「静かな退職」の実態を経営者、現場社員へアンケート調査  経営者と社員の意識のズレを可視化  そこから見える組織課題とは?

    ギャップとして現場社員の方が深刻な状況だと回答  また共通して不足していると感じていたのは「やりがい」と判明

    調査・報告
    2025年10月31日 09:00

    中小企業の「永続するいい会社」創りを支援するつむぎ株式会社(本社:東京都、代表取締役:前田 亮)は、2025年10月に実施した“静かな退職”に関する独自アンケート(経営者向け・社員向け)の結果を公開いたしました。


    静かな退職 アンケート調査

    静かな退職 アンケート調査


    <「静かな退職」とは>

    近年国内でも注目されている「静かな退職(Quiet Quitting)」とは、退職や転職はせずに必要最低限の業務だけを行うようになる状態を指します。

    本調査の結果、この“静かな退職”の要因や対策に関して、経営者と社員の間には大きな認識の差が存在することが明らかになりました。



    ■アンケート調査結果サマリー

    「静かな退職」という言葉の認知はまだ2割程度と低い。しかし、「職場で静かな退職が起きているかどうか」という質問では、経営者と社員の間で約7%のギャップが見られた。

    原因として挙げられた上位3項目は、「給与・処遇」「やりがい不足」「上司との関係」。両者とも同様の項目を挙げたが、回答率には差がみられた。

    解決策としては、「働き方の柔軟性」「ビジョン・ミッションの醸成」「評価制度の改善」が上位。ここでも経営者と社員の間に認識のズレが確認された。

    特に「やりがい不足」を解消するには、「一人一人のビジョン・ミッションの醸成」が重要であるとの認識が共通していた。


    ◇調査結果の詳細

    「静かな退職」の認知状況

    まずは“静かな退職”という言葉の認知について質問したところ、以下の結果となりました。


    【経営者】

    表1

    表1


    【社員】

    表2

    表2


    静かな退職を『退職や転職はせずに、最低限の業務だけを行うこと』と定義した中で、実際に会社で静かな退職が起きているかを質問したところ、次のような回答となりました。


    【経営者】

    表3

    表3


    【社員】

    表4

    表4


    「静かな退職」という言葉を知っていると回答した割合は、経営者・社員ともに約2割に留まりました。

    一方、自社で“静かな退職”が起きていると感じている人は、社員が29.7%、経営者が22.9%。

    この時点で、すでに認識の違いが見られます。


    ◇静かな退職が起きる原因

    静かな退職が起きる原因について質問をしたところ、次のような回答となりました。

    (※複数回答)


    【経営者】

    表5

    表5


    【社員】

    表6

    表6


    <原因として挙げられた要素>

    複数回答による結果では、経営者・社員ともに上位に挙がったのは以下の3項目です。


    給与・処遇

    やりがい不足

    上司との関係


    しかし、回答率を比較すると明確なギャップが見られます。

    特に「給与・処遇」では社員の方が10.9%高い結果に。

    また「上司との関係」では7.0%、「キャリア展望の欠如」では6.2%、いずれも社員の方が高い割合を示しました。

    これらの数値から、社員は上司とのコミュニケーション不足や評価への不信感、将来のキャリア不透明感を強く感じていることが読み取れます。

    一方で、「やりがい不足」が両者共通の上位項目となっており、無気力化を防ぐうえで“やりがい”が不可欠な要素であることが明らかです。


    ◇「静かな退職」を防ぐ施策

    最後に、静かな退職が起こらないための施策について質問をしたところ、次のような回答となりました。

    (※複数回答)


    【経営者】

    表7

    表7


    【社員】

    表8

    表8


    経営者・社員双方に「静かな退職を防ぐには何が必要か」を質問したところ、上位に挙がったのは以下の3項目です(複数回答)。


    働き方の柔軟性

    一人ひとりのビジョン・ミッションの醸成

    評価制度の改善


    ただし、その順位や回答率には違いがありました。

    特に「評価制度の改善」では、社員が最も重要視しているのに対し、経営者は3番目。両者の間に17.3%という大きなギャップが見られました。また、「働き方の柔軟性」においても7.5%の差がありました。

    ここで言う“柔軟性”とは、労働時間よりも働く場所や進め方の自由度を意味している可能性が高いと考えられます。



    ■注目すべきポイント:「やりがい」を生み出すには

    静かな退職の原因として「やりがい不足」が経営者、社員いずれにおいても挙げられていました。そして、やりがいを生み出すための要素としては、高いレベルの仕事を通じた自己成長であったり、キャリアがより明確になるサポートという施策以上に、「一人一人のビジョン・ミッションの醸成」が重要である点が非常に興味深い結果でもあります。一人一人がどんな未来を描くのか、働くうえで何を大切にするのかを深めることこそが重要になっていることが読み取れます。



    ■解決の糸口:「想い」を可視化するパーソナルブランドブック

    こうした状況を踏まえ、つむぎ株式会社では、社員一人ひとりの“想い”を可視化する「パーソナルブランドブック制作サービス」を展開しています。

    (サービスページ: https://tsumugi-mirai.jp/lp-brandbook/)

    パーソナルブランドブックは、社員や経営者への丁寧なインタビューを通じて、その人の価値観・仕事への想い・ストーリーを言葉とデザインで表現する一冊。

    制作過程そのものが、社員同士・経営層との対話のきっかけとなり、組織全体に「共感の循環」を生み出します。

    “数字では測れない社員の熱量”を言葉に変え、「働く意味」や「つながり」を再構築することが、静かな退職を防ぐ最も本質的なアプローチであると私たちは考えています。



    ■本調査について

    調査方法:インターネット調査

    調査期間:2025年10月6日~13日

    調査対象:(1)40代以上の経営者297名

         (2)40代以上の一般企業で働く社員360名



    ■会社概要

    会社名      : つむぎ株式会社

    所在地      : 東京都品川区大井1-6-3 アゴラ大井町ビル3階

    代表者      : 代表取締役 前田 亮

    事業内容     : HRブランディング事業/カケハシ事業

    コーポレートサイト: https://tsumugi-mirai.jp

    カテゴリ
    ビジネス

    調査

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