を開始します。

AIが生成した所見文の例。変状の種類、位置、寸法を判読し、国土交通省の様式に沿った文章として出力します。
【9月8日 一橋講堂で4つの技術を実機で公開】
土研新技術ショーケースは、土木研究所の研究成果を、社会資本の整備や管理に携わる技術者に講演とパネル展示で紹介する催しです。2026年度は土木研究所の開発技術15件とSBIRフェーズ3事業の技術12件、あわせて27技術が公開されます。
当社は技術(25)として出展し、次の4つを公開します。
1. 「サポ楽」施設台帳管理・点検調書作成サービス、および3次元計測アプリ「Mapry 橋梁」
2. 「サポ楽」屋内施設管理・業務通報システム(開発中)
3. 「サポ楽」砂防関係施設点検 支援サービス(UAV活用)
4. 画像診断所見生成AI
展示会場ではPCとiPhoneの実機を用意し、実際の画面と操作を来場者にご覧いただきます。

画像診断所見生成AIの処理の流れ。点検写真の入力から、変状の検知、定量化、所見文の生成、維持管理システムへの連携までを一貫して行います。
【代表取締役 石川 雄章 コメント】
「インフラを守る仕事で一番減らしたいのは、現場に行く時間ではありません。持ち帰ってから机に向かう時間です。そこが減らないから点検を外に出すことになり、記録も判断も自分たちの手から離れていきます。AIに所見を書かせるのは、判断を任せるためではありません。職員の方が自分の目で見て、自分の頭で決めるための時間を取り戻すためです。撮ったデータと残した言葉が地域の資産として積み上がっていく。そういう仕組みを、これからも地域の皆さんと一緒に作っていきたいと考えています。」
《土研新技術ショーケース2026 in 東京 開催概要》
名称 : 土研新技術ショーケース2026 in 東京
主催 : 国立研究開発法人 土木研究所
後援 : 国土交通省、(一社)建設コンサルタンツ協会、
(一社)日本建設業連合会、(一社)全国建設業協会、
(一社)全国測量設計業協会連合会、(公社)土木学会
日時 : 2026年9月8日(火) 10:00~16:00(展示会場 9:30~14:40)
会場 : 一橋講堂
〒101-8439 東京都千代田区一ツ橋2-1-2 学術総合センター2階
東京メトロ半蔵門線・都営三田線・都営新宿線 神保町駅
(A8・A9出口)徒歩4分 東京メトロ東西線 竹橋駅(1b出口)徒歩4分
形式 : 会場開催およびWEBライブ配信(Zoomウェビナー)
参加費 : 無料
申込締切 : 2026年9月3日(木) 17:00
※申込状況により早めに締め切られる場合があります。
CPD : 土木学会CPDプログラム 認定番号JSCE26-0803 4.5単位
CPDS : 全国土木施工管理技士会連合会 プログラム番号1095397 2ユニット
※CPDSは会場参加のみ
申込フォーム: https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScbU0DPvN9Lj5oH78QS2xcGxannfWN5jCeLJ_IAh0gVKGNQsA/viewform
イベント詳細: https://www.pwri.go.jp/jpn/about/pr/event/2026/0908/showcase.html

土研新技術ショーケース2026 in 東京 概要 二次元コード

土研新技術ショーケース2026 in 東京 参加申込 二次元コード
【会社概要】
会社名 : 株式会社ベイシスコンサルティング
代表者 : 代表取締役 石川 雄章
所在地 : 〒113-0033 東京都文京区本郷一丁目5番11号 水道橋こんぴら会館4F
設立 : 2017年9月15日
資本金 : 1,000万円
事業内容: インフラ関連分野を中心に、ICT・AI・クラウド等の先進技術を
活用したソリューション及びコンサルティングの提供













