雲ノ平山荘アーティスト・イン・レジデンス・プログラム展覧会の...

雲ノ平山荘アーティスト・イン・レジデンス・プログラム 展覧会の第2弾  「Diffusion of Nature 2023 土と夢」を 東京・山梨北杜市にて開催

北アルプスの山小屋雲ノ平山荘は2023年4月22日(土)~7月10日(月)の会期で雲ノ平山荘アーティスト・イン・レジデンス・プログラム展覧会「Diffusion of Nature 2023 土と夢」を開催します。

雲ノ平山荘アーティスト・イン・レジデンス・プログラムは、かつて日本最後の秘境と呼ばれた雲ノ平におけるアーティストたちの表現活動を基点に、改めて社会と自然環境の調和に思いを馳せる試みとして2020年にスタートしました。

本展はプログラム参加アーティストの作品と制作過程を紹介するとともに、アーティストたちの表現を都市の環境下で再現することを通して、さまざまな視点を巻き込みながら「自然とは何か」という問いを深めることを企画した展覧会です。


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昨年に続き2回目の開催となる本年は、規模を拡大し、浅草・渋谷・山梨県北杜市の3会場・3会期で開催いたします。第1弾の浅草会場は 2023年4月22日(土)―5月7日(日) WATOWA GALLERY/THE BOX TOKYOで開催、第2弾の渋谷会場は2023年5月5日(金)―5月14日(日) elephant STUDIO(WATOWA GALLERY)で開催し、展覧会の集大成となる第3弾は山梨県北杜市のGASBON METABOLISMで2023年5月26日(金)―7月10日(月)に開催いたします。


各会場ではアーティストトークやゲストによるトークイベント、ライブパフォーマンス等のイベントを計画しています。最新情報は公式ホームページやSNSで随時発信していきます。



■開催概要

展覧会名:雲ノ平山荘アーティスト・イン・レジデンス・プログラム展覧会

     「Diffusion of Nature 2023 土と夢」

入場料 :¥500(book付き)

主催  :合同会社雲ノ平山荘

共催  :WATOWA GALLERY (WATOWA INC.)

     GAS AS INTERFACE Co., LTD.


浅草会場


【Vol.1 Asakusa_浅草】

東京浅草にある「WATOWA GALLERY / THE BOX TOKYO」では昨年の雲ノ平AIR参加アーティストたち(7組8名)による成果展が行われます。絵画、アニメーション、アンビエントミュージック、コンテンポラリーダンス、写真、バイオアートなど、多様な視点や媒体を通して捉え直された雲ノ平の自然環境が、都市空間に新しい芸術表現の生態系を描き出します。


会期: 2023年4月22日(土)~2023年5月7日(日)

時間: 12:00-19:00

会場: WATOWA GALLERY/THE BOX TOKYO

    〒111-0024 東京都台東区今戸1丁目2-10 3F

URL : https://watowagallery.com/the-box-tokyo/


<参加アーティスト>

Anais-karenin & Tatsuro Murakami/岩崎広大/小林茂太/敷地理/秦景子/原口みなみ/渡邉知樹

会場ではアーティストトーク及び各種イベントの開催を予定しています。詳細は追ってSNS、Webサイトなどで告知します。


渋谷会場


【Vol.2 Shibuya_渋谷】

渋谷区青山にあるアートスペース「elephant STUDIO」では、2021年までの雲ノ平AIR参加アーティストたちによるグループ展が開催されます。雲ノ平で過ごした時間を消化し、身体に刻み込まれた経験を源として、どのような創造が行われるのでしょうか。この展覧会を通じて、アーティストたちの記憶が呼び覚まされ、多様な自然表現として都市の中で蘇る様子をご覧ください。

また、会場1Fではアーティストトークなどの各種イベント開催、飲食の提供を行う他、歓談スペースや雲ノ平の映像(情報)コーナーなども設置します。


会期: 2023年5月5日(金)~2023年5月14日(日)

時間: 12:00-19:00

会場: elephant STUDIO(WATOWA GALLERY)

    〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-7-4

URL : https://elephant.tokyo/


<参加アーティスト>

加々見太地/斎藤帆奈/Shibi/渋田薫/Soar/大東忍/只野彩佳/渡邊慎二郎


北杜会場


【Vol.3 Hokuto_山梨北杜】

雄大な山岳景観を望む山梨県北杜市にある、巨大工場跡地を利用したアートスペース「GASBON METABOLISM」では、昨年の雲ノ平AIR参加アーティストと、過去の参加アーティストが一同に会し、展示を行います。AIRの成果展という枠をこえ、雲ノ平の自然環境を共有したアーティストたちの、乱反射する視点と、その表現をより大きな枠組みで捉え、「私たちにとって自然とは何か」を問う“ムーブメント”としての「Diffusion of Nature」の現在地を指し示します。


会期: 2023.5.26(金)-2023.7.10(月)

    営業日 金~月、休日 火・水・木

時間: 11:00-17:00

会場: GASBON METABOLISM

    〒408-0205 山梨県北杜市明野町浅尾新田12

URL : http://studio.gasbook.net/


<参加アーティスト>

Anais-karenin & Tatsuro Murakami/岩崎広大/加々見太地/小林茂太/斎藤帆奈/敷地理/Shibi/渋田薫/Soar/大東忍/只野彩佳/秦景子/原口みなみ/渡邊慎二郎/渡邉知樹

会場ではアーティストトーク及び各種イベントの開催を予定しています。詳細は追ってSNS、Webサイトなどで告知します。


【展覧会ウェブサイト】

https://kumonodaira.com/artist/exhibition_2023.html


【展覧会コンセプトムービー】

https://www.youtube.com/watch?v=GOO8hSHItX0


【2022年度 第1回開催のアーカイブページ】

https://kumonodaira.com/artist/exhibition_archive.html


【雲ノ平山荘ホームページ】

https://kumonodaira.com


【SNS】

Instagram: @kumonodairasanso

      https://www.instagram.com/kumonodairasanso/?hl=ja

Twitter : @kumonodairahut

      https://twitter.com/kumonodairahut?lang=ja


【お問い合わせ】

雲ノ平山荘事務所

MAIL: kumonodaira@kumonodaira.net

TEL : 046-876-6001



■ステートメント

「Diffusion of Nature 2023 土と夢」


昨年に引き続き、今年も雲ノ平山荘アーティスト・イン・レジデンス・プログラム(以下AIR)の成果展「Diffusion of Nature 2023 土と夢」を開催します。

昨年は2020年、2021年のAIR参加アーティスト13名によるexhibitionを東京にて開催し、多くの方々にご来場いただくことができました。

今年はさらに範囲を拡大し、WATOWA GALLERY (浅草、渋谷)ならびにGASBON METABOLISM (北杜市)のご協力のもと、東京都と山梨県の三つの会場で、22年度のAIR参加アーティストの成果展及び、過去参加アーティストによるグループ展を巡回形式で開催します。


展覧会のタイトルであるDiffusion of Natureは日本語に翻訳すると「自然」の乱反射。

本プロジェクトでは北アルプス最奥地の雲ノ平を旅するアーティストたちの多様な視点を通して「私たちにとって自然とは何か」という問いを掘り下げていきます。

古代における狩猟採集社会の「環境の克服」から始まり、産業革命を経て科学技術の破壊性の自覚から自然保護を訴えるようになった近代、デジタルシステムへの依存により環境(空間・場所性)を知覚するメディア(主体)としての身体性の希薄化が進む現代に至るまで、人間の歴史にはあらゆる「自然」の意味が潜んでいます。

恐れるべき敵であり、資源であり、生活を取り巻く環境であり、守るべき美であり、混沌とした現象そのものであり、生成と分解を促すメカニズムの集合体であり、取り戻すべき自我であり、破壊的な自分たち自身でもあるもの。環境危機や資源の枯渇が叫ばれる現代は、いわばそれらあらゆる自然の意味を経由した上でなお、足元の生活環境を破壊しなければ生活を維持できない文明世界の複雑な矛盾が突きつけられています。


また、私たちにとって、日本社会に固有の自然観は重要なテーマです。

日本は先史時代から自然豊かな島国として、アニミズム的な感性を持ちながら独自の文化や精神世界を形成してきました。しかし、自然が生活の資源であり制約でもあった時代を過ぎ、資源の外部依存化と殖産興業、自由経済に傾斜した近代以降、急激に環境への倫理観を喪失してきた社会の実像をどう見るべきでしょうか。

山小屋に身近な領域では、アウトドアブームとは裏腹な日本の国立公園の(放置された)危機的な保全体制の問題をはじめ、各地の破壊的な再生可能エネルギー政策、国土強靭化計画など、「自然」という価値への創造的な関与とはかけ離れた現実があります。

背景には、日本の自然環境が豊かであるが故に「あってあたりまえ」という意識が優越し、近代の重さに耐えうる、自然をめぐる芸術的、科学的、思想的、経済的な価値観の攪拌・気づきが起こらなかったことが長い影を落としています。生活レベルの自然資源への依存関係の解消と同時に、古来からの美意識や信仰なども迅速に後退し、自律的な価値判断のプロセスを伴わない自由経済や工業化への短期的な過剰適応とも言うべき社会性を追求した歴史的精神構造は、アニミズム美化の限界を示しているとも言えます。


私たちは自然に何を見出そうとしているのでしょうか。

「自然」というテーマはあらゆる価値観や土地、時代の交差点のように私たちの前に横たわっています。

本展では北アルプスの最奥部にある雲ノ平の景観や生態系の実在的な肌感覚を纏った参加アーティストたちの作品と向き合うことを通して、自然をめぐる視点に小さな攪拌を促すことを志向します。そこにある調和や循環や混沌に目を凝らすことで、私たちの感覚は何を捉えるようになるでしょう。またAIRの活動地である山、展示空間である都市、田舎における自然の距離感のずれや共通性はどのようなダイナミズムを描き出すでしょうか。


生命と無機物、肉体と環境、都市と山、概念と実在、現象と物質、明確なようでいて境界線のない、間(あわい)の存在としての「自然」を内包する響きとして、副題を「土と夢」としました。

この活動が、これからの世界に調和と創造性をもたらす、新しい自然観を見出す一助になれば幸いです。



■『雲ノ平山荘アーティスト・イン・レジデンス・プログラム』

本プログラムは「アートを通じて社会と自然環境の調和をデザインする試み」として、2020年にスタートしました。通常ならば長期滞在することが困難な北アルプスの最奥地にある雲ノ平山荘でアーティストたちが生活し、日常から遠く離れた環境下で「自然」をめぐる表現を探求します。

資源の枯渇や環境危機などに揺れる現代社会において、私たちは「自然」に何を見出そうとしているのか、多様なアーティストたちの視点を通して思索を深めます。

これまでの3年間で、絵画、写真、彫刻、バイオアート、アニメーション、ダンス、音楽、伝統工芸などの多分野にわたる計20名のアーティストを迎え、充実した活動を展開することができました。自分で現地まで歩く能力は必要ですが、生活面は全て雲ノ平山荘がサポートしています。


【雲ノ平山荘アーティスト・イン・レジデンス・プログラム】

https://kumonodaira.com/artist/


【活動の様子】

2022年: https://kumonodaira.com/artist/gallery_2022.html

2021年: https://kumonodaira.com/artist/gallery_2021.html

2020年: https://kumonodaira.com/artist/gallery_2020.html

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