バッテリー添加剤の日本市場(2026年-2035年)、市場規模・分析レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「バッテリー添加剤の日本市場(2026年-2035年)、英文タイトル:Japan Battery Additives Market 2026-2035」調査資料を発表しました。本資料には、バッテリー添加剤の日本市場規模、動向、セグメント別予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
日本のバッテリー添加剤市場は、2025年時点で8,820万米ドル規模に達しており、2026年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)8.4%で拡大し、2035年には1億9,759万米ドルに達すると予測されている。市場成長を支える主な要因は、EV・民生電子機器・系統用蓄電池向けリチウムイオン電池需要の拡大、高速充電対応、高ニッケル正極やシリコン系負極の採用、熱安定性・長寿命化への要求、さらに国内・同盟国での材料供給網強化である。
タイプ別ではConductive Additiveが市場を主導し、2026年から2035年のCAGRは9.1%とされる。用途別ではLithium-Ion Batteryが中心で、CAGR9.4%と市場全体を上回る成長が見込まれている。
Conductive Additiveは、電極内の電子伝導性を確保し、高エネルギー密度や高速放電性能を維持するための基礎材料である。Carbon Black、Carbon Nanotubes、Graphene系材料などが挙げられ、添加量を抑えながら導電性を維持することで、活物質比率を高め、電池のエネルギー密度向上につなげる方向が重視されている。
2024年4月にはSiATとZeonがSWCNT導電ペーストを展開した事例が挙げられており、高速充電とエネルギー密度向上を狙う材料開発の一例とされる。こうした高性能導電材は、単純な量販材料よりも、セルメーカーの設計条件に合わせた高付加価値製品として競争しやすい。
一方、Porous Additiveは最も成長性の高いカテゴリーとして説明されている。特にシリコンリッチ負極では充放電に伴う膨張・収縮が大きいため、微細な空隙を形成して機械的応力を吸収し、電解液保持やSEI形成の安定化を助ける材料への需要が高まる。
次世代負極では、TDKが2025年5月にシリコン負極電池の次世代品を発表したとされる。レポートでは、Silicon-Carbon Blendと独自添加剤を用いて膨張や発熱を抑え、サイクル安定性と熱耐性を改善する方向が示されている。これは、添加剤が単なる補助材料ではなく、シリコン系負極実用化の成立条件の一つになっていることを示している。
市場トレンドは、Functional Coatings、Conductive Agents、SEI-forming Materialsなど、より機能特化した添加剤へ移っている。Asahi KaseiやUBEなどがポリマー系・炭素系材料の差別化に取り組み、2025年10月にはEvonikがYokkaichiでfumed aluminaの「Alu5」設備を開設したとされる。
系統用蓄電池の拡大も重要な需要源である。電力系統向けでは、EV以上に長期間の待機、深い充放電サイクル、長カレンダー寿命、火災安全性が重視されるため、SEI形成剤や難燃性電解液添加剤などへの需要が増える。2025年8月にはHitachiがMatsuyama BESS向けに蓄電システムを納入した事例が挙げられている。
高ニッケル正極も添加剤需要を押し上げる。ニッケル比率を高めると航続距離向上や軽量化につながる一方、界面劣化や微小亀裂、遷移金属溶出などの問題が生じやすくなるため、Polymeric Coatings、Metal-Chelation Additives、Conductive Carbon Dispersantsなどによる安定化が重要になる。
2024年8月にはNOVONIXとCBMMがニッケル系正極材料で共同開発契約を結んだ事例が紹介されている。レポートでは、添加剤や材料をセル完成後に後付けで選ぶのではなく、セル設計や高速充電プロトコルと並行して評価する傾向が強まっているとしている。
サプライチェーン面では、国内または同盟国での原料・添加剤製造能力の確保が重要になっている。2025年12月にはNeogen IonicsとMorita InvestmentのJV契約が紹介されており、特殊化学品分野での越境連携と供給安定化を示す事例とされる。
規制面では、安全性、火災評価、蓄電時間などの要求が添加剤仕様に直接影響する。非可燃性溶媒、過充電保護添加剤、長時間放電でも性能を維持する材料などが重視され、2025年11月にはAsahi KaseiとEAS Batteriesがacetonitrile-based electrolyte processのライセンス契約を締結したとされる。
2026年3月には、Asahi Kaseiのacetonitrile-based electrolyte additiveを組み込んだEAS BatteriesのUHP601300 LFPセルが紹介され、従来電解液使用セルより連続出力が約60%高いとレポートは述べている。高出力LFPや高速充電への対応は、電解液添加剤の高付加価値化につながる。
用途別ではLithium-Ion Batteryが圧倒的な中心で、EV、民生機器、系統用蓄電池に広く使用される。添加剤は熱安定性、サイクル寿命、高速充電、電極構造の最適化に関与し、複数タイプを組み合わせて使うことも多い。
Lead Acid Batteryも市場に含まれ、通信設備、UPS、産業用バックアップ電源などで需要が続くとされる。ここでは導電材や核形成添加剤などが、充電受入性向上、硫酸鉛化抑制、部分充電状態での耐久性改善に使われる。
ただし、レポートではLead Acid Batteryが「massive growth」と表現されている一方、用途別で具体的なCAGRが示されているのはLithium-Ion Batteryの9.4%のみである。そのため、鉛蓄電池がリチウムイオンを上回る成長をしていると解釈する根拠はない。
また、タイプ分類のNucleating Additiveについて、2023年10月のCAI Performance AdditivesによるST-NAP32というポリプロピレン改質剤が例示されているが、これはバッテリー添加剤との直接的な関連が弱い。別用途の樹脂添加剤事例が混入している可能性があり、この部分は慎重に扱うべきである。
競争環境ではCabot、3M、IMERYS、Orion Engineered Carbonsが主要企業として挙げられ、このほかHammond Group、SGL Carbon、Borregaard、HOPAX、Tanaka Chemical、ADEKAなどが含まれる。市場は中程度に集約され、量よりもConductive Carbon、Dispersion Quality、Interface Stabilizationなどの性能差で競争する構造とされる。
CabotはConductive Carbon Black、Orionは高性能Carbon Black、IMERYSはConductive Graphiteや鉱物系材料、3Mは熱管理・安全性向け特殊材料を中心に位置付けられている。日本ではOEM認証や長期保証への対応が重要なため、現地技術支援やパイロット評価能力を持つサプライヤーが有利になりやすい。
一方、2026年3月の「Japan Tightens Battery Carbon Footprint Disclosure Rules」という記述には注意が必要である。レポートでは、全国的な排出量取引義務化、大口電力ユーザーへのオンサイト蓄電池設置義務、3500億円の固体電池・LFP支援などを一続きに説明しているが、各制度の適用範囲や法的根拠がこの資料内では十分に示されていない。そのため、政策分析として利用する場合は原典確認が必要である。
総合すると、日本のバッテリー添加剤市場は2025年の8,820万米ドルから2035年には1億9,759万米ドルへ約2.2倍に拡大し、CAGR8.4%の成長が見込まれる。Conductive Additiveが主要タイプ、Lithium-Ion Batteryが主要用途であり、高速充電、高ニッケル正極、シリコン負極、系統用蓄電池、安全規制が市場の中心テーマとなる。
2035年に向けた主要テーマは、「Conductive Additives」「SEI-forming Materials」「Silicon Anodes」「High-Nickel Cathodes」「Fast Charging」「Thermal Stability」「Grid-Scale Storage」「LFP」「Supply Chain Localization」「Recycling-Compatible Additives」に集約できる。日本市場は、単なる添加量拡大ではなく、セル設計と一体で性能・安全性・寿命を最適化する高機能材料市場へ移行していくと考えられる。
※目次構成
エグゼクティブサマリー
1.1 市場規模(2025~2026年)
1.2 市場成長予測(2026年予測~2035年予測)
1.3 主な需要促進要因
1.4 主要企業と競争構造
1.5 業界のベストプラクティス
1.6 最新動向と最近の展開
1.7 業界見通し市場概要およびステークホルダー分析
2.1 市場動向
2.2 主要産業分野
2.3 主要地域
2.4 サプライヤーの交渉力
2.5 買い手の交渉力
2.6 主な市場機会とリスク
2.7 ステークホルダーによる主要施策経済概要
3.1 GDP見通し
3.2 一人当たりGDPの成長
3.3 インフレ動向
3.4 民主主義指数
3.5 政府総債務比率
3.6 国際収支(BoP)の状況
3.7 人口見通し
3.8 都市化動向カントリーリスク分析
4.1 カントリーリスク
4.2 ビジネス環境アジア太平洋地域の電池添加剤市場概要
5.1 主要業界ハイライト
5.2 アジア太平洋地域の電池添加剤市場の過去実績(2019~2025年)
5.3 アジア太平洋地域の電池添加剤市場予測(2026~2035年)日本の電池添加剤市場分析
6.1 主要業界ハイライト
6.2 日本の電池添加剤市場の過去実績(2019~2025年)
6.3 日本の電池添加剤市場予測(2026~2035年)
6.4 タイプ別・日本の電池添加剤市場
6.4.1 導電性添加剤
6.4.1.1 過去の推移(2019~2025年)
6.4.1.2 予測推移(2026~2035年)
6.4.2 多孔質添加剤
6.4.2.1 過去の推移(2019~2025年)
6.4.2.2 予測推移(2026~2035年)
6.4.3 核形成添加剤
6.4.3.1 過去の推移(2019~2025年)
6.4.3.2 予測推移(2026~2035年)
6.5 用途別・日本の電池添加剤市場
6.5.1 リチウムイオン電池
6.5.1.1 過去の推移(2019~2025年)
6.5.1.2 予測推移(2026~2035年)
6.5.2 鉛蓄電池
6.5.2.1 過去の推移(2019~2025年)
6.5.2.2 予測推移(2026~2035年)
- 市場ダイナミクス
7.1 SWOT分析
7.1.1 強み
7.1.2 弱み
7.1.3 機会
7.1.4 脅威
7.2 ポーターの5フォース分析
7.2.1 サプライヤーの交渉力
7.2.2 買い手の交渉力
7.2.3 新規参入の脅威
7.2.4 競争の激しさ
7.2.5 代替品の脅威
7.3 主要需要指標
7.4 主要価格指標
バリューチェーン分析
8.1 主要ステークホルダー
8.2 バリューチェーンの各段階競争環境
9.1 サプライヤー選定
9.2 主要グローバル企業
9.3 主要国内企業
9.4 主要企業の戦略
9.5 企業プロファイル
9.5.1 Cabot Corporation
9.5.1.1 企業概要
9.5.1.2 製品ポートフォリオ
9.5.1.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
9.5.1.4 認証
9.5.2 3M
9.5.2.1 企業概要
9.5.2.2 製品ポートフォリオ
9.5.2.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
9.5.2.4 認証
9.5.3 IMERYS
9.5.3.1 企業概要
9.5.3.2 製品ポートフォリオ
9.5.3.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
9.5.3.4 認証
9.5.4 Orion Engineered Carbons
9.5.4.1 企業概要
9.5.4.2 製品ポートフォリオ
9.5.4.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
9.5.4.4 認証
9.5.5 Hammond Group
9.5.5.1 企業概要
9.5.5.2 製品ポートフォリオ
9.5.5.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
9.5.5.4 認証
9.5.6 SGL Carbon
9.5.6.1 企業概要
9.5.6.2 製品ポートフォリオ
9.5.6.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
9.5.6.4 認証
9.5.7 Borregaard
9.5.7.1 企業概要
9.5.7.2 製品ポートフォリオ
9.5.7.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
9.5.7.4 認証
9.5.8 HOPAX
9.5.8.1 企業概要
9.5.8.2 製品ポートフォリオ
9.5.8.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
9.5.8.4 認証
9.5.9 Tanaka Chemical Corporation
9.5.9.1 企業概要
9.5.9.2 製品ポートフォリオ
9.5.9.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
9.5.9.4 認証
9.5.10 ADEKA CORPORATION
9.5.10.1 企業概要
9.5.10.2 製品ポートフォリオ
9.5.10.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
9.5.10.4 認証
9.5.11 その他
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