食文化を通してガザを語る話題の書、待望の日本語版6/3発売 『ガザ・キッチン パレスチナ料理をめぐる旅』

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2025年6月3日 10:20
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株式会社オレンジページ(東京都港区)は、ガザの美しい料理とレシピの数々、ガザの人々の暮らしや思いが丹念な取材で綴られた『ガザ・キッチン パレスチナ料理をめぐる旅』を6月3日(火)に発売しました。ライラー・エル=ハッダードとマギー・シュミットによる現代を代表する本として、世界的に評価の高い『The Gaza Kitchen』初の日本語版です。
(翻訳監修/藤井光、監修/岡真理)

『ガザ・キッチン パレスチナ料理をめぐる旅』(帯あり)
『ガザ・キッチン パレスチナ料理をめぐる旅』(帯あり)

家庭料理に秘められたガザのいくつもの物語。

ガザの料理人、農家、商人たちの仕事ぶりを切り取った美しい写真と、ガザの人々の料理とレシピ、伝統、家族についてがわかる本書。アメリカで2012年と2016年に発行された旧版は、『エコノミスト』誌発行の『1843』や、『ニューヨーク・タイムズ』誌発行の『T』など多数のメディアで紹介され、パレスチナ料理の本の草分け的存在として世界中で愛読されています。今回翻訳された第三版には、新たなレシピと2019年にライラー・エル=ハッダードが国連の世界食糧計画の代表団の一員とともにガザに戻った際の最新情報も収録。だれにでも身近な「食」を入り口に、ガザで起きていることと自身を結びつけるきっかけとなる、現代の必読書です。

ジブディーイトゥ・ホダール(四旬節の野菜煮込み)
ジブディーイトゥ・ホダール(四旬節の野菜煮込み)
ゼイトゥーン・キッチンの女性たち
ゼイトゥーン・キッチンの女性たち
アリア・ウ・アダス(かぼちゃとレンズ豆のシチュー)
アリア・ウ・アダス(かぼちゃとレンズ豆のシチュー)
ガザにおける漁業規制
ガザにおける漁業規制

人間にとって食とは、故郷であり、歴史であり、抵抗である

「民族浄化で故郷を放逐された難民が、それぞれの郷土料理を作り続けたガザは、パレスチナの記憶の場だ。占領下で、封鎖下で、生きる糧をめぐり織りなされてきた営みの数々は、抵抗の歴史を紡ぐ。食文化を通してガザを語る本書は、小説とは別の形で、パレスチナ人とパレスチナという土地の絆を描き出した、ひとつの証言文学である」
(現代アラブ文学/パレスチナ問題研究者 岡真理) ※本書帯より

■『ガザ・キッチン』への賛辞

ガザ料理の本だって? 平凡な料理しか出てこないだろうと思った料理人がいてもおかしくない。蓋を開けてみれば、その逆だ。この驚くべき本は、美味であると同時に心躍る料理の数々を見せてくれるのだから─基本となるスパイスの効いた肉のだし汁やタヒーナソースから、食事の最後を飾るバターや柑橘やナッツを使った甘美なお菓子まで。それは、魅力的な味と、たっぷりの量を誇る料理であり、料理人から料理人へ世代を超えて受け継がれてきた伝統料理なのだ。
─ナンシー・ハーモン・ジェンキンス(作家・旅人・食の権威・歴史家)

(前略)もし、ここにある料理をひとつも作らなかったとしても─その場合は最高の味をみすみす逃すことになるのだが─この素晴らしい本を読むなかで、あなたの味覚は研ぎ澄まされるだろう。文化人類学、歴史、政治、伝記、地理といった側面をあわせ持ち、常に情熱的な知性に貫かれた、極上の料理本だといっていい。
─ラジ・パテル(著書に『肥満と飢餓─世界フード・ビジネスの不幸のシステム』など)

【目次】

はじめに/基本の食材 スパイス、だし汁など/サラダ/スープ、ディップ、スプレッド/パン、ビスケット、セイボリーパイ/小皿料理 卵料理・メッゼ/シチュー・スープ 豆と穀物と野菜/野菜の煮込み料理/米料理、野菜の詰めもの料理/肉料理、特別な日のための料理/シーフード/お菓子と飲みもの/ピクルスと保存食/Index/謝辞/参考情報・著者紹介

【美しい料理とレシピの数々、ガザを伝えるエッセイの一例】

サラタ・ハドラー・マフルーマ(刻み野菜のグリーンサラダ):彩り豊かで辛みのあるこのサラダは、米を使った料理とともに食べることが多い。刻み野菜の細かさを見れば、作り手の努力が伝わってくる。

サラタ・ハドラー・マフルーマ(刻み野菜のグリーンサラダ)
サラタ・ハドラー・マフルーマ(刻み野菜のグリーンサラダ)

肉料理:お祝いとなれば、たいていは豪華な、肉を主役にした料理が必要なときもある。写真のディジャージュ・マシュウィー・アラル・ファヘム(チキンの炭焼き)をはじめ、特別な日のための昔ながらの料理から、ローストチキンやケバーブなど、道端の露店で売られている肉料理も本書に掲載。

ディジャージュ・マシュウィー・アラル・ファヘム(チキンの炭焼き)
ディジャージュ・マシュウィー・アラル・ファヘム(チキンの炭焼き)

電力:停電は、頻度や長さにばらつきはあれど、ここ数年でガザの日常の一部となった。燃料供給は、パレスチナ内でも、エジプトやイスラエルとの間でも、熱い政治論争の的となっている。 

電力
電力

■書誌情報

『ガザ・キッチン パレスチナ料理をめぐる旅』
2025年6月3日(火)発売
定価4,950円(税込) 
A4変形版、アジロ綴じ、388ページ
https://www.orangepage.net/books/1929
※本書は2016年にアメリカで出版された『The Gaza Kitchen: A Palestinian Culinary Journey』の第三版(2021年刊)の日本語翻訳版です。翻訳に際し、一部表現を変更している箇所があります。

『ガザ・キッチン パレスチナ料理をめぐる旅』
『ガザ・キッチン パレスチナ料理をめぐる旅』

■著者

Laila and Maggie
Laila and Maggie

ライラー・エル゠ハッダード(写真左)
受賞歴のある作家・講演家・社会活動家。共編著に『ガザの声は消せない』(Gaza Unsilenced、共編者はリフアト・アルアライール、2015年)、著書に『ガザのママ─パレスチナと、政治と、育児と、その間にあるすべて』(Gaza Mom: Palestine, Politics,Parenting, and Everything in Between、2010年)がある。ガザ出身の両親のもと、クウェートで生まれた彼女は、現在は夫と子どもたちとともに、アメリカ合衆国のメリーランド州に暮らしている。

マギー・シュミット(写真右)
作家・研究者・翻訳者・教育者・社会活動家。ハーバード大学を卒業後、マドリード自治大学大学院で学んでいる。地中海地域の政治的・社会的現実を理解するため、さまざまなメディアで活動し、一般市民の日常の営みを理解することを目指している。


■翻訳監修/藤井 光
1980年大阪生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科准教授。訳書にサルバドール・プラセンシア『紙の民』、アンソニー・ドーア『すべての見えない光』、モーシン・ハミッド『西への出口』、コルソン・ホワイトヘッド『ニッケル・ボーイズ』、アルフィアン・サアット『マレー素描集』、C・パム・ジャン『その丘が黄金ならば』、ジーナ・アポストル『反乱者』、リフアト・アルアライール編『物語ることの反撃 パレスチナ・ガザ作品集』など。
共訳/萩野聡子(東京大学大学院人文社会系研究科)、島田楓(東京大学大学院新領域創成科学研究科)、玉田小雪(京都大学総合人間学部)

■監修/岡 真理
1960年生まれ。早稲田大学文学学術院教授。専門は現代アラブ文学、パレスチナ問題。主な著書に『ガザとは何か』『記憶/物語』『彼女の「正しい」名前とは何か』『棗椰子の木陰で』『アラブ、祈りとしての文学』『ガザに地下鉄が走る日』。


<このリリースに関するお問い合わせ先>
〒108-0073 東京都港区三田1-4-28 三田国際ビル16F
株式会社オレンジページ
総務企画部 広報担当:遠藤 press@orangepage.co.jp 

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ゼイトゥーン・キッチンの女性たち
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ガザにおける漁業規制
サラタ・ハドラー・マフルーマ(刻み野菜のグリーンサラダ)
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