「保険金不正請求に関する意識調査」を13年ぶりに公表  ~ガムのポイ捨てよりも不正請求を軽視、若年層ほど傾向強い~

調査・報告
2025年6月20日 14:00
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一般社団法人 日本損害保険協会(会長:城田 宏明)では、本年4月に「保険金不正請求に関する意識調査」を実施しました。


本調査は、旧ビッグモーター社による保険金不正請求にかかる問題も踏まえ、保険金請求における一般消費者のモラル意識の現状を把握し、今後の対策の検討に向けた基礎データの整理を目的に実施したもので、2012年から13年ぶりの公表になります。


当協会では、調査結果も踏まえながら、損害保険業界での保険金不正請求対策および損害保険制度の社会的役割の周知・啓発をより一層推進していきます。



1. 調査結果(概要)

(1)保険金請求を含むモラルに関する行為の許容度 ~それくらいなら許せる?ガムのポイ捨てよりも軽い気持ち?~

・保険金不正請求に繋がる行為については、すべての項目で75%以上の人が「許されない」または「どちらかというと許されない」と回答する一方で、複数の項目で「ガム路上捨て」(6.2%)よりも許容される割合が高く、保険金不正請求が軽く捉えられている。

・また、いずれの調査項目も若年層(10~20代)ほど「許されない」の割合が低く、保険金不正請求が軽視される傾向が見られた。

・なお、2012年調査でもアンケート項目とした「飲酒事実隠匿」「運転手のすり替え」を比較したところ、いずれも「許されない」または「どちらかというと許されない」の回答割合が減少しており、経年比較の側面からも保険金不正請求は軽視される傾向にある。


(2)不正な保険金請求で許容できる金額 ~保険金不正請求は少額であっても許さない!~

・「全く許容できない(0円)」が80%を占め、2012年調査よりも割合が増加しており、金額面では不正請求を許さない姿勢が強い。


(3)不正な保険金請求の被害者 ~保険会社だけが保険金不正請求の被害者ではない?~

・「保険会社」が67.0%で最多。一方、「保険会社の契約者」は43.6%、「被害者がいない」も10%以上おり、保険金不正請求が保険料に影響することが十分に認知されていない。


(4)不正な保険金請求の通報先 ~保険金不正請求は見かけても知らないふり?~

・「警察」が最多で「保険会社」「官公庁」「損保協会」と続いている。一方、「通報しない」「通報先が分からない」でそれぞれ約10%の回答があり、保険金不正請求を見かけても見ぬふりや見逃されるケースもある。


(5)損害保険業界の取組みの認知度 ~保険会社や損保業界は保険金不正請求対策をしていない?~

・「損害保険会社や損保協会が保険金詐欺対策をしていることをまったく知らなかった」と回答した人が約60%となった。


調査結果の詳細については、以下リンクからご覧ください。

【URL】 https://www.sonpo.or.jp/news/release/2025/pdf/20250620_01.pdf



2. 調査の実施概要

調査期間  :2025年4月25日~26日

調査対象  :全国の16歳~69歳の男女(有効回答3150サンプル)

       ※人口構成比率に合わせて回収。

調査方法  :インターネットリサーチ

主な調査項目:保険金請求を含むモラルに関する行為の許容度、

       不正な保険金請求で許容できる金額、

       不正な保険金請求の被害者、

       不正な保険金請求の通報先、

       保険業界の取組みの認知度



【ご参考】

日本損害保険協会での保険金不正請求対策への取組み例


●保険金不正請求ホットライン(保険金不正請求通報制度)

保険金不正請求にかかる情報を受け付ける通報窓口を設置し、通報された情報を損害保険会社と共有することにより不正請求対策に役立てています。

なお、当協会および参加保険会社において、通報があったことを不正行為者にお伝えすることはありません。


〇インターネット受付

URL   : https://www.fuseiseikyu-hl.jp/

受付時間: 24時間365日


〇電話受付

受付番号:0120-271-824(不正は通報)

受付時間:月曜日から金曜日(祝日・損保協会の休業日を除く)

     9:00~12:00、13:00~17:00


二次元バーコード

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●保険金請求歴および不正請求防止に関する情報交換制度

保険金等の請求歴並びに請求・支払いに係る不正請求および不正の疑いのある事案について、損害保険会社等の間で情報交換を実施することにより、公平・公正な損害額算定および適正な保険金等の支払いを行うことを目的とする制度です。


●警察庁および地域の警察との連携

地域の警察と損害保険各社で構成する「損害保険防犯対策協議会」を全国に設置し、損害保険を悪用した犯罪の排除に必要な情報交換、警察への捜査協力等を行っています。

また、警察からの捜査照会等にスムーズに対応するため、定期的に連絡会を開催し、保険犯罪防止に関する意見交換を行っています。


警察庁の後援を得て作成したポスター

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