筑波大学、先端ITベンチャー企業との連携による技術者養成プログラムの開設を決定

    技術・開発
    2007年5月24日 15:00
    報道関係者各位                     平成19年5月25日 プレスリリース                        筑波大学 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 先端ITベンチャー企業との連携による技術者養成プログラムの開設について ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 筑波大学(所在地:茨城県つくば市、学長:岩崎 洋一)は、将来のわが国を 担う技術者育成に向けた新しい教育プログラムの開設を目的として、先端IT ベンチャー企業との連携によるET(EmbeddedTechnology)技術者養成プログラム 「組み込み技術キャンパスOJT」の開設を決定いたしました。                  記 1.教育プログラム開設の目的 多種多様な情報技術(IT)の中、組み込み技術(ET)は、日本が育み世界市場で 先導的役割を果たしています。近年、産業界からは、ET技術者の不足が指摘 されており、その育成は教育機関の急務となっています。 すでに、筑波大学は、文部科学省の「先導的ITスペシャリスト育成推進プ ログラム」に採択され、大学院教育において産業界との連携のもとでET技術者 の育成に注力しておりますが、本分野において更なる教育効果の向上をめざ して、先端ITベンチャー企業との連携によるET技術者養成プログラム 「組み込み技術キャンパスOJT(※)」を筑波大学情報学群(平成19年4月新設) において開講することを決定いたしました。 本プログラムは、学部教育の早い段階から社会的ニーズの高い実践的な教育を 産業界との密接な連携の下で実施することにより、ET技術に関する学生の モティベーションを高め、大学院IT専門教育との連携により、更なる教育上の 相乗効果を狙うものであります。 (※)OJTは、On the Job Trainingの略。職場での実務を通じて行う教育訓練。 2.本プログラムの概要 本プログラムは、株式会社アクセル(半導体メーカ)からの寄付により運営され ます。同社、株式会社ネットディメンション(3次元グラフィックスソフト ウェアメーカ)とともに情報学群が検討したカリキュラムに基づいて、両社から 派遣されたエキスパートを講師とする実践的な情報技術者育成OJTです。 (※)株式会社アクセル及び株式会社ネットディメンションの概要は、添付書類 をご参照ください。 3.その他詳細情報は、添付書類をご参照ください。 ■問い合わせ 筑波大学図書館情報等支援室 担当: 桜井(教務) 電話: 029-859-1053 URL : http://www.tsukuba.ac.jp/ ≪添付資料≫ 「筑波大学 情報学群 組み込み技術キャンパスOJT」 概要 対象  :筑波大学情報学群 情報科学類(1学年定員80人)・情報メディア      創成学類(1学年定員50人) 3・4年生を対象(※)とし、受講希望者の      中から1・2年次のIT関連教科の取得成績により、2コース(受講定員      各12人)の受講者が選抜されます。 (※)実施初年度のみは、筑波大学第三学群 情報学類4年も含まれます。 期間  :平成21年4月~平成24年3月 (継続の場合もあり) 受講定員:ハードウェア技術向けコース12人・ソフトウェア技術向けコース      12人。希望者多数の場合、1・2年のIT関連科目の取得成績により      選抜する。 時間数 :75分×2授業を週2回、1学期(全3学期)当たり10週。 学期  :ハードウェア技術向けコース:         I学期担当企業  アクセル         II学期担当企業  アクセル         III学期担当企業 アクセル      ソフトウェア技術向けコース:         I学期担当企業  ネットディメンション         II学期担当企業  ネットディメンション         III学期担当企業 アクセル 企業概要: 【株式会社アクセルの概要】 株式会社アクセルは、1996年2月に設立されたファブレス半導体メーカであり、 グラフィックス・サウンド及び多様な圧縮伸長技術などのLSI化に向けた研究 開発能力に特長を有するベンチャー企業です。同社は、2002年12月にJASDAQ 証券取引所へ上場しております。今回の講座開設は、次世代の技術者育成に 向けた同社のCSR活動としての申し出によるものであり、本学と連携した新たな 取組みとなっています。 【株式会社ネットディメンションの概要】 株式会社ネットディメンションは、クリエイターノウハウをシステム化し、 特に業務用3次元アプリケーションの活用に向けたソフトウェアを開発する メーカです。同社が開発するソフトウェアは、特に非PC(組み込み)環境に おいて、リッチな3次元アプリケーションをオーサリングツール開発のみで 実現し、短期間で軽量軽快なコンテンツの作成を可能とした点に特徴を有して います。 実習概要:  ハードウェア技術向けコース   ○ハードウェア記述言語の基礎   ○LSI設計ツールの基礎   ○グラフィックスLSIの基礎   ○表示、キャプチャ、描画等の回路設計-各回路の基礎知識   ○FPGAを用いた回路実装   ○組み込みCPUでのプログラミング   ○FPGA搭載ターゲットボードの実動作検証 ソフトウェア技術向けコース  I・II学期:ソフトクリエイティブ   ○映像に関する知識   ○画像作成ツールの基礎   ○Matrix Engine SDKによるコンテンツ作成   ○組み込み機器での3Dソフト開発とは   ○AG902評価ボードによるソフト作成  III学期:ソフトエンジニアリング   ○組み込みソフト開発環境について   ○AG301評価ボードについて   ○組み込みCPUと移植性について   ○3Dグラフィックス製作   ○画像圧縮技術について   ○コンテンツ作成 座学  :他社講師による関連技術の特別講義、組み込み機器市場・アミュー      ズメント市場・カスタマーサポート等の周辺分野に関する講義、      ベンチャー企業に関する講義等も適宜行う。 組み込み技術とその市場について: 情報家電製品・ゲーム機・携帯電話・医療機器・車載装置・POP(広告宣伝) 端末・計測機器・産業用機器などといった私たちの身の回りを取り囲む多くの 機器が組み込み機器といわれるものです。組み込み機器は社会で不可欠なもの になり、その市場は機器の電子化に伴ってますます拡大します。 組み込み技術とは、組み込み機器を開発するための技術の総称です。これら 組み込み機器は、使用するCPUのスペックは勿論、基板スペース・コスト・ 開発期間・信頼性等といった幾多の条件をエンジニアの技術によりクリアする ことで製品化されています。 今回の教育プログラムが対象とする組み込み機器に向けられた描画表示に 関するハード及びコンテンツを含むソフトの技術は、ユーザーがグラフィカルな インターフェース(GUI)を使い直感的で簡便な操作で、装置のコントロールを 行うことや必要な情報を正確に受け取ることを実現する技術です。
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