AI半導体が押し上げる日台協力 台湾・産業発展署が日本企業との商談15件を超え、MOU締結も進む

人工知能(AI)の波が世界を席巻する中、生成AIやエッジコンピューティングの需要が急速に拡大し、AIチップ市場はかつてない成長を遂げている。リアルタイム演算への要求が急増する現在、半導体設計はより高性能かつ低消費電力化を目指して進化を続けている。
台湾は設計から製造まで一貫した半導体エコシステムを有し、高性能演算(HPC)用チップ製造の分野で世界をリードしている。さらに、近年では台湾のIC設計企業が先端プロセス開発にも積極的に取り組み、台湾はグローバルな高性能演算チップ産業チェーンの中核拠点としてその地位を確立しつつある。
台湾の産業政策を所管する経済部産業発展署(以下、産発署)は、長年にわたり「スマートエレクトロニクス産業推進室(SIPO)」を通じて、台湾企業によるAI関連チップの中核応用開発を効果的に推進するため、2020年より「AI on Chip産業推進計画(以下、AI on Chip計画)」を展開している。
本計画は、市場ニーズを起点とし、台湾企業が持つ技術的優位性と産業特性を踏まえて、多様なビジネスマッチングおよび連携メカニズムを活用し、台湾企業による世界の応用市場での戦略的なビジネス展開を後押ししている。
日本は台湾にとって最も重要な経済パートナーの一つであり、長年にわたり緊密な関係を築いてきた。両国は毎年、台湾経済部産業発展署と日本台湾交流協会が主催する定期「架け橋会議」を2回開催し、双方向の協力体制を強化している。また、AI on Chip計画の一環として、産業発展署は「AI on Chip産業協力戦略アライアンス」を設立し、台湾と日本の企業間での技術連携や商談の場を提供している。
これまでに、凌陽科技(Sunplus Technology)、奇景光電(Himax Technologies)、創鑫智慧(Neuchips)、耐能智慧(Kneron)、輝創電子(Whetron Electronics)、科音國際(Sound Land Corp.)、奇翼醫電(Singular Wings Medical)などの台湾企業が、日本のシステムインテグレーター、商社、半導体部品・ソリューション企業、車載Tier1メーカー、電子計測機器メーカーなどと、15件を超える国際ビジネスマッチング会を実施している。
その中には、すでに協業覚書(MOU)を締結した事例もあり、日台双方の連携の深化や、台湾の半導体・システム関連企業による日本市場での競争力向上に大きく貢献している。
産業発展署は今後もこの取り組みを継続し、さらに多くの優れた台湾企業を国際市場へ導き、日台産業協力の深化と新たなビジネス機会の創出を目指していく。
連絡方法:
Smart Electronics Industry Project Promotion Office (SIPO), IDA, MOEA



















