災害時にカセットこんろを役立てられますか? 3人に1人以上がカセットこんろを日常で使っていない、 災害時に役立てる自信がない
10月7日は「カセットこんろとボンベの日」 防災鍋を作って、使い方と使用期限をチェックしよう
一般社団法人 日本ガス石油機器工業会(東京都千代田区、以下「日本ガス石油機器工業会」)は、2025年9月2日(火)より、全国25歳以上のカセットこんろユーザー360名を対象とした使用実態調査をおこないました。
日本ガス石油機器工業会では、カセットこんろやボンベの使用期限を正しく理解していただくことを目的に、2023年に10月7日を「カセットこんろとボンベの日」と制定しました。今年で3回目を迎え、記念日がご自宅のカセットこんろ・カセットボンベの使用期限を確認するタイミングとなるように、本年も全国ユーザーを対象に最新の使用実態を調査しました。
調査では、「カセットこんろ・カセットボンベを持っているが日常ではまったく使っていない」と回答した人が34.7%となり、この割合は昨年の同調査結果(35.5%)とほぼ同水準でした。また、災害時にカセットこんろを生存と生活の維持に役立てられる自信があるかについては、「少し不安、役立て方がほとんど想像つかない」と回答した人は36.4%で、昨年の同調査結果(30.5%)から大きく増加しました。この背景には、防災意識の高まりを受けてカセットこんろやボンベを備蓄する家庭が増える一方で、購入したことで安心し、実際の使い方や活用準備まで進んでいないケースが多いことが考えられます。その結果、日常で使っていない人と災害時に役立てる自信がない人がともに3人に1人以上となっており、災害時の使用に課題があることが浮き彫りとなりました。このことから、防災品として備蓄するだけでなく、実際の使い方や役立て方を含めて防災準備しておくことの重要性が改めて示されたといえます。
また、所有するカセットこんろの製造年については、43.9%が「分からない」と回答し、買い替え目安10年を超える古い製品を使用している人23.3%とあわせると、約7割の3人に2人以上がカセットこんろを適切に管理できていない実態も明らかになりました。
日本ガス石油機器工業会では、突然の災害時にカセットこんろが使えないという状況を避けるために、被災時を想定してカセットこんろ・ボンベを使って食事をつくることを「防災鍋」と名づけ、10月7日の「カセットこんろとボンベの日」に防災鍋を作り、カセットこんろ、カセットボンベの使い方を理解することや使用期限を確認することを推奨しています。
■「カセットこんろ」実態調査
・調査内容:「カセットこんろと防災鍋」の実態調査2025
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2025年9月2日~3日
・調査対象:25歳以上の全国のカセットこんろ所有者360名
※全国地域8エリア、
年代(25-34歳、35-44歳、45-54歳、55-64歳、65歳以上)均等割付
・トピックス
(1) カセットこんろを持っている目的・用途では、「防災備蓄として持っているだけで日常では全く使わない(20.8%)」、「目的・用途はなく単にあるというだけで日常ではまったく使わない(13.9%)」との回答が合わせて34.7%となっている。
(質問)カセットこんろを持っている目的・用途を一つ選んでください。
(2) カセットボンベの所持数に関しては、「1~3本」が最も高く60.3%、「0本(持っていない)」は3.1%(昨年は5.8%)となり、昨年の同調査と比べて持っていない人は約半減するなど改善が見られた一方で、政府推奨(※)の「1人1週間当たり約6本」を備えている人は少数。
※出典:政府広報オンライン「いつもの食品で、もしもの備えに!食品備蓄のコツとは?」
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202103/2.html
(質問)燃料のカセットボンベは何本程度お持ちですか?
(3) カセットボンベの保管場所では、押入や、物置・ガレージなどの屋外スペースなど、存在を忘れやすい場所に保管している人が4割以上にのぼり、災害時などいざという時に『どこにしまってあるか分からない』恐れのある人が一定数いる。
(質問)カセットボンベは家の中のどこに保管してますか?
(4) カセットこんろ・ボンベの製造年の確認については、「カセットこんろもカセットボンベも確認していない(53.1%)」人が半数以上いる。
(質問)カセットこんろ・ボンベの製造年を、年に一回程度は確認していますか?
(5) 交換の必要性については、「カセットこんろもボンベも、古くなったら交換が必要だと認識している」が48.6%(昨年41.4%)と改善がみられたものの、依然として半数に満たない状況である。また、「カセットこんろもボンベも認識していない」人も23.1%にのぼり、依然として約4人に1人が交換の必要性を認識していない。
(質問)カセットこんろとボンベは、古くなったら交換の必要があることを認識していますか?
(6) 使用する目的とシーンについては、「鍋料理や焼き肉など食卓での調理」が最も多く65.0%を占め、およそ3人に2人が食卓での調理を目的として利用している。一方で「災害・停電など非常時に備えて定期的に動作確認している」も16.7%にのぼり、利用目的としては2番目に多かった。
(質問)あなたが、カセットこんろを普段使用する目的やシーンとして、あてはまるものをいくつでもお答えください。
(7) 災害時において、カセットこんろ・カセットボンベを適切に役立てられる自信を質問したところ、36.4%が「少し不安」「役立て方がほとんど想像つかない」と回答し、3人に1人以上が災害時の活用に自信を持てていない実態が明らかになった。この結果から、災害時に備えて普段からカセットこんろを使用し、被災時を想定した食事作りを練習しておくことをよびかけるのは重要であると再認識された。
(質問)大規模自然災害で自宅が被災、或いは電気・ガス・水道が長期間供給されない事態になった際、カセットこんろ・カセットボンベを生存と生活の維持のため適切に役立てられる自信はありますか?
(8) 所有するカセットこんろの製造年については、「分からない」が43.9%と最も多く、4割以上が把握できていない。さらに、2015年以前の買い替え目安10年を超える古い製品を使用している人も23.3%にのぼり、3人に2人以上がカセットこんろを適切に管理できていない。
(質問)お持ちのカセットこんろの製造年(または購入した年)を選んでください。
■カセットこんろとボンベの日について
秋・冬のお鍋シーズンに向けてカセットこんろとカセットボンベの使用期限を確認していただくタイミングとして、またいつ起こるか予測できない災害時に適切に使用できるように準備いただくため、カセットこんろの買い替え検討目安の10年とカセットボンベの使用期限7年に合わせて2023年より、10月7日を「カセットこんろとボンベの日」に制定いたしました。
■防災鍋について
日本ガス石油機器工業会では、「電気・ガス・水道がストップした前提」で「その時にある材料・停電した冷蔵庫の材料で」、「カセットこんろとカセットボンベ、又はアウトドア用ガスバーナーとガス缶を使って」食事をつくることを『防災鍋』と名づけ、10月7日の「カセットこんろとボンベの日」に防災鍋を作り、カセットこんろ、カセットボンベの使い方や使用期限を確認することを推奨しています。
カセットこんろとカセットボンベには、ガス漏れが生じないようにゴム部品が使われています。ゴム部品は年数が経って古くなっていくにつれ劣化していくため、ガス漏れが生じる危険性が発生してきます。「カセットこんろとボンベの日」をカセットこんろ、カセットボンベを使用・確認するタイミングとして活用いただき、10月7日にはカセットこんろとカセットボンベを使用して、その時に家にある食品・材料で「防災鍋」を作り、使い方、使用期限について今一度ご確認いただくことを推奨します。
・10月7日は『カセットこんろとボンベの日』 いざという時にそなえ“防災鍋”をつくろう!
https://www.jgka.or.jp/gasusekiyu_riyou/anzen/gasu_cassette/kinenbi/index.html
■防災鍋キャンペーンについて
日本ガス石油機器工業会では、2025年10月7日から11月7日までの1カ月間、SNSを活用した「防災鍋キャンペーン」を実施します。近年では、水を節約するポリ袋調理や、子どもにも食べやすいメニューの工夫など、被災時の生存・生活維持に向けた日常的な備えが広がっている一方、調査結果によると、災害時にカセットこんろを適切に使えるか不安を抱く方は依然として多く、備蓄しているこんろの製造年が不明なことも大きな不安要素です。当工業会では本キャンペーンを契機に、各ご家庭でカセットこんろの製造年を確認し、防災準備を進めていただくことを呼びかけています。
キャンペーンでは、日本ガス石油機器工業会のInstagram公式アカウントにおいて、期間中に防災鍋を実際に作った写真を投稿いただいた方の中から、抽選で賞品を進呈します。多くの皆さまのご参加をお待ちしています。
・日本ガス石油機器工業会 Instagram公式アカウント
@jgka_campaign( https://www.instagram.com/jgka_campaign/ )
■防災備蓄ガイド
日本ガス石油機器工業会では、災害に見舞われた際の「携帯ガス機器」の重要性や役立て方、また普段からの備蓄や準備に関する情報も発信しています。
・防災備蓄ガイド
https://www.jgka.or.jp/gasusekiyu_riyou/flyer/pdf/keitaigaskiki_bousaibichiku_guide.pdf
【一般社団法人 日本ガス石油機器工業会について】
一般社団法人 日本ガス石油機器工業会では、ガス機器・石油機器産業の健全な発展をはかり、もって国民生活文化の向上と我が国産業の発展に寄与することを目的とした取り組みをおこなっています。
・商号 : 一般社団法人 日本ガス石油機器工業会
・所在地 : 〒101-0046 東京都千代田区神田多町2-11-17 パークリュクス神田多町2F
・設立 : 1961年
・事業内容: ガス・石油機器の製品安全事業・需要促進事業・省エネ環境事業
・URL : https://www.jgka.or.jp
【カセットこんろ・カセットボンベの取り扱いについて】
製造から10年以上経過しているカセットこんろ、製造から7年以上経過しているカセットボンベは、経年劣化により古くなっていくにつれて、ガス漏れなどの事故が発生するリスクがでてきます。カセットこんろの買い替え検討の目安は10年、カセットボンベの使用期限の目安は7年です。ご使用の前に、それぞれの製造年をチェックしましょう。(カセットこんろは本体側面に貼られている銘板シールで、カセットボンベは缶底の数字で製造年が確認できます)