山岳トンネル仮設備遠隔管理システム「T-ds(ティーダス)」...

山岳トンネル仮設備遠隔管理システム 「T-ds(ティーダス)」「C-ds(シーダス)」を開発

- ICT活用により工事の省力化・省人化を実現 -

安藤ハザマ(本社:東京都港区、社長:国谷 一彦)は、ICTにより山岳トンネル工事の生産性を大幅に高める取り組みとして「山岳トンネル統合型掘削管理システム(i-NATM(R))」の開発を推進しています。この一環として、山岳トンネル工事で用いる仮設備の遠隔管理システム「DXシリーズ」の、濁水処理プラント遠隔管理システム「T-ds(ティーダス)(注1)」および吹付プラント遠隔管理システム「C-ds(シーダス)(注2)」を、株式会社カナモト(本社:北海道札幌市、代表取締役社長:金本 哲男)と共同で開発しました。

クラウドを利用したデータの一元管理と、仮設備の自動化と遠隔管理により、プラント作業・プラント管理の省人化・省力化を実現しました。


詳細: https://www.ad-hzm.co.jp/info/2024/20240412.php



図1:山岳トンネル仮設備遠隔管理システム


1. 開発の背景

山岳トンネル工事では、多くの仮設備が配置されます。

濁水処理プラントでは、工事により発生する濁水を清浄化して排水します。清浄化された排水は、状況に応じて工事で再利用することもできます。周辺環境への影響を抑制する環境管理の中で重要な役割を担っています。

吹付プラントでは、トンネル工事に用いる吹付コンクリートの製造を行いますが、工事を円滑に進めるために、昼夜問わず稼働する必要があります。また、吹付コンクリートの品質が、トンネルの品質に大きな影響を与えるため、非常に重要な設備です。

これらの仮設備を安定的に運転するために、専任の作業員が配置されますが、トンネルの掘削作業に合わせて材料搬入やコンクリートの出荷を行う必要があるため、作業のタイミングが一定とならず待機時間が多いなど、作業効率に課題がありました。また、職員は運転データをとりまとめ、品質管理を行う必要があり、多くの手間と時間がかかるといった課題もありました。



2. システムの特長

(1)濁水処理プラント遠隔管理システム「T-ds」

● 水質(pH・濁度)や薬品量(添加量・残量)を遠隔にてリアルタイムで確認することができ、管理者は状況に応じて効率的に対処することが可能です(遠隔監視機能)。

● 薬品の添加量を、原水(濁水)性状に応じて適切に自動調整します。調整不良による濁水流出のリスクを低減するとともに、無駄な薬品使用を抑えることができます(薬品の自動調整機能)。

● 日報や月報等の帳票類を自動作成し、帳票作成の手間を軽減します(帳票作成支援機能)。

● 水質異常や設備異常、薬品残量不足などの各種トラブルをメールで管理者に発信し、設備管理を支援します(アラート通知機能)。


図2:濁水処理プラント遠隔管理システム「T-ds」


(2)吹付プラント遠隔管理システム「C-ds」

● 材料の使用状況、配合設定等を遠隔にてリアルタイムで確認することができ、管理者は状況に応じて効率的に対処することが可能です(遠隔監視機能)。

● 材料管理帳票や動荷重試験帳簿の帳票作成作業について、吹付プラントの計量データから必要データを自動反映することで、管理者の手間を軽減します(帳票作成支援機能)。

● 材料温度測定器や自動スランプ推定装置から得られるデータを経時記録、グラフ表示を行うことができ、吹付コンクリートの品質向上に向けた物性の状態監視が可能になります(物性監視機能)。

● 吹付コンクリートの練り混ぜ作業を、プラント作業に従事する作業員が携帯するタブレットにより、遠隔操作できます。作業員はプラント運転室に拘束されず、さまざまな業務を並行して行うことができます(遠隔操作機能)。


図3:吹付プラント遠隔管理システム「C-ds」


3. 今後の展開

現在、岩手県で施工中の一般国道107号大石地区道路災害復旧(トンネル築造)工事にて試験運用を開始し、その性能効果を検証中です。今後はシステムの導入現場を増やすとともに、さらなるシステムの高度化を図り現場作業の省力化に貢献します。


写真1:タブレットにより操作室から離れた場所で運転操作

写真2:本社から仮設備稼働状況を確認


(注1)T-ds

Turbid water treatment facility -Digital Transformathion Control System

(注2)C-ds

Concrete Batcher Plant -Digital Transformation Control System

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