世界の副甲状腺機能亢進症の市場規模、疾患概要、疫学予測:2026年調査レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「世界の副甲状腺機能亢進症の市場規模、疾患概要、疫学予測、英文タイトル:Hyperparathyroidism Epidemiology Forecast; Disease Overview; Epidemiology Forecast; Patient Pool Analysis」調査資料を発表しました。本資料には、市場規模、疾患概要、疫学予測、患者数分析(日本、米国、ヨーロッパ、インドなど)、治療上の課題・アンメットニーズなどの情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
本レポートは、副甲状腺機能亢進症(Hyperparathyroidism)の疫学動向について、過去の患者推移と2026~2035年の将来予測を整理した市場調査レポートである。副甲状腺機能亢進症は、副甲状腺ホルモン(Parathyroid Hormone:PTH)の過剰分泌によって高カルシウム血症や骨・腎・ミネラル代謝異常を来す内分泌疾患であり、原発性、続発性、三次性に分類される。調査会社は、原発性副甲状腺機能亢進症(Primary Hyperparathyroidism:PHPT)が最も一般的な病型で、一般人口の約0.1~1%に影響するとし、近年は生化学的スクリーニングの普及、高齢化、特に閉経後女性での高い発見率によって診断患者数が増えていると整理している。本調査では2025年を基準年、2019~2025年を過去分析期間、2026~2035年を予測期間として、米国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、日本、インドの8主要市場における発症率、有病率、年齢、性別、病型、診断患者数などを分析している。
副甲状腺機能亢進症は一つの均質な疾患ではなく、原発性、続発性、三次性で病態と患者集団が大きく異なるため、疫学値を一括して扱わないことが重要である。原発性副甲状腺機能亢進症は、副甲状腺腺腫や過形成など、副甲状腺そのものの異常によってPTHが自律的に過剰分泌される病態である。
一方、続発性副甲状腺機能亢進症(Secondary Hyperparathyroidism:SHPT)は、慢性的な低カルシウム刺激やミネラル代謝異常に対する反応としてPTHが上昇する病態であり、特に慢性腎臓病(CKD)との関連が強い。三次性副甲状腺機能亢進症は、長期間の続発性副甲状腺機能亢進を背景に、副甲状腺が自律的なPTH分泌を行うようになった状態を指す。
したがって、一般人口におけるPHPT有病率と、CKD患者内におけるSHPT有病率は分母がまったく異なる。これらを単純に比較したり加算したりして、副甲状腺機能亢進症全体の有病率とすることはできない。
臨床的には、PTH過剰に伴う高カルシウム血症、骨代謝亢進、腎障害などが問題となり、骨痛、腎結石、疲労、精神神経症状などがみられる。長期的には骨粗鬆症、腎機能障害、心血管系合併症などにつながる可能性があり、無症候段階での早期発見も重要となる。
原発性副甲状腺機能亢進症の世界年間発症率は、10万人あたり13~120例とかなり幅広い。
この幅の大きさは、地域ごとの血清カルシウム測定の頻度、健康診断・スクリーニング体制、医療アクセス、症例定義などの違いによって影響されるとされる。
したがって、13/100,000と120/100,000の差をそのまま地域間の生物学的発症率差とみなすのは適切ではない。
特にPHPTの疫学は、過去数十年間で大きく変化したとされる。
以前は腎結石や重度骨病変など症候性患者が中心に診断されていたが、日常診療や健診で血清カルシウムを測定する機会が増えることで、無症候または軽症患者が早期に発見されるようになった。
そのため、近年の「有病率・発見率上昇」は、真の新規発症増加だけではなく、診断捕捉率の改善を大きく反映している可能性がある。
資料ではPHPTが一般人口の約0.1~1%に影響するとされる。
これは非常に幅のある有病率であり、地域、年齢構成、性別、検査体制などによって変化すると考えられる。
0.1%は10万人あたり100人、1%は10万人あたり1,000人に相当するため、上限と下限で10倍の差がある。
したがって、PHPTの有病率を単一の固定値で市場推計に用いるより、人口構成と診断率を考慮した方が適切である。
性別では、PHPTは女性に明確に多く、とくに閉経後女性が高リスク集団とされる。
スコットランドの人口ベースデータでは、新規PHPT症例の約72.3%が女性であったとされる。
ここで72.3%は「新規PHPT患者のうち女性が占める構成比」であり、女性人口の72.3%がPHPTになるという意味ではない。
この女性優位は、米国でも女性の発症率が高いという資料の記述と方向性として整合する。
一方で、性差は年齢と強く関連する可能性があり、単純に「女性だから高リスク」というだけでなく、閉経後年齢層での発症・診断増加を考慮する必要がある。
年齢による差も非常に大きい。
50歳未満ではPHPT発症率が10万人あたり12~24例とされる一方、70~79歳では95~196例/10万人まで増加する。
したがって、高齢者では若年成人と比べて発症・診断頻度が数倍高い。
この年齢勾配は、高齢化が進む国で2026~2035年の診断患者プールを押し上げる重要な要因になると考えられる。
ただし、95~196/100,000という値は70~79歳という限定年齢層の年間発症率であり、一般人口全体の発症率として使ってはいけない。
米国では、女性における副甲状腺機能亢進症の発症率が10万人年あたり約48.3~50.4例とされる。
これは「女性人口を分母としたperson-yearsベースの発症率」である。
したがって、米国一般人口全体の有病率や男女合計発症率ではない。
また、冒頭ではこの48.3~50.4/100,000 person-yearsという数値がhyperparathyroidism全体のように記述される一方、本文ではPHPTの女性優位や閉経後女性について説明されているため、この数値が実質的にPHPT中心の疫学である可能性が高い。
資料の病型混在には注意が必要である。
副甲状腺機能亢進症全体にはSHPTも含まれるが、米国女性48.3~50.4/100,000 person-yearsをCKD関連SHPTまで含む総発症率として解釈すると、病態構造上かなり不自然になる。
したがって、この米国値は主として原発性副甲状腺機能亢進症を反映する指標として慎重に読むのが適切である。
続発性副甲状腺機能亢進症については、CKD患者を対象とした2024年メタ解析が示されている。
21研究、11万977人のCKD患者を対象とした解析で、CKD関連SHPTの世界 pooled prevalenceは49.5%、95%信頼区間30.20~68.18%とされる。
これは非常に高い割合だが、一般人口有病率ではない。
「CKD患者のうち約半数がSHPTを有する」という高リスク集団内の推定である。
したがって、この49.5%と一般人口におけるPHPT 0.1~1%を直接比較して、SHPTの方が50倍多いと単純に評価するのは適切ではない。
分母がCKD患者と一般人口で全く異なるためである。
また、95%信頼区間が30.20~68.18%と非常に広い。
資料では「診断基準にかかわらず」pooled prevalence 49.5%とされるが、実際にはSHPTの定義、CKDステージ構成、透析患者割合、PTH測定法などが研究間で異なる可能性が高い。
したがって、49.5%をすべてのCKD患者に一律適用するのは慎重である。
とくにCKDステージが進むほどミネラル・骨代謝異常やSHPTは増えやすいため、CKDステージを考慮しない単一有病率は市場推計上限界がある。
三次性副甲状腺機能亢進症については、今回の抜粋では具体的な有病率や患者数は示されていない。
したがって、病態分類としては説明されているものの、2026~2035年の患者プールを定量化する材料は不足している。
三次性病態は長期SHPT後の自律性PTH分泌であるため、特に高度CKDや長期腎代替療法患者などの背景が重要になると考えられるが、今回の資料だけから具体的割合を補うべきではない。
米国の疫学では、検出率の上昇が強調されている。
その背景には、血清カルシウムやPTHを含む生化学的検査の利用拡大、臨床認知向上、高齢化がある。
このため、米国で診断患者数が増えても、それをそのまま真の発症率上昇と解釈するのは慎重である。
無症候PHPTの早期発見が増えれば、診断有病率は上昇する一方、重症症候性患者の割合は低下する可能性もある。
今回の抜粋では、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、日本、インドについて具体的な国別発症率や患者数は提示されていない。
そのため、8主要市場を対象とするレポートではあるものの、この資料だけで国別の定量比較を行うことはできない。
各国の副甲状腺機能亢進症患者数は、一般人口の年齢構成、女性・閉経後人口、血清カルシウム測定習慣、CKD有病率、透析患者数、専門医アクセスなどによって大きく変わる可能性がある。
治療は病型によって大きく異なる。
原発性副甲状腺機能亢進症では、副甲状腺摘出術が中心的治療であり、多くの場合根治的治療となる。
したがって、PHPTはすべての患者が長期薬物療法だけで管理される疾患ではない。
一方、手術適応や患者背景によっては経過観察や薬物療法が選択される場合がある。
続発性・三次性副甲状腺機能亢進症では、背景となるミネラル代謝異常やCKDへの対応が重要となる。
資料ではビタミンD補充、リン吸着薬、CKD管理などが挙げられている。
これはPHPTとは治療目的が異なり、「副甲状腺を直接治す」というより、PTH上昇の原因となる低カルシウム刺激やリン・ビタミンD代謝異常を修正する治療である。
カルシウム感知受容体作動薬であるcalcimimetic、代表例としてcinacalcetも挙げられている。
これはPTHを低下させる目的で使用され、手術が難しい場合などに治療選択肢となる。
ただし、PHPT、SHPT、三次性病態で使用目的や位置づけは異なるため、すべての副甲状腺機能亢進症患者に一律で使用する薬剤ではない。
長期管理では、カルシウム、リン、PTH、骨密度などのモニタリングが重要である。
特にPHPTでは骨量低下・骨粗鬆症、腎結石・腎機能障害などを評価する必要がある。
SHPTではCKDに伴うミネラル骨代謝異常を継続的に追跡する必要がある。
したがって、副甲状腺機能亢進症市場は、外科治療、内分泌薬物治療、CKD関連薬、骨評価、定期血液検査など複数の医療領域にまたがる。
市場・疫学の観点では、PHPTとSHPTを別々に考えることが極めて重要である。
PHPTでは高齢化、閉経後女性人口、血清カルシウムスクリーニングが患者プールを押し上げる。
一方、SHPTではCKD患者数、CKD重症度、透析患者数、リン・ビタミンD管理などが患者数を左右する。
したがって、2026~2035年の副甲状腺機能亢進症市場全体の成長を単一要因で説明することはできない。
第一の将来変動要因は高齢化である。
PHPT発症率が50歳未満12~24/100,000から70~79歳95~196/100,000まで上昇するため、高齢人口増加は診断患者数を押し上げる可能性がある。
第二に、生化学的スクリーニングの普及がある。
第三に、閉経後女性の診断捕捉が進む可能性がある。
第四に、CKD患者数が増加すればSHPTの潜在患者プールも拡大する。
第五に、PTH・カルシウム検査へのアクセス改善によって、これまで診断されなかった軽症患者が新たに捕捉される可能性がある。
一方、PHPTでは早期診断と外科治療が進めば、重症骨・腎合併症を有する患者割合を低下させられる可能性がある。
SHPTでもCKD-MBD管理が改善すれば、高度なPTH上昇や三次性副甲状腺機能亢進症への進展を抑えられる可能性がある。
全体として本レポートは、副甲状腺機能亢進症を「PTH過剰分泌によってカルシウム・骨・腎・ミネラル代謝異常を生じる疾患群」と位置づけ、原発性、続発性、三次性という病態の異なる3分類を重視している。
PHPTは最も一般的な病型で、一般人口の約0.1~1%にみられ、年間発症率は地域により13~120/100,000と大きく変動する。女性、とくに閉経後女性に多く、スコットランドでは新規患者の72.3%が女性とされた。
年齢では50歳未満の発症率12~24/100,000に対し、70~79歳では95~196/100,000まで上昇し、高齢化が主要な患者数増加要因となる。
米国女性では48.3~50.4/100,000 person-yearsという発症率が示されるが、これは一般人口全体の有病率ではなく、女性を分母とした発症率であり、主としてPHPTの疫学を反映している可能性が高い。
一方、CKD関連SHPTでは、21研究・11万977人のメタ解析でpooled prevalence 49.5%とされるが、これはCKD患者内の割合である。一般人口におけるPHPT 0.1~1%とは分母が異なり、直接比較・合算してはいけない。また、95%信頼区間30.20~68.18%と幅が広く、CKDステージや診断基準の異質性を考慮する必要がある。
治療では、PHPTは副甲状腺摘出術が中心で、多くの場合根治が期待される。一方、SHPT・三次性病態ではCKDやミネラル代謝異常の管理、ビタミンD、リン吸着薬、calcimimeticsなどを用い、必要に応じて外科的対応を検討する。病型によって治療戦略が大きく異なる点が重要である。
2026~2035年の疫学・市場動向を考えるうえでは、PHPTでは高齢化、閉経後女性人口、血清カルシウム・PTHスクリーニングの普及によって診断患者数が増える可能性があり、SHPTではCKD患者数とCKD重症化が主要な患者プール形成要因になる。
したがって、今後の副甲状腺機能亢進症管理における中心的課題は、「高PTH」という一つの検査異常として一括するのではなく、原発性・続発性・三次性を正確に鑑別し、PHPTでは無症候・軽症段階から骨・腎合併症リスクを評価し、SHPTではCKDステージとミネラル代謝異常を継続的に管理することである。2026~2035年は、真の発症率上昇だけでなく、スクリーニング拡大による診断患者増加、高齢化、CKD負担増大が疫学を大きく左右し、それぞれの病型に適した早期診断と治療へどこまで患者を結び付けられるかが、臨床・疫学・研究開発・市場の主要テーマになるとまとめられる。
※目次構成
- 序文
1.1 はじめに
1.2 調査の目的
1.3 調査方法および前提条件 - エグゼクティブサマリー
- 副甲状腺機能亢進症市場概要 ― 主要8市場
3.1 副甲状腺機能亢進症の過去の市場規模(2019~2025年)
3.2 副甲状腺機能亢進症の市場規模予測(2026~2035年) - 副甲状腺機能亢進症の疫学概要 ― 主要8市場
4.1 副甲状腺機能亢進症の疫学動向(2019~2025年)
4.2 副甲状腺機能亢進症の疫学予測(2026~2035年) - 疾患概要
5.1 徴候および症状
5.2 原因
5.3 リスク因子
5.4 ガイドラインおよび病期
5.5 病態生理
5.6 スクリーニングおよび診断
5.7 副甲状腺機能亢進症の病型 - 患者プロファイル
6.1 患者プロファイルの概要
6.2 患者心理および精神・感情面への影響因子 - 疫学動向および予測 ― 主要8市場(2019~2035年)
7.1 主な調査結果
7.2 前提条件およびその根拠
7.3 副甲状腺機能亢進症の診断済み有病患者数
7.4 副甲状腺機能亢進症の病型別患者数
7.5 副甲状腺機能亢進症の性別患者数
7.6 副甲状腺機能亢進症の年齢別患者数 - 疫学動向および予測:米国(2019~2035年)
8.1 米国における前提条件およびその根拠
8.2 米国における副甲状腺機能亢進症の診断済み有病患者数
8.3 米国における副甲状腺機能亢進症の病型別患者数
8.4 米国における副甲状腺機能亢進症の性別患者数
8.5 米国における副甲状腺機能亢進症の年齢別患者数 - 疫学動向および予測:英国(2019~2035年)
9.1 英国における前提条件およびその根拠
9.2 英国における副甲状腺機能亢進症の診断済み有病患者数
9.3 英国における副甲状腺機能亢進症の病型別患者数
9.4 英国における副甲状腺機能亢進症の性別患者数
9.5 英国における副甲状腺機能亢進症の年齢別患者数 - 疫学動向および予測:ドイツ(2019~2035年)
10.1 ドイツにおける前提条件およびその根拠
10.2 ドイツにおける副甲状腺機能亢進症の診断済み有病患者数
10.3 ドイツにおける副甲状腺機能亢進症の病型別患者数
10.4 ドイツにおける副甲状腺機能亢進症の性別患者数
10.5 ドイツにおける副甲状腺機能亢進症の年齢別患者数 - 疫学動向および予測:フランス(2019~2035年)
11.1 フランスにおける前提条件およびその根拠
11.2 フランスにおける副甲状腺機能亢進症の診断済み有病患者数
11.3 フランスにおける副甲状腺機能亢進症の病型別患者数
11.4 フランスにおける副甲状腺機能亢進症の性別患者数
11.5 フランスにおける副甲状腺機能亢進症の年齢別患者数 - 疫学動向および予測:イタリア(2019~2035年)
12.1 イタリアにおける前提条件およびその根拠
12.2 イタリアにおける副甲状腺機能亢進症の診断済み有病患者数
12.3 イタリアにおける副甲状腺機能亢進症の病型別患者数
12.4 イタリアにおける副甲状腺機能亢進症の性別患者数
12.5 イタリアにおける副甲状腺機能亢進症の年齢別患者数 - 疫学動向および予測:スペイン(2019~2035年)
13.1 スペインにおける前提条件およびその根拠
13.2 スペインにおける副甲状腺機能亢進症の診断済み有病患者数
13.3 スペインにおける副甲状腺機能亢進症の病型別患者数
13.4 スペインにおける副甲状腺機能亢進症の性別患者数
13.5 スペインにおける副甲状腺機能亢進症の年齢別患者数 - 疫学動向および予測:日本(2019~2035年)
14.1 日本における前提条件およびその根拠
14.2 日本における副甲状腺機能亢進症の診断済み有病患者数
14.3 日本における副甲状腺機能亢進症の病型別患者数
14.4 日本における副甲状腺機能亢進症の性別患者数
14.5 日本における副甲状腺機能亢進症の年齢別患者数 - 疫学動向および予測:インド(2019~2035年)
15.1 インドにおける前提条件およびその根拠
15.2 インドにおける副甲状腺機能亢進症の診断済み有病患者数
15.3 インドにおける副甲状腺機能亢進症の病型別患者数
15.4 インドにおける副甲状腺機能亢進症の性別患者数
15.5 インドにおける副甲状腺機能亢進症の年齢別患者数 - 患者ジャーニー
- 治療上の課題およびアンメットニーズ
- キーオピニオンリーダー(KOL)の見解
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