“世界初”米ぬか成分によるアルツハイマー型認知症治療の臨床試...

“世界初”米ぬか成分によるアルツハイマー型認知症治療の臨床試験  参加定員320名のうち40名の申込、残り280名

~アルツハイマー型認知症に対する、安心・安全な「医食同源」治療の効果検証~

東京歯科大学市川総合病院(千葉県市川市)では、“米ぬか成分によるアルツハイマー型認知症への治療効果”を確かめるため、臨床試験への参加を希望する65~85歳の軽度のアルツハイマー型認知症の方を募集しています。

現在、参加定員320名のうち40名のお申込みがあり、残り280名となっております。


研究の流れ


【ポイント】

●国民病ともいえる認知症、その中でも約6割を占めるアルツハイマー病の治療法は未だ確立されておらず、症状進行を薬で予防しているのが現状。また新たな新薬も開発されて話題になっているものの(疾患修飾薬)も、その効果は現状満足できるレベルにあるとは、まだ言えない。

●近年、アルツハイマー病は、“脳の糖尿病”とも称されるように、これまで信じられてきた病理とは異なる、栄養学的な見地からの理解も進み、新たな予防・治療アプローチが注目されてきている。

●特に、米ぬか成分による栄養療法が、アルツハイマー病に効果を持つ可能性が期待されている。

●動物実験では、既にアルツハイマー病の原因物質とされる「脳のアミロイドベータ蓄積が、米ぬか成分を食べることで5-7割減少」とも報告され、実地でも一部の認知症の方には草の根では広がりを見せつつある一方で、厳密な医学的検証試験は行われておらず、認知症患者での研究が待たれていた。

●本研究は、世界初の試みとして、米ぬか成分の治療効果の検証のため、ランダム化比較での臨床試験への参加協力を希望する65~85歳の軽度のアルツハイマー型認知症の方を320名募集する。

●米ぬか成分はサプリメントとして服用可能で、参加者には約1年間、3ヶ月に1回程度、通院していただく。

●この研究によって、米ぬか成分による認知症の予防・治療効果が証明され、安心・安全・安価で医学的根拠に基づいた『食の力』という治療選択の確立を目指す。



【研究の目的】

65歳以上の認知症の人の数は2025年には高齢者の約5人に1人である約700万人になると予測されています。国民病ともいえる認知症ですが、その中でも約6割を占めるアルツハイマー病の治療法は未だ確立されておらず、症状進行を薬で予防しているのが現状です。従来とは作用機序の異なる新たな治療薬(疾患修飾薬など)も必死に開発が進められていますが、その効果は限定的で、また費用対効果からもその使用に賛否が分かれるなど、未だ満足できるレベルにあるとは言えません。

近年、アルツハイマー病は、“脳の糖尿病”や“3型糖尿病”とも称され、脳の栄養学的な異常として、従来とは一線を画す、新たな病理の存在が示唆されています。その中でも、米ぬかに多く含まれているポリフェノールの一種である「フェルラ酸」による栄養療法は、脳のアンチエイジングともいうべき抗酸化作用、抗炎症作用、抗糖尿病作用が知られており、脳神経細胞の保護効果を通じて、アルツハイマー病の予防や進行を遅らせる可能性が期待されています。

既に、動物実験では、この米ぬか成分を摂取したマウスは、摂取しないマウスと比べ、アルツハイマー病の原因物質と考えられている脳内の「アミロイドベータ」が59%~73%減少したと報告されており、人間を対象とした研究でも、認知症予備軍であるグレーゾーンの軽度認知障害に対しての効果が証明されています。

一方で、この米ぬか成分が、認知症の患者そのものに本当に効果があるのかについては、信頼のおける臨床試験では証明されておらず、研究が待たれていました。


こうした背景を踏まえ、本研究では、世界初の試みとして米ぬか成分のアルツハイマー型認知症への治療効果を検証します。効果検証のため、臨床試験への参加を希望する65~85歳の軽度のアルツハイマー型認知症の患者さん320名を募集します。米ぬか成分は、サプリメントとして服用可能となっています。研究期間は約1年間で、参加者にはその間、初診および3ヶ月に1回程度(5回)の全6回、通院していただきます。そのうちの開始時・半年後・1年後には、1回1時間半程度の専門家による心理検査等で、丁寧に認知症の状態が評価されます。

また、アルツハイマー病の原因物質とされる「アミロイドベータ」の脳内の蓄積度合いを血液検査でも評価します。これは、自費で行うと数十万円かかることの多い高額な脳画像検査に匹敵する、高い診断精度(94.9%)が研究でも近年示唆されている血液検査で、臨床試験の参加者はこの血液検査が無料で受けられます。

本研究では、米ぬか成分による認知症の予防・治療効果が証明され、認知症の当事者やご家族に、薬以外の選択である安心・安全・安価な『食の力』による治療が、選択肢としてもたらされることを目指しています。


実は近年、最先端の医学研究では先進国での高齢者における認知症の発症確率が低下しているという事実はご存知でしょうか?例えば、米国では65歳以上の認知症発症確率は約10年前と比べて24%の減少が示され、その理由として食生活も含めた「生活習慣(病)の改善」が大きいと考えられ、世界最大の医療研究機関である米国国立衛生研究所(NIH)でも、認知症予防としてその改善を提唱しています。既に認知症への栄養学的なアプローチは、眉唾の民間療法などではなく、次世代の認知症治療開発における大きな希望の星とさえ言えるのです。

特に、米文化を伝統の中心に持つ私たち日本人は、世界で最も米の恩恵にあずかってきた国民と言っても過言ではありません。そんな米ぬかの成分に、アルツハイマー病に立ち向かう大きな力が秘められていることを証明するという試みは、瑞穂の国に生まれ育った私たち日本人こそが率先して行うべき研究であると確信すると共に、本研究を進めることで、「医食同源」によるアルツハイマー病の予防・治療の効果というエビデンスが示されることを、心より強く願っており、みなさまのご協力をぜひお待ちしております。


関心をお持ちいただけるようでしたら、下記、ウェブサイトをご覧ください。

URL: https://forms.gle/ZwpARmc9KmZVs1pU6



〇主任研究者(宗 未来)は、「アロマセラピーによる高齢者の認知機能改善」の効果証明などで、日本精神神経学会学術総会の優秀発表賞を、これまで3度にわたって受賞した精神科専門医です。

〇本研究は、認定臨床研究審査委員会の審査・承認を受けた後、東京歯科大学市川総合病院の病院長の許諾を得て、厚生労働大臣に研究に関する実施計画を提出した上で実施されています(臨床研究実施計画番号:jRCTs031220615)。



【臨床試験概要】

実施機関: 東京歯科大学市川総合病院

対象  : 抗認知症薬ドネペジル5mg1錠を内服している、

      65~85歳の軽度のアルツハイマー型認知症患者

      (軽度とは、自分一人で服を選んで着替えられ、

      自発的に入浴(シャワー)も可能な方)

      (その他の条件等は以下、URLをご参照ください)

募集  : 2023年4月1日から

試験期間: 48週(約1年間)

来院回数: 全6回(初回+3ヶ月に1回のペースで計5回来院)

方法  : ランダム比較試験(RCT)

      (被験食品群=米ぬか成分とドネペジル5mgの併用、

      プラセボ群=プラセボとドネペジル5mgの併用)

目標人数: 320名(被験食品群:160名 プラセボ群:160名)

URL   : https://forms.gle/ZwpARmc9KmZVs1pU6


*ランダム化比較試験(RCT):抽選で効果の期待される米ぬか成分のサプリメントか、プラセボかのいずれかのグループに振り分けられ、毎日摂取していただきます。研究期間中はどちらを摂取しているかは伏せられていますが、1年後にどちらのグループであったかは伝えられます。

この研究では、軽症のアルツハイマー型認知症に対して「標準的な薬物療法であるドネペジル塩酸塩5mg1錠の内服に加えて、米ぬか成分配合食品であるサプリメントを毎日服用(被験食品群)」、もしくは「標準的な薬物療法であるドネペジル塩酸塩5mg1錠に加えて、プラセボを毎日服用(プラセボ群)」のどちらかの群に割り付けられます。この研究に参加いただくことになりましたら、そのいずれかを48週間服用していただきます。

研究参加者は、初回・半年後・さらに1年後の計3回、認知機能の精密な評価のための神経心理検査やアルツハイマー型認知症の予後を予測することが知られている嗅覚検査などが実施されます。また、アルツハイマー病の原因物質と考えられている脳内アミロイドベータの蓄積具合を評価するための血液検査も研究開始の前後の2回、実施されます。



【申込方法】

研究の参加条件などの詳細を知りたい方は、下記のURLにアクセスしてください。二次元バーコードをスキャンしてもアクセスできます。

参加を希望される方は、概要をお読みいただいた上で、アンケートにお答えください(所要時間約5分)。内容を確認した後、事務局より連絡させていただきます。


URL: https://forms.gle/ZwpARmc9KmZVs1pU6


二次元バーコード


【その他】

●健康保険の取り扱いについて

この研究で用いる試験食品、研究のための血液検査(バイオマーカー)、研究に必要な検査等の費用負担はありません。ただし、併用薬であるドネペジルの薬剤費や通常診療の範疇としてなされる採血や心電図といった検査費用については、参加者の健康保険を用いて行われますので、自己負担となります。


●最近、物忘れの悪化は認めるが、「医療機関で認知症という診断・治療はまだ受けていない」という方

現在、通院治療のない方でも、物忘れが目立ってきて心配されている場合には、東京歯科大学市川総合病院の認知症外来で通常診療を受けていただき、条件に該当する場合はその延長で研究に参加いただくことができます(研究参加は、辞退しても不利益はありません)。お気軽にお問い合わせください。


●既に、他の医療機関で軽度のアルツハイマー型認知症と診断され、ドネペジル5mg1錠を内服中という方

現在、他院に通院中の方は、主治医からの許諾と、主治医からの診療情報提供書(紹介状)が必要になります。主治医とよくご相談の上で、お申込みいただけますと幸いです。

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