新千歳空港国際アニメーション映画祭

    TVアニメ「葬送のフリーレン」第二期が1月から放送開始!夏目真悟監督『ghost(仮題)』は2027年公開へ!:開催レポート|第12回新千歳空港国際アニメーション映画祭

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    2025年11月27日 09:30

    11月21日(金)から25日(火)までの5日間、新千歳空港ターミナルビルを舞台に開催した「第12回新千歳空港国際アニメーション映画祭」。11月22日に行われたトークプログラム「スタジオ特集:MADHOUSE」では、1972年の創立以来、繊細な演出と作画で、常にその時代を代表する挑戦的な作品を世に送り出してきたMADHOUSEの制作の裏側について、人気2作品の上映とトークプログラムを実施。2027年公開予定の夏目真悟監督『ghost(仮題)』についてもお話いただきました。

    第二期が1月から公開を発表!制作の現場から語られる『葬送のフリーレン』

    まず冒頭では、TVアニメ『葬送のフリーレン』の第10話を上映。フリーレンとアウラの闘いに決着がつく印象的なエピソードとして注目が集まった回です。
    上映後には、監督の斎藤圭一郎さん、演出の刈谷暢秀さん、プロデューサーの福士裕一郎さん、田口亜有理さんが登壇し、その制作の裏側を語りました。
    今回刈谷さんに演出を依頼することになった経緯について斎藤監督は「自分にとって重要なキーパーソンでもあった刈谷くんに重要なシーンのどこかを託したいという思いがあった」と話し、刈谷さんは「シリーズの中でもこのアウラ編は何話か続いていく特に盛り上がっていくエピソードだった」と振り返り、特にアウラが自ら首を切り落とすというシーンをどう工夫して見せられるか斎藤監督と刈谷さんで議論したことを明かしました。
    刈谷さんは、その作画についてキャラクターの動きを自ら傘を使って実演したり映像に残したりしながら進めたという制作の裏側に触れました。
    一方で、田口さんは「その残虐なシーンそのものよりもお話の表現や演出に着目してくれていて。お客さんを信じて良かったなと感じた瞬間だった」と第10話ならではのお話に、観客から熱心な視線が注がれました。

    左から監督の斎藤圭一郎さん、絵コンテ・演出の刈谷暢秀さん、プロデューサーの福士裕一郎さん、田口亜有理さん
    左から監督の斎藤圭一郎さん、絵コンテ・演出の刈谷暢秀さん、プロデューサーの福士裕一郎さん、田口亜有理さん

    本作品T Vアニメ『葬送のフリーレン』は、2026年1月からの第二期放送を発表し、新PVが解禁されたばかり。第二期では新たに北川監督が就任したことについて斎藤監督は「良い作品になるようにサポートしていく」体制と明かしました。「第二期の制作現場から、ご覧いただいたような美しいPVが生まれてきている。ぜひ期待して欲しい」と来場者に呼びかけました。

    『ACCA13区監察課 Regards』

    後半では、斎藤監督の初監督作『ACCA13区監察課 Regards』の上映と制作エピソードが紹介されました。もともと演出としての参加予定だった斎藤さんが、夏目真悟監督の推薦を受けて突然、監督を任されたという裏話に、会場には驚きの声が上がりました。福士さんはそれについて、「夏目監督が“彼なら現場を託せる”と言ってくれた。結果として、シリーズの世界観を正確に理解しつつも新しい解釈を加えてくれた」と話し、起用の背景を語りました。
    斎藤監督は制作を引き受けるにあたり、「まずは本編を勉強し直して、シリーズの空気感を大切にしながら、かっこいいACCAのキャラクターをしっかり魅力的に描くというのを念頭に置いた」と当時の心境を振り返りました。
    また、昨年逝去した声優・田中敦子さんへの追悼と感謝の言葉が語られました。斎藤監督は「どんなにキャリアがあっても謙虚で、作品に真摯に向き合ってくれる本当に素敵な方でした」と語り、現場での姿勢を振り返りました。福士裕一郎プロデューサーは、「モーヴやフランメは、作品の核となるキャラクターで。田中さんであったから、それ以上のものを演じていただけた」「田中さんが数々の作品を残してきたこと、お客さんに届けるということを今度は自分たちが引き継いでいかなければいけないと気が引き締まる思い」と話しました。その言葉には、長年ともに作品を作り上げてきたスタッフたちの敬意と、彼女が残した表現への感謝が込められていました。

    塩分濃度の高い、大きい海のような人...夏目真悟監督『ghost(仮題)』を語る

    T Vアニメ『ACCA13区監察課』の夏目真悟監督による初の長編オリジナルアニメーション『ghost(仮題)』が、2027年に公開を予定しています。キャラクター原案を『ACCA13区監察課』の原作者であるオノ・ナツメ先生が手がけ、MADHOUSEが制作を務めます。

    『ghost(仮題)』主人公 ニケ
    『ghost(仮題)』主人公 ニケ

    トーク終盤では『ghost(仮題)』のパイロット映像がこの場限りで初公開され、現在制作中の様子が語られました。田口さんは「主人公は「ニケ」という少女。信念を貫きながらも、弱さと強さを併せ持ち、不条理な世界に立ち向かう姿が描かれる」と作品について説明し、「主人公が他者との出会いを通して、変わるもの、変わらないものも見つめ直していく。観た人が“本物とは何か”を考えながら劇場を後にするような作品にしたい」、福士さんは「作品の理解や解像度が上がるたびに、なんて面白い作品なんだろうと個人的には思っている。自分が携わった中で最高の劇場アニメーション作品になるのでしっかりと取り組んでいく」と熱を持って語ります。

    また、斎藤監督は「夏目監督は尊敬する先輩であり、同時にライバルのような存在」と言い、「でも手伝ってと言われたら嬉しくなって」とこの作品に携わることについて気持ちを語り、「みんなでこの作品を素晴らしいものに仕上げようっていう気概やオーラを感じていただけたら嬉しい」と制作への熱量を感じさせました。
    刈谷さんは「夏目監督は塩分濃度の高い大きな海のような人で、そこで自由に泳がせてもらっています。」と独自の語り口で表現し、「夏目さんにしか作れない独自のバランスを持った作品になると思う」と期待を滲ませます。作品の詳細はまだ明かされていないものの、登壇者の言葉からは制作陣の情熱と挑戦心が伝わり、2027年の公開が待ち遠しくなるトークセッションとなりました。

    『ghost(仮題)』ティザー画像
    『ghost(仮題)』ティザー画像

    新千歳空港国際アニメーション映画祭

    国内外の話題作など招待作品の上映はもちろん、多様な未来につながるアニメーションの体験を提供する70以上のプログラムを展開します。ゲストと観客が密接に交流できる独自の場を活かし、アニメーションの意義を拡張するような新しい価値を生み出す「遊び場」として、エネルギーを持ち帰ることができる文化交流拠点の創造を目指しています。
    「第12回 新千歳空港国際アニメーション映画祭」
    開催日時:2025年11月21日(金)〜25日(火) 5日間
    場所:新千歳空港ターミナルビル(新千歳空港シアターほか)

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