MetCom、10億円を資金調達し、社会基盤を支える日本初の地上波3D測位インフラ構築を本格化

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    2025年11月21日 10:00

     次世代の3D測位、航法、時刻(PNT)サービスを提供するMetCom株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:近 義起、以下「MetCom」)は、総額約10億円の株式資金調達を実施し、そのうち8.5億円の出資受入を完了したことをお知らせします。本資金調達は、GPSをはじめとする衛星測位システム(GNSS)の脆弱性という国家的課題を解決し、「いつ」「どこで」という基礎情報を誰もが安全・安心に得られるようにし、我が国の社会基盤と人々の暮らしを支える、日本初の地上波方式による3D PNTインフラの構築を本格化させるものです。

     
     現代社会において、位置情報の取得はもちろん、交通、通信、電力、金融、防衛に至るまで、幅広い社会基盤が、GNSSに深く依存しています。しかし、衛星信号は微弱であり、高層ビル街や屋内では届きにくく、妨害(ジャミング)やなりすまし(スプーフィング)、さらには太陽フレアなど自然現象による脆弱性が顕在化しています。特に、世界的に多発する軍事紛争は、GNSSの機能不全が社会の安定継続を脅かすことを明らかにしています。日本において、GNSSの障害は1日あたり数百億円の経済的損失をもたらすと推定されます(*1)。また、ドローンによる点検や物流、エアモビリティ、自動運転、スマートシティといった「Society 5.0」を構成する次世代産業は、GNSSだけでは実現困難な、常時利用可能で高信頼・高精度な三次元測位情報を必要としています。

     
     MetComは、この国家的課題を解決するため、衛星システムを補完・代替し、屋内外を問わずシームレスに利用できる高信頼な地上波の3D PNTシステムを、日本初の新たな社会インフラとして構築します。MetComの地上波PNTシステムは、GNSS比最大10万倍の信号受信強度を実現し、米国運輸省が実施した代替PNT技術評価において全項目最高評価を得た実績を有しており、国際的に精度、信頼性が証明されています。

     
     MetComは、本方式システムの実現に向け、過去数年にわたり、実験環境で技術実証を積み重ねてきました。2024年には、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と、新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」の枠組みのもと、地上波方式測位システムに関し、準天頂衛星「みちびき」との組合せによる共創活動を開始しました (*2)。この活動は、準天頂衛星「みちびき」との連携により、センチメートル級の精度、妨害耐性を高める仕組みを地上波PNTシステムに組み入れ、高精度・高信頼で、屋内外シームレスに利用可能な衛星/地上波システム連携を実現するものです。このように、日本の宇宙技術と民間の地上インフラ技術を融合させ、我が国独自の高信頼かつ自律運用可能なPNT能力を確保する官民連携の取組みも既に始まっています。

     
     MetComの今般のシリーズ資金調達は、このように日本の将来に不可欠な地上波PNTシステムの構築・サービス提供の実運用開始に向けた準備として実施するものであり、調達資金は、地上波基地局ネットワークの建設・運営費用に充当します。MetComの果たす社会的使命に賛同し、新たな社会価値を創造するため、同資金調達の第一弾として、既存株主のDRONE FUND及び新規投資家の株式会社アイティフォー、株式会社ゼンリンフューチャーパートナーズから合計8.5億円を出資いただきました。加えて、既存株主のNextNav社から、事業マイルストーン達成時の約1.5億円の追加出資コミットを得ております。出資実行した各社から、次のコメントをいただいています。

    DRONE FUND(既存投資家による追加出資)

     DRONE FUNDは、「ドローン・エアモビリティ前提社会」の実現に向けて、セキュアで屋内でもつながる三次元位置測位技術は極めて重要な技術と位置付けております。特に近年はGNSSに対するジャミング等の問題も頻発しており空の安全性確保のためGNSSを補完するインフラ構築が急務です。こういった環境下でMetCom が実現を目指す3D PNTインフラはその全てについて解決が可能なインフラであり、事業も着実に進んでいることから追加出資をさせていただくこととなりました。彼らのサービスが、レベル 4飛行(有人地帯での目視外飛行)の社会実装を目指す業界の安全性確保に寄与するものと確信しております。

    株式会社アイティフォー(新規投資家)

     衛星測位の脆弱性を補完する地上波PNTは、社会インフラを支える重要技術です。当社はそのビジョンと成長可能性に強く共感し、このたび出資を決定いたしました。
     当社はこれまで、地域金融機関や自治体、流通業を中心に地域の課題を解決するDXを支えてまいりました。今回の出資を機に、当社の広範な顧客基盤・システム構築力・地域密着のサポート体制を生かし、時刻認証の高度化や防災・減災、スマートサービスなど、さらなる価値創出の実現を目指します。
     日本全国に安全・安心なインフラを届け、誰もが安心して暮らせる社会づくりを、MetComと共に実現してまいります。

    株式会社ゼンリンフューチャーパートナーズ(新規投資家)

     MetComの高精度かつ信頼性の高い三次元測位技術について、その活用の可能性に大きな期待を寄せております。高精度な地理空間情報を提供するゼンリングループとの事業シナジーも想定しており、空間情報の利用範囲の拡大や、新たな価値の創出につながると確信しております。
     空間情報活用の可能性を切り開くMetComの取り組みを、ゼンリングループは応援してまいります。

     
     
     今般の資金調達完了を以て、会社設立以降の累計調達額は約22億円となりました。
     資金調達活動は継続実施し、地上波PNTシステムの構築・サービス提供の実運用開始に向けた基盤を更に強固にしてまいります。

    (*1)当社調べ
    (*2)MetCom、JAXA、「地上波方式測位システム」に関する共創活動を開始
       〜地下・屋内・屋外問わず、測位をシームレスに〜

     

    MetCom株式会社について

     MetCom株式会社は、次世代の3D測位、航法、時刻(PNT)サービスを提供します。地上波方式により、衛星測位システム(GPS/GNSS)の弱点を克服し、高精度、高信頼、高障害耐性の時刻情報と3D位置情報サービスを提供します。衛星信号が届かない屋内・地下を含む都市全域をカバーする信頼性・可用性の高い社会インフラを構築・運用し、安全で便利な社会を実現します。

     
    本件についてのお問合せ
    荒木 勤
    info@metcom.jp

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