“東京絶対”の前提からシフトチェンジ 都心で働くビジネスパー...

“東京絶対”の前提からシフトチェンジ  都心で働くビジネスパーソンが多拠点で理想の働き方を実践  丸の内朝大学「多拠点生活研究所」第一回シンポジウム開催

~住まいは稼ぎながら暮らす第三の場! プチ・デベロッパー気分が味わえる不動産新時代の仕組みとは?~

丸の内朝大学実行委員会(大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり3団体及び株式会社サンプラックスの計4団体で組成)は、これまでの働き方、暮らし方が大きく変化したアフターコロナ時代に、特に多拠点生活に興味を持つ丸の内のビジネスパーソンと地方自治体を繋ぎ、新しい地域創生の形を共に研究し実行する「多拠点生活研究所」を2022年9月に開所いたしました。6ヶ月の活動期間を一つの区切りに、これまでの研究内容を発表する第一回シンポジウムを2023年3月17日(金)に開催しました。シンポジウム当日は、大手航空会社やヘルスケアメーカー、地方創生に携わる企業など30名以上の観覧者が期待を膨らませ見守る中、第一弾研究員25名4チームの白熱した報告が行われました。


丸の内朝大学


丸の内朝大学(以下、朝大学)はこれまで、丸の内エリアを拠点に働くビジネスパーソンが苦痛だった「通勤時間」を解消するために、「朝」に焦点を充てた「学び」の場を提供してきました。通勤ラッシュを避け、朝の時間をリデザインし有意義に過ごすライフスタイルの提案は、当時“朝活”と謳われ、ポジティブなインパクトを社会に与えました。しかしアフターコロナ時代の今、働き方が変わり、ビジネスパーソンの苦痛が通勤からテレワークや自宅作業と、働く場所の悩みに転換。働き方に選択肢ができ、働き方の概念すら曖昧な“変わり目”の時期に、朝大学は一歩先に進んで、昨今増えつつある多拠点生活に着目し、新しい働き方・暮らし方を積極的に考える実験的な取り組みとして多拠点生活研究所を発足しました。チーム編成は、まずは昨今注目されている「関係人口」に関するチーム、そして多拠点の場所として近場か遠方か、遠方であれば山間部か海岸部か、この意見をベースにした全4チーム。研究員は実際に多拠点生活をしながら、多拠点を持つことの価値、ワークプレイスを変えることの効果検証など、それぞれのペースで6ヶ月間研究を行いました。

シンポジウムの各チームの発表では、データベースとなる関係人口アプリを作成し、地域と移住者をつなぐツールを開発したチームもあれば、“暮らし方”を真剣に考えた結果、一人一人理想が違うことがわかり解散発表になったチームも。海岸部・鎌倉の生活を堪能し、メリハリがついて重い会議が乗り越えられたと報告する研究員や、これを機に会社にワーケーション導入を申し立てた研究員など、各チームがリアルに多拠点生活と向き合った研究発表となりました。一方で、4チームが共通して課題にあげたのは、多拠点生活(活動)の持続性。「企画段階から参加したいけど、一から自分が実行するのは負担」「コミュニティを運営するのは大変、でもただホテルで多拠点生活を送るだけは味気ないので地域に貢献できる活動はしたい」など正直な意見が出ました。

その発表を踏まえて、第二部では、ゲストにVILLAGE INC. 橋村 和徳(はしむら かずのり)氏、株式会社エンジョイワークス 福田 和則(ふくだ かずのり)氏を迎え、多拠点生活研究所の創案者である企画プロデューサー古田 秘馬(ふるた ひま)を交えた三者鼎談をしました。多拠点生活を持続させるには、そのエリアの外と内にキーパーソンがいること、またスナックがある地域は交流がうまくいっているなど、色々な体験談が飛び交いました。また多拠点生活の大きな壁「費用問題」の解決案として、多拠点生活をするときにお金の心配がいらない、むしろお金が少し増える理想的な仕組みづくりを提案しました。それは住まいそのものを所有でも賃貸でもなく、稼ぎながら暮らす第三の場として活用すること。デベロッパーが開発する段階から自分たちも参加し、特定多数の仲間で少しずつ投資、建った家を自分たちで購入し、使わない時は誰かに貸すなど、お金の使い方の可能性を広げ、その場づくりの関わり方を変えるアイディアです。プチ・デベロッパー気分を味わえて、少しのリスクでできる“良いとこ取り”の仕組みづくりは、多拠点生活の可能性を広げてくれるかもしれません。


丸の内朝大学「多拠点生活研究所」シンポジウムの様子

丸の内朝大学「多拠点生活研究所」シンポジウムの様子

【二部】 VILLAGE INC. 橋村氏×エンジョイワークス 福田氏×古田 鼎談


<丸の内朝大学「多拠点生活研究所」シンポジウム」 概要>

日時 :2023年3月17日(金)19:00-21:00

場所 :3×3 Lab Future

    (〒100-0004 東京都千代田区大手町1-1-2 大手門タワー・ENEOSビル1階)

登壇者:企画プロデューサー 古田 秘馬(ふるた ひま)、

    多拠点生活研究所 第一弾研究員

    VILLAGE INC. 橋村 和徳(はしむら かずのり)氏、

    株式会社エンジョイワークス 福田 和則(ふくだ かずのり)氏



<研究内容の報告(全4チーム)>

【日帰りでのワーケーション事例】 気軽・お手軽ワーケーションチーム

■概要とゴール:

会社の制度や家庭などの制約を踏まえて、地域で長期というよりは都内や日帰りでできる多拠点生活を模索するチーム。特にワークプレイスとして、通常業務を行う環境においては“オフィスか自宅が最も適している”というチーム内の共通見解を持った上で、多拠点を持つ動機づけとなるような仕事+α(=創造性、リラックス、楽しさ、新たな体験や気づき、つながりなど)の価値の検証を行う。

■フィールドワーク場所:

スーパー銭湯、鳳明館 森川別館、清澄白河エリアなど

■活動内容

各自が近場でお気軽ワーケーションを実施。ワーケーション実施後、チーム内で設定した評価軸を元に点数をつける。

■活動報告

アクセス、電源、Wi-Fiなど場所の仕様やスペックは最低限必要。そこに感情・エモーショナルの“+αの価値体験”に注目し、+αの価値が仕事へ好影響を与える事が実証できた。インスピレーションの点数が高い場所は、既存業務の見直し、新規事業の企画など、新しい視点が必要な時には助けになり、非日常度の点数が高い場所は、多拠点ワークを始める動機となった。今後、多拠点ワークの実現に必要なことは、「在宅勤務不可」「在宅勤務は自宅のみ」「公衆Wi-Fi利用不可」といった規定の緩和、より安全性の高いインターネット環境の設備、そして多拠点ワークの良さや楽しさ、仕事への好影響についての理解や認知の拡大だと感じる。



【地域での役割や関係を重視するワーケーション事例】 関係人口ラボ チーム

■概要とゴール

誰もが多拠点/関係人口への第一歩を踏み出せる「特定多数」のコミュニティづくりをゴールに設定。推定2万人の朝大学のコミュニティを活用し、多拠点生活をトライしたい人と、全国のローカルプレイヤーを繋ぐ理想的なサイクルを提案。サイクルにおける4ステップごとの活動内容を発表。

■フィールドワーク場所:長野県南佐久穂郡佐久穂町、君津市清和地区

■活動内容

理想サイクルにおける4つのステップごとに活動を実施。

(1)つながる →地域2ヶ所でのフィールドワーク実施

(2)深める  →(1)で訪問した地域へ再訪

(3)増える  →データベースとして朝大学の「特定多数」なコミュニティを

        活用した朝大学版関係人口つながりアプリを作成

(4)知らせる →地域との活動やイベント情報がアプリ経由で

        朝大生に届くように設計予定。

        そのために、実際朝大生が多拠点に興味があるのか

        朝大のステークホルダーへヒアリング調査。

■活動結果:

地域によって関係人口に求める質の違いがあるためニーズの見極めが重要。つながる・深まるを実現するために、朝大学側にも企画担当キーマンが必要だと実感。朝大生の関係人口への興味関心は強めだが、コミュニティの全体運営をどう維持するべきかが課題。


関係人口ラボチーム_アプリ画像


【山間部でのワーケーション事例】 ほどほど山籠もりチーム

■概要とゴール

ほどほどの距離にある山で、ほどほどに田舎暮らしを味わいたいビジネスパーソンで構成されるチーム。山や自然を好み、田舎生活への憧れがある研究員が山間部での多拠点生活の実現性を深掘りした。

■フィールドワーク場所:長野県東御市の民泊宿

■活動内容

長野県の民泊宿に滞在し、ほどほどの山間部でほどほどの田舎生活を体験。

■活動結果

フィールドワークは楽しく終えたが、「生活」として考えた時に、実現したい理想的な多拠点生活が個人によって全く違い、チーム全員でどこかを拠点に継続的に活動する事は困難だと感じた。しかし、個々人が本当に実現したい「暮らし方」を考え、自分がどう生きたいか検討する良い時間になった。



【海岸部でのワーケーション事例】 鎌倉if(かまくらいふ)チーム

■概要とゴール

海辺の地域で多拠点生活を希望するビジネスパーソンのチーム。鎌倉で一軒家を借り、都心の自宅との二拠点生活を15日間にわたり実践。海岸部の環境がワーケーションにどのような効果を与えるか検証する。

■二拠点生活をしたことでのメリット

・ワーク・ライフバランスにメリハリがつき、仕事への集中力が高まった。

・ユニークなキャリアを持つ鎌倉の人々と出会い、自身の仕事にも繋がる相乗効果が生まれた。

■活動結果

大事なのはPERSON(人)で、何度も会いに来たくなるローカルの「キーマン」の存在があることが、多拠点生活を継続できる最も大きな理由だと感じた。そのキーマンの発掘あるいは自身がガイド役となって多拠点をより身近に感じる・感じてもらえる活動を行なっていきたい。それと同時に多拠点をする人が経済的に持続可能かという面も向き合っていく必要がある。



<多拠点生活研究所 主催>

丸の内朝大学実行委員会(計4団体で組成)

・一般社団法人大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会

・NPO 法人 大丸有エリアマネジメント協会(リガーレ)

・一般社団法人 大丸有環境共生型まちづくり推進協会(エコッツェリア協会)

・株式会社サンプラックス


【企画プロデューサー】 古田 秘馬(ふるた ひま)

株式会社umari代表。東京・丸の内「丸の内朝大学」などの数多くの地域プロデュース・企業ブランディングなどを手がける。農業実験レストラン「六本木農園」や和食を世界に繋げる「Peace Kitchenプロジェクト」など都市と地域、日本と海外を繋ぐ仕組みづくりを行う。現在は地域や社会的変革の起業に投資をしたり、レストランバスなどを手掛ける高速バスWILLER株式会社の取締役やクラウドファンディングサービスCAMPFIREの顧問などを兼任。


<丸の内朝大学とは>

大手町・丸の内・有楽町エリアをキャンパスとし、朝7時台から開講する市民大学として、2009年にスタート。『WORK LIFE 朝大学 -起こそう、可能性を。-』をスローガンに、延べ2万人以上のビジネスパーソンの朝をデザインし、社会課題の解決を目指した自主的なソーシャルプロジェクトへ発展してきました。終身雇用制が当たり前ではなくなり、都市か地方か、仕事か遊びかの垣根がなくなっている現代において、働き方や生き方を決めるのはじぶん自身です。朝大学では「朝」「学び」の要素だけではなく、朝大学生が持つ前向きなエネルギーから発展性のあるコミュニティを育むことで、社会や企業とつながる機会を増やし、じぶんの可能性が広がるきっかけを提供しています。


■ 丸の内朝大学 公式ホームページ https://asadaigaku.jp/

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