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室内飼育しているペットのためのマットなど 布製品には“菌”が付着している! ― ペットまわりの布製品の衛生状態に関する実態調査 ―

ライオン商事株式会社(代表取締役社長・榊原 健郎)は、この度、東京農工大学農学部獣医学科 林谷 秀樹准教授と共同で、室内飼育しているペットのためのマットをはじめとするペットまわりの布製品の衛生状態について調査した結果、これらの布製品には飼育環境により多くの菌が付着していること、さらに、感染症の原因となる病原菌も検出されることを確認しました。
本調査に関連する内容を、「日本獣医内科学アカデミー 第10回記念学術大会(2014年2月7日~9日 パシフィコ横浜)」で発表する予定です。

<研究の背景>
近年、ペットを家族の一員として室内飼育するペットオーナーが増えており、犬オーナーの78.5%、猫オーナーの85.5%が主に室内で飼育しています(2013年 社団法人ペットフード協会調査)。
室内飼育ではオーナーとペットのスキンシップの機会が多く、ペットを介して汚れや菌に接触することが懸念されます。さらに、室内飼育をしているオーナーは、ペットの寝床にタオルやペット用マットを敷いたり、専用の毛布やクッションを使用しています。これらの布製品は、飼育環境によっては洗濯せずに長く使い続けられることもあることから、細菌や真菌(カビ)などさまざまな菌の温床になる可能性が懸念されます。
これまで、ペットまわりの布製品の衛生実態について詳しく調べた研究事例がないため、室内飼育している犬猫用の布製品の衛生状態について実態調査を行いました。


<研究結果の概要>
1.ペットまわりの布製品の衛生状態について
(1)通常の生活環境レベルを著しく上回る一般細菌や真菌(カビ)を検出
本調査は、一般家庭を対象に室内飼育している犬にタオル(綿100%の無撚糸フェイスタオル、34×80cm:110g)を、猫に保温性マット(ポリエステル100%、48×60cm:130g)を配布して普段ペットが常駐している場所に敷き、2週間および4週間使用した後に回収して菌数を測定しました。その結果、ペットの腹部や四肢との接触時間が長い箇所のサンプルほど、ペットを飼っていない生活環境レベルを上回る菌数が検出される傾向があることがわかりました。その差は、サンプルによっては100倍から1,000倍もの菌数*1が検出されたものもありました。

*1 室内で4週間使用した場合
細菌:10^8~10^9個/100cm2、真菌(カビ):10^5~10^6個/100cm2

(2)飼育条件によって、感染症やアレルギーの原因となる菌を検出
サンプルの中には、ペットからヒトへの感染症の原因となるパスツレラ菌や大腸菌が検出されました。また、アレルギーの原因となる真菌(カビ)も検出されました*2。パスツレラ菌は引っかき傷などの傷口からヒトに感染した場合に、患部が著しく腫張して化膿したり、肺炎を起こすこともある菌であることが知られています。パスツレラ菌は、犬や猫の口腔内に常在する病原菌の1種であり、また、大腸菌はペットの糞便に含まれることから、ペットの唾液などが付着した布製品は定期的に、糞便が付着した布製品は速やかに洗濯し、常に清潔にしておくことがヒトとペットが室内で共生していくためには重要です。

*2 室内で4週間使用した場合のサンプルにおける菌の検出状況(2013年11月11日~12月9日)

・犬のタオル(19サンプル)
大腸菌   :6
パスツレラ菌:3
真菌(カビ) :12

・猫のマット(7サンプル)
大腸菌   :2
パスツレラ菌:4
真菌(カビ) :5


2.洗濯することによって感染リスクを大幅に軽減
多くの菌数が検出されたペット用のマットを洗剤で洗濯した結果、洗浄前と比較して洗浄後の菌数が1/100から1/1,000までに大きく減少することが確認されました。ペットまわりの布製品を洗濯することは、感染症のリスク軽減という公衆衛生学的な観点から重要といえます。


<ペットオーナーへの情報発信>
以上、ペットまわりの布製品は、唾液が付きやすいタオルや、糞便が付着しやすいマットなどを長期間洗濯しないで使用するなど、飼育条件によっては細菌・真菌が多く、病原菌の温床になることが確認されました。特に免疫力の弱い乳幼児や高齢者がいる家庭では、菌が多く付着した布製品から、菌がヒトに日和見感染するリスクが懸念されるため、飼育環境を衛生的に保つことが重要です。
当社は、ペットオーナーに対し、ペットまわりの布製品は小まめに洗濯して、清潔な状態を保つことが重要であることを情報発信し、健康で快適なペットライフをサポートしてまいります。
なお、本研究に関する内容の一部を以下の学会で発表予定です。


「日本獣医内科学アカデミー 第10回記念学術大会」発表概要
◎ 発表日:2014年2月8日(土)
◎ 会場 :パシフィコ横浜
◎ 演題 :イヌ・ネコの飼育環境に関する衛生学的研究
◎ 発表者:林谷 秀樹 1)、太田 茉里 1)、佐藤 よもぎ 1)、新川 洋平 1)、
      堀江 真悠 1)、磯田 由美 2)、森田 宏 2)、中村 恒彰 2)、
      浜川 弘茂 2)、
     1) 東京農工大学農学部獣医学科、2) ライオン商事株式会社


<消費者の方>ライオン商事株式会社 0120-556-581

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