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    リセールバリュー総合研究所

    【自動車購買行動に関する調査】 物価高で変わるクルマ購買行動のリアル

    ~3人に1人が“予算オーバー” 買い替えの理由は“やむを得ず”が大半~

    調査・報告
    2025年10月30日 10:00

    リセールバリュー総合研究所(所在地:東京都港区港南)は、全国の自家用車保有者361人を対象に「自動車購買行動に関する調査」を実施しました。


    物価上昇や環境対応など自動車を取り巻く変化が進む中、人々はどのように購入を決め、どのような基準で選んでいるのでしょうか。本調査では、買い替えの理由から販売員の対応、SNSの影響やオンライン商談の実態まで、裏側を多角的に分析しました。物価高・DX・世代交代――この三つの潮流が交差する今、自動車の“買い方”にも時代のリアルが現れています。本リリースでは、その結果を発表いたします。



    【調査概要】

    実施内容:自動車購買行動に関する調査

    調査対象:男女361人(自家用車の保有者に限定)

    集計方法:インターネット調査 (サーベロイド社)

    調査期間:2025年10月2日~10月5日



    ■ リリースサマリー

    ・約7割が「購入前に予算を決めた」が、3人に1人は“予算オーバー”

    ・買い替え理由の6割が“やむを得ず” 「壊れたから」「車検だから」が圧倒的

    ・“買いたくなる接客”は男女で異なる 男性は専門性、女性は人間味を重視

    ・SNS・YouTubeが“購入の決め手”に 約6割がオンライン情報を参考に車を選択



    ■ 約7割が“予算あり”でも3人に1人はオーバー 物価上昇が家計を直撃


    Q. 自動車を買う前に予算を決めていましたか?/Q. 実際の購入価格は、事前に決めた予算通りでしたか?

    Q. 自動車を買う前に予算を決めていましたか?/Q. 実際の購入価格は、事前に決めた予算通りでしたか?


    調査によると、67.3%の人が“購入前に予算を設定していた”ものの、実際に35.7%が予算を超えて購入しており、家計管理意識と現実の支出とのギャップが浮き彫りになりました。背景としては、カーナビや安全装備などオプションの充実化や、「せっかく買うなら良いものを」という上位グレードへの変更が上位でした。“計画的消費”を意識しながらも、実際には“納得消費”を選ぶ人が増えているようです。



    ■ “買う気が失せた”接客1位は『強引な営業トーク』女性の2割が“性別への偏見発言”を経験


    Q. 自動車の購入検討・商談中に、販売店の担当者から言われて「信じられない」「がっかりした」と感じたことはありますか?

    Q. 自動車の購入検討・商談中に、販売店の担当者から言われて「信じられない」「がっかりした」と感じたことはありますか?


    調査によると、「がっかりした対応」では「強引な営業」「偏見発言」「他社批判」など、“短期的な売り込み”が逆効果であることが示されています。また、男女ともに「強引な営業トーク」が最も多く(男性22.7%、女性20.1%)、さらに女性では「性別や年齢に関する偏見」(20.1%)が男性より高く、いまだに“女性ドライバー軽視”の言動が残る現状が浮き彫りとなりました。



    ■ 男女で異なる“買いたくなる理由” 男性は専門性、女性は人間味を重視


    Q. 自動車の購入検討・商談中に、販売店の担当者から言われて「嬉しかった」「この人から買いたい」と思ったことはありますか?

    Q. 自動車の購入検討・商談中に、販売店の担当者から言われて「嬉しかった」「この人から買いたい」と思ったことはありますか?


    調査によると、男性が「専門的アドバイス」(37.2%)や「誠実さ」(35.5%)を重視した一方、女性は「気配り」(31.2%)や「寄り添い対応」(29.6%)を選ぶ傾向に。購買体験における“価値の感じ方”の違いが浮き彫りになりました。企業や販売員が「合理性重視」か「共感重視」かという購買心理の違いをはじめとした多様な価値観に合わせた接客対応を求められる時代になっています。



    ■ SNSやYouTubeが“購入の決め手”に 約6割がオンライン情報を参考にクルマを選ぶ


    Q. オンラインでの情報収集(動画視聴やSNS)が、購入の決め手になることはありましたか?(総計)

    Q. オンラインでの情報収集(動画視聴やSNS)が、購入の決め手になることはありましたか?(総計)


    調査によると、自動車購入における情報収集の手段として、約6割(57.1%)が「動画やSNSが購入判断に影響した」と回答。今やSNSやYouTubeなどの『オンライン情報』が購買意思決定に大きな役割を果たしていることがわかりました。一方で、「オンラインでは情報収集していない」と答えた層も23.3%と一定数存在し、『デジタル重視派』と『リアル重視派』の二極化も進行しています。



    ■ Z世代の半数が『SNSで車を選ぶ』 一方40代以上は“リアル重視”が約3割


    Q. オンラインでの情報収集(動画視聴やSNS)が、購入の決め手になることはありましたか?(年代別)

    Q. オンラインでの情報収集(動画視聴やSNS)が、購入の決め手になることはありましたか?(年代別)


    年代別に見ると、10代・20代の約半数が「SNS・動画が購入の決め手になった」と回答。特に10代では「強く影響した」が25.0%、「ある程度影響した」も30.6%にのぼり、“動画レビューやSNS投稿が販売員の代わり”になっている実態が見えました。一方、40代では「オンラインでは情報収集していない」が27.8%と最多。50代・60代でも2割前後が“オンライン非利用”で、世代間での情報接触ギャップが顕著です。



    ■ 買い替え理由の6割が“やむを得ず” 計画的より“必要に迫られて”買う人が多数


    Q. 自動車を買い替えたきっかけは何ですか?

    Q. 自動車を買い替えたきっかけは何ですか?


    調査によると、自動車を買い替えた理由として最も多かったのは、「故障や不具合、車検のタイミングが来たから」(57.6%)という結果に。一方で「燃費・維持費の改善」(18.6%)、「家族構成の変化」(15.8%)など、ライフスタイルや経済面の変化をきっかけにする“計画的買い替え”は少数派でした。

    つまり、半数以上が「仕方なく買い替えた」層であり、物価上昇や維持費負担が続く中、“必要最小限の購買行動”が定着している様子がうかがえます。



    ■ オンライン商談の利用はわずか2割 “クルマ購入は対面で”が依然主流


    Q. 購入前にオンラインでの見積もりや商談を利用しましたか?

    Q. 購入前にオンラインでの見積もりや商談を利用しましたか?


    調査によると、自動車購入時に「オンラインで見積もりや商談を利用した」と回答した人はわずか21.9%にとどまり、約8割(78.1%)が“リアル店舗での商談を中心に検討”していることが明らかになりました。一方で、世代別にみると、10代で58.3%、20代で27.8%がオンライン商談を経験しており、若年層では非対面での見積もり・商談が浸透しつつあります。



    ■ 「リセールバリュー総合研究所」概要

    【リセールバリュー総合研究所(通称:リセバ総研)とは?】

    リセールバリュー総合研究所(通称「リセバ総研」)は、「中古車選びの価値基準をアップデート!」をコンセプトに、株式会社IDOMが運営する「中古車のガリバー」で蓄積された、年間約45万件を超える膨大なクルマの買取価格査定データや調査結果に基づき、クルマの売却価格や中古車相場を見える化するメディアです。


    また中古車のリセールバリューを赤裸々に、かつわかりやすく公開していくだけでなく、「中古車のリセールバリュー」について、自動車業界に限らず様々な分野の専門家やプロをお呼びし、多角的な視点から研究を行い、その成果を発表していきます。


    私達リセバ総研は、生活者の皆様がこのリセバ総研を通して「今買いたい」「今売りたい」クルマのリセールバリューを正しく掴めるようになることを目指します。


    今後、皆様の中古車選びの価値基準をアップデートし、日々の生活がより豊かになるような情報を提供してまいります。


    リセールバリュー総合研究所(通称:リセバ総研)

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