認知症になる前に備える「資産対策」 JDACが天理市の後援を受け、7月末から「終活セミナー」連続開催
一般社団法人日本認知症資産相談士協会(以下、JDAC/大阪市)は、奈良県天理市の後援を受け、2025年7月30日(水)から全6回にわたり「終活セミナー」を開催いたします。
高齢化が進む中、認知症により本人の意思確認が困難となり、預金の引き出しや不動産の売却などの手続きができなくなる「資産凍結」問題が全国で深刻化しています。医療・介護費の支払いが滞るケースや、家族間のトラブル、生活困窮に発展する例も少なくありません。
こうした課題に対し、JDACは、「認知症になる前からの資産の備え」の重要性を広く呼びかけています。
天理市での取り組みを皮切りに、今後は他地域でも同様の啓発を進め、誰もが安心して相談できる体制づくりを目指します。
イベントのブース出展で、認知症に備えた資産対策の相談に応じる認知症資産相談士
【第1回セミナー概要】
日時 :2025年7月30日(水) 13:00~15:00
会場 :天理市文化センター 4階視聴覚室(定員30名)
参加費:無料(事前予約制)
内容:
1部|認知症と資産管理の基礎知識(13:00~13:40)
認知症発症による資産凍結のリスクや、エンディングノートの活用について
講師:松塚 百合恵(行政書士・認知症資産相談士)
2部|認知症と空き家問題(13:50~14:30)
認知症により生じる空き家リスクと家族の備え
講師:大谷 論司(不動産鑑定士)、梅田 裕介(司法書士)
3部|個別相談会(事前予約制/先着5名・1人30分程度)
相談員:弁護士、不動産鑑定士、行政書士
※第2回以降は、「ライフプラン作成」「家族信託」「遺言」「地域との連携」「予防医療」など、毎回テーマを変えて開催予定。詳細は随時、JDACや天理市ホームページでお知らせします。
専門家向けにセミナーを行う白岩 健介代表理事
【「どこに相談すればいいか分からない」に応えるために】
これまでの認知症対策は医療・介護分野が中心でしたが、「資産が使えなくなること」への備えも生活課題の一つです。たとえ資産があっても、本人の判断力が低下すれば、金融機関や不動産の手続きは行えず、生活や介護費の支払いに支障をきたす恐れがあります。
しかし、こうした事前対策には、法務・税務・医療・金融など多分野の連携が不可欠で、自治体単独での対応には限界があります。実際、「どこに相談すればいいのかわからない」という声が全国からJDACに寄せられています。
【地域に根ざしたネットワークで「いつでも相談できる」体制を】
JDACでは、専門知識を有する「認知症資産相談士」を育成し、地域の医療・福祉・法律・金融機関などと連携したネットワーク構築を進めています。
今回の天理市での連続セミナーもその一環であり、誰もが安心して相談できる仕組みを地域に根づかせていくことを目指しています。
今後は以下のような取り組みを全国で展開していきます。
・市民向けセミナー・相談会の開催
・企業・団体向け講演会の実施
・専門職ネットワークとの連携による地域支援体制の整備
【「認知症資産相談士」とは】
「認知症資産相談士」は、JDACが認定する民間資格です。法務・税務・医療・福祉・保険などを横断的に学び、認知症に備えた資産管理の支援を行う専門家です。
ご本人やご家族の状況に応じて、
・家族信託
・任意後見
・遺言作成
・行政サポート紹介
・医療機関紹介
などを中立的な立場から提案し、相続・老後資金・介護・医療といった多様な不安に寄り添います。
現在、京都、北大阪、神戸、西兵庫、名古屋、横浜、福岡、南大阪、福知山、奈良、阪神、東京の全国12支部で相談・啓発活動を展開しています。
■代表・白岩 健介からのコメント
お金を“持っている”だけでは、老後の暮らしは守れません。判断力の低下は誰にでも起こり得るからこそ、「元気なうちに備える」ことが大切です。
今回の天理市での連続セミナーを皮切りに、地域に根ざした支援を全国に広げ、「認知症になる前の資産対策」があたり前になる社会の実現を目指してまいります。
〈代表プロフィール〉
小西法律事務所所属(大阪弁護士会)。企業法務、離婚事件、刑事事件など多様な案件を取り扱う。現在は民事信託や任意後見制度を活用した認知症・相続対策に力を入れる。
代表理事の白岩 健介弁護士