サービスとしてのソフトウェア（SaaS）の世界市場
株式会社グローバルインフォメーション（所在地：神奈川県川崎市、代表者：樋口 荘祐、証券コード：東証スタンダード 4171）は、市場調査レポート「サービスとしてのソフトウェア（SaaS）の世界市場」（Global Industry Analysts, Inc.）の販売を11月20日より開始しました。グローバルインフォメーションはMarket Glass, Inc., Formerly Global Industry Analysts, Inc.（グローバルインダストリーアナリスト）の日本における正規代理店です。
サービスとしてのソフトウェア（SaaS）の世界市場、2030年までに4,155億米ドルに到達へ
2024年に1,545億米ドルと推定されたサービスとしてのソフトウェア（SaaS）の世界市場は、2030年には4,155億米ドルに達し、分析期間2024-2030年のCAGRは17.9％で成長すると予測されます。本レポートで分析したセグメントの1つであるパブリッククラウドは、CAGR18.0％を記録し、分析期間終了時には1,662億米ドルに達すると予測されます。プライベートクラウドセグメントの成長率は、分析期間でCAGR 15.4％と推定されます。
米国市場は445億米ドル、中国はCAGR17.4％で成長すると予測
米国のサービスとしてのソフトウェア（SaaS）市場は、2024年に445億米ドルと推定されます。世界第2位の経済大国である中国は、2030年までに647億米ドルの市場規模に達すると予測され、分析期間2024-2030年のCAGRは17.4%です。その他の注目すべき地域別市場としては、日本とカナダがあり、分析期間中のCAGRはそれぞれ15.7%と14.8%と予測されています。欧州では、ドイツがCAGR約12.3%で成長すると予測されています。
世界のSaaS市場成長の原動力は？
世界のサービスとしてのソフトウェア（SaaS）市場の成長は、クラウド技術への投資の増加、AIや機械学習アプリケーションの普及、顧客中心のビジネスモデルの重視の高まりなど、いくつかの要因によって牽引されています。主な成長要因の1つは、企業やクラウドサービスプロバイダーによるクラウド技術への投資の増加です。クラウドコンピューティングがデジタルトランスフォーメーションの基幹となるにつれ、企業はIT能力を強化しイノベーションをサポートするため、クラウドベースのインフラやアプリケーションに多額の投資を行っています。アマゾン・ウェブ・サービス（AWS）、マイクロソフト・アジュール、グーグル・クラウドなどのクラウド・サービス・プロバイダーは、SaaSの提供やインフラ機能を拡大し、企業がSaaSソリューションを採用し、拡張することを容易にしています。このような投資は、SaaSベンダーのための強固なエコシステムを構築し、進化するビジネスニーズに対応する新しい機能豊富なアプリケーションの開発を促進しています。クラウドインフラとプラットフォームの利用可能性が高まることで、SaaSベンダーはより安全で信頼性の高い、高性能なソリューションを提供できるようになり、市場の成長をさらに後押ししています。
市場成長のもう一つの大きな促進要因は、SaaSソリューションにおけるAIと機械学習アプリケーションの普及です。AIと機械学習は、高度なデータ分析、予測モデリング、プロセス自動化機能を提供することで、SaaSアプリケーションの機能を強化しています。AIを活用したSaaSソリューションは、膨大な量のデータを分析して洞察を明らかにし、ルーチン・タスクを自動化し、ユーザー体験をパーソナライズすることができます。例えば、AIを活用したCRMシステムは、顧客の行動を予測し、販売戦略を最適化し、パーソナライズされた推奨を提供することができます。同様に、AIを活用したマーケティング・プラットフォームは、キャンペーン管理の自動化、オーディエンスのセグメント化、コンテンツ配信の最適化を可能にします。AIと機械学習の統合は、SaaSソリューションをよりインテリジェントで価値のあるものにし、マーケティング、ファイナンス、ヘルスケアなどの業界全体への導入を促進しています。SaaSにおけるAIの利用拡大は、ビジネス成果を向上させるだけでなく、SaaSベンダーが提供するサービスを差別化し、市場シェアを拡大する新たな機会を生み出しています。
さらに、顧客中心のビジネスモデルを重視する傾向が強まっていることも、SaaS市場の成長を支えています。企業が顧客中心の戦略にシフトするにつれ、組織の顧客理解、顧客関与、顧客維持をより効果的に支援するSaaSソリューションに対する需要が高まっています。顧客関係管理（CRM）、マーケティング・オートメーション、カスタマー・サポート・プラットフォームなどのSaaSアプリケーションは、顧客体験の向上と長期的な関係構築を目指す企業にとって不可欠なツールになりつつあります。SaaSソリューションは、リアルタイムのインサイトを提供し、顧客とのやり取りを自動化し、オムニチャネル・エンゲージメントをサポートできるため、小売業、接客業、金融サービス業など、顧客中心の業界で採用が進んでいます。さらに、SaaSのサブスクリプション・ベースの価格モデルは、コストの柔軟性と予測可能性を高め、価値と拡張性を提供するという顧客中心主義に合致しています。あらゆるタッチポイントでパーソナライズされたシームレスなエクスペリエンスを提供しようとする組織では、こうした顧客中心主義の重視がSaaSソリューションへの継続的な投資を促進すると予想されます。
さらに、中小企業（SME）によるSaaSソリューション採用の増加が、市場の成長に影響を与えています。中小企業は、ITインフラに多額の設備投資をすることなく、高度なソフトウェア機能を利用できるSaaSソリューションを採用しています。SaaSアプリケーションは、CRM、ERP、ビジネスインテリジェンスといったエンタープライズグレードの機能を手頃なコストで提供できるため、大企業との競争を目指す中小企業にとって魅力的な選択肢となっています。また、新興市場におけるインターネット接続とクラウドサービスの普及率の上昇も、アジア太平洋やラテンアメリカなどの地域における中小企業によるSaaSソリューションの採用を後押ししています。こうした要因が引き続き世界のソフトウェア市場を形成する中、SaaS市場は、クラウド技術への投資の増加、AIや機械学習の進歩、業種や地域を問わず顧客中心のソリューションに対する需要の高まりに牽引され、力強い成長を遂げると予想されます。
目次
第1章 調査手法
第2章 エグゼクティブサマリー
第3章 市場分析
第4章 競合
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