東京大学とITコミュニケーションズ BtoB購買意思決定の複雑性を「システム思考」で解明する 社会連携講座を開設
――マーケティングの「勘」をシステム思考で「組織知」へ――
国立大学法人東京大学(総長 藤井 輝夫)と株式会社ITコミュニケーションズ(代表取締役社長 加藤 浩志)は、2026年4月1日に「マーケティング最適化のための統合的システム分析」社会連携講座を開設いたします。
■本社会連携講座概要
産業財(BtoB商材)の購買は、単一の意思決定者ではなく、技術部門、調達部門、経営層など複数の関係者からなる「購買センター(Buying Center)」によって行われます。そこでは、合理的な評価軸だけでなく、組織内の利害関係や影響力、合意形成のプロセスが複雑に絡み合い、意思決定の全体像を捉えることが難しいという課題が存在します。
東京大学の研究チームは、複雑な社会・産業を対象とした「システムデザイン・システム思考」を専門とし、その方法論を海上物流のゼロエミッション化や地方交通サービスといった公共性の高い課題へ適用し、成果を収めてきました。
ITコミュニケーションズは、2007年の設立以来、BtoBマーケティング支援の最前線において、顧客の組織構造や意思決定プロセスを読み解く「洞察力」が成果を左右することを実証してきました。一方で、こうした高度な判断が熟練者の経験や勘に依存し、ノウハウが属人化しやすいという業界共通の課題を深く認識しています。
本講座では、従来のマーケティング・ファネル(※1)や単純で静的なモデルでは捉えきれなかったBtoBの購買意思決定プロセスの複雑性を、システムデザイン・システム思考(※2)の理論に基づく動的モデルとして可視化することを目指します。さらに、熟練したBtoBマーケターが経験的に行ってきた「組織力学の読み解き」や「合意形成の停滞要因の見極め」を工学的・理論的に再現することで、再現性のあるマーケティング介入手法として確立することを目的として本講座を設置することといたしました。
※1 マーケティング・ファネル
消費者が商品を知り、最終的に購入に至るまでのプロセスを、段階ごとに絞り込まれる「漏斗(ファネル)」の形でモデル化したものです。
※2 システム思考
システム思考とは、広義には対象を明示的にシステムとして考えることです。本講座では、システム思考の手法群からシステムズエンジニアリングで利用される記法や概念の整理をBtoBマーケティングの意思決定に導入します。
■研究テーマ
本講座で実施する研究では、顧客ニーズや製品・サービスの特性といった曖昧性を含む情報を客観的に記述・整理するため、システム思考に基づく利害関係者分析や要求工学の手法を活用します。
製品・サービスの価値や強みは、因果関係ダイアグラムなどの定性的モデルとして構造化され、これを基にマーケティング施策の評価指標設計や、広告・コミュニケーションチャネルの最適な組み合わせといった実務上の意思決定を支援することを目指します。
これらの取り組みを通じて、知見を個人の経験ではなく、モデルとデータとして蓄積・共有可能な形で残すことで、BtoBマーケティングにおける「顧客と売り手のコミュニケーション活動」の実践知(プラクティス)を体系化し、産業界への還元を目指してまいります。

本社会連携講座の研究概要
■本社会連携講座の詳細
●社会連携講座名称
マーケティング最適化のための統合的システム分析
●設置期間
2026年4月1日から2029年3月31日まで(3年間)
●代表教員
稗方 和夫(東京大学大学院新領域創成科学研究科人間環境学専攻 教授)
●ウェブページ
https://ut-itc.edu.k.u-tokyo.ac.jp/
■各機関について
●国立大学法人東京大学について
1877年に創立された我が国最初の国立大学である東京大学は、15の学部・研究科と11の附置研究所を有する教育研究機関です。藤井 輝夫総長により 2021年 9月に公表された基本方針「UTokyo Compass~多様性の海へ:対話が創造する未来(Into a Sea of Diversity: Creating the Future through Dialogue)~」のもと、さまざまなステークホルダーと協調して社会課題を解決していくことを目指しています。
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/index.html
●株式会社ITコミュニケーションズについて
株式会社ITコミュニケーションズは、マーケティング戦略の立案から施策実行までを一貫して支援するマーケティングパートナーです。最新のITテクノロジーと伝統的な広告手法やクリエイティブを有機的に組み合わせながら、クライアントニーズに対するソリューションをワンストップで、最適な形で提供しています。マスメディアを中心とした従来型の手法に加え、「個」に向き合う複雑なコミュニケーション戦略にも注力。プランニングから広告制作、媒体戦略、施策実行まで一貫して伴走し、現場の実行力で成果創出を支援しています。クライアントに最も近いマーケティングパートナーとして、事業を深く理解し、ともに成長しながら、社会に価値を還元するコミュニケーションの実現を目指しています。
本社会連携講座責任者:菊地 浩幸(株式会社ITコミュニケーションズ 専務取締役COO)
■問合せ先
<社会連携講座に関すること>
東京大学大学院新領域創成科学研究科 人間環境学専攻
教授 稗方 和夫(ひえかた かずお)
Tel : 04-7136-4611
E-mail: ut-itc-grp@edu.k.u-tokyo.ac.jp (事務局:業務委託先 株式会社イノベスト)
<報道に関すること>
東京大学大学院新領域創成科学研究科 広報室
Tel : 04-7136-5450
E-mail: press@k.u-tokyo.ac.jp
株式会社ITコミュニケーションズ 広報
E-mail: press@it-comm.co.jp

















