<「保温調理」に関する共同研究報告> 「保温調理」は料理初心者でも「失敗いらず」の調理法  真空保温調理器で鶏むね肉の重量減少率が約1/3に

    ~「春先の疲れ」対策に、 鶏むね肉の疲労回復物質を「保温調理」で効率よく摂れる~

    調査・報告
    2013年3月8日 11:00
     サーモス株式会社(本社:東京都港区、社長:樋田 章司)は、調理科学の専門家である佐藤 秀美先生にご協力いただき、当社のロングセラー製品の真空保温調理器「シャトルシェフ」の鶏肉調理に関する調理特性について実験しました。
     保温調理とは、短時間火にかけた後に保温して、余熱のチカラで食材に火を通す調理方法です。1989年の「シャトルシェフ」の発売以来、「保温調理」は「おいしく調理ができる」「ガス代・電気代が節約できてエコ」など、主婦の皆様の実体験やクチコミで広がっていきました。ただし「保温調理がなぜ食材をおいしく調理できるのか」という点に関して、科学的に解説できていませんでした。
     今回、『おいしさをつくる「熱」の科学』の著者である、佐藤 秀美先生にご協力いただき、科学的なアプローチで、保温調理特性について実験いたしました。安くてヘルシーだけれども加熱が難しく、パサつきやすい鶏肉調理において、保温調理にはどのような優位性があるのか、さまざまな調理条件のもとで比較しました。

     その結果、以下のようなことがわかりましたのでご報告いたします。

    <実験結果サマリー>
    (1) 「鶏むね肉調理」に対する主婦の悩みは「加熱するとパサつく」が6割

    (2) 保温調理はゆでるよりも重量減少率が約1/3の結果に

    (3) 保温調理は疲労回復物質イミダゾールジペプチド(アンセリン・カルノシン)を約9割残存させる
      美味しさだけでなく、“栄養”面でも優れている

    (4) お肉をジューシーに仕上げるには、肉温度を約65℃にキープすることが重要
      保温調理は調理法が極めて簡単。重量の2倍量の沸騰水に入れて保温するだけ!


    <佐藤 秀美先生考察>
     「本実験から、保温調理した鶏むね肉は“蒸し器で蒸す”以上に、軟らかく、ジューシーに仕上がることがわかりました。肉が硬くなるのは、肉組織を支えるコラーゲンが急激に収縮する温度を、肉の温度が上回るためです。保温調理では、ゆで水の量の調整で、肉を軟らかく仕上げる温度を保つことができます。
     実験の結果、肉重量の2倍量のゆで水を沸騰させ、火をとめてから肉を入れて保温調理すれば、何時間保温してもコラーゲンの収縮温度を超えず、肉がしっとりジューシーに仕上がることがわかりました。
     保温調理した鶏むね肉はスライスしてサラダのトッピングやサンドイッチの具に使うなど、ハムのような感覚で手軽に美味しく食べることができます。鶏むね肉は低脂肪・高たんぱく・低カロリーで、皮膚やのど・鼻などの粘膜の健康維持に役立つビタミンAやビタミンB6、疲労回復に役立つイミダゾールジペプチドが豊富です。春先は、新生活が始まることで何かと疲れがたまったり、季節の変わり目で肌のトラブルが気になる季節です。鶏むね肉をおいしく調理し、健康に役立てたいものですね。」


    ■佐藤 秀美(さとう ひでみ)学術博士(食物学)
     横浜国立大学卒業後、企業で調理機器の研究開発に従事。その後、お茶の水女子大学大学院修士・博士課程を修了。
     学術博士。専門は食物学。大学で非常勤講師を務めるかたわら、東京栄養食糧専門学校を卒業し栄養士免許を取得。
     研究者と主婦の目線で料理や栄養を研究。
     著書に『おいしさをつくる「熱」の科学』、『カラダと健康の疑問に答える栄養「こつ」の科学』(いずれも柴田書店)など


    (1) 「鶏むね肉調理」に対する悩みは「加熱するとパサつく」が6割
    鶏むね肉は最近では疲労回復物質のイミダゾールジペプチドが含まれており、ヘルシー食材として注目が集まっている[図表1]。しかも比較的安いので主婦には嬉しい味方である。しかし、20~60代の520名の主婦を対象にWEBで調査したところ、主婦の約6割が「加熱するとパサつく」ことに悩みがあり、調理しづらい食材であることがわかった[図表2]。

    「図表1」「図表2」
    http://www.atpress.ne.jp/releases/33932/1_1.jpg

    (2) 保温調理はゆでるよりも重量減少率が約1/3倍の結果に
    加熱するとパサつきやすい鶏むね肉を、(1)蒸す(蒸し器)、(2)ゆでる(普通鍋:シャトルシェフの内鍋)、(3)保温調理(以下 保温鍋)の3つの方法で調理し、重量減少率、硬さを比較した。その結果、調理後の重量減少率がゆでるよりも約1/3と小さく、一番しっとりとジューシーに仕上げるのが保温鍋であることが判明した[図表3]。さらに保温鍋は、プロの調理法である蒸すと同様の柔らかさで仕上げられることがわかった[図表4]。

    「図表3」「図表4」「図表5」
    http://www.atpress.ne.jp/releases/33932/2_2.jpg

     一般的に肉は筋線維がコラーゲン(硬たんぱく質)で束ねられたような構造をしている(図表5参照)。コラーゲンは65℃を超えると急激に収縮。
     その結果、筋線維に閉じ込められていた肉汁が絞り出され、肉はパサつき、“ジューシー”“しっとり感”が失われ、硬くなってしまう。つまり“ジューシー”“しっとり感”“軟らかさ”を保つには、肉の温度が65℃を超えないようにすることが重要になってくる。保温鍋の場合は沸騰した湯の中に肉を入れて火を止めた後の保温過程で加熱が進行。肉の表面と中心部の温度差は“蒸す”“ゆでる”よりも小さい。他の方法に比べて必要以上に肉の温度を上げないため、コラーゲンの収縮がかなり抑えられたことが要因と考えられる。

    (3)保温調理は疲労回復物質イミダゾールジペプチド(アンセリン・カルノシン)を約9割残存させる 美味しさだけでなく、“栄養”面でも優れている
     また疲労回復物質のイミダゾールジペプチドであるアンセリン・カルノシンの含有量も多く、蒸す、ゆでると比較して残存率が高いことがわかった。
     生肉と比較しても約9割近く残存していた[図表6]。アンセリン・カルノシンは水溶性のアミノ酸で、肉汁の流出量に応じて損失量は多くなる。保温鍋では肉汁の損失が少ないため、アンセリン・カルノシンが肉に多く残存したと考えられる。

    (4) お肉をジューシーに仕上げるには、肉温度を65℃にキープすることが重要 保温調理は調理法が極めて簡単。重量の2倍量の沸騰水に入れるだけ!
     保温鍋は、調理法が極めて簡便というのも大きなメリットである。保温鍋でゆで水量を肉重量の2倍にし、水を沸騰させて火を止め、そこへ肉を入れてそのまま保温すれば、鶏むね肉の中心温度は65℃を超えることがない。また厚みが薄く、温度の上がりやすい肉の端の温度も72℃以下にキープできるなど、他の方法に比べて必要以上に肉の温度を上げないため、コラーゲンの収縮がかなり抑えられる[図表7]。
     “蒸す”“ゆでる”では、常に“コンロの火”を気にしなければならず、“精神的な労力”を要する。特に“ゆでる”では加熱中に肉を裏返すという操作が入る。保温鍋は料理の苦手な人でも、温度コントロールをする必要が無く、鶏むね肉をジューシーに仕上げられることがわかった[図表8]。

    「図表6」「図表7」「図表8」
    http://www.atpress.ne.jp/releases/33932/3_3.jpg

     今回は春先の疲れ対策食材である鶏むね肉の保温調理特性に関する実験結果をご報告いたしました。現在もサーモス株式会社は佐藤 秀美先生にご協力いただき、別の食材で保温調理特性に関する研究を継続しております。実験成果がまとまり次第、随時ご報告して参ります。


    ●実験概要●
    <実験場所>
    佐藤 秀美先生自宅

    <実験期間>
    2012年11月~2013年1月

    <実験目的>
    鶏むね肉の“ジューシー”、“しっとり感”、“軟らかさ”に対する保温調理の優位性を検討する。

    <比較対象鍋(加熱機器:IHコンロ)>
    (1) 蒸す(蒸し器)

    (2) ゆでる(普通鍋:シャトルシェフの内鍋)

    (3) 保温鍋(真空保温調理器「シャトルシェフ」)

    <各加熱法概要>
    加熱条件詳細は、一般的な調理法に準ずる。
    (1) 蒸す:水蒸気が充満した蒸し器に入れて、強火で13分蒸す。
    蒸しあがったら、鶏肉を取り出しラップをぴったりとかけて放置する。

    (2) ゆでる:普通鍋に鶏肉と、800mlの水を入れて中火にかけ、沸騰したら中弱火にして、表を5分ゆで、裏返して4分ゆでる。その後、火を止め、ゆで水の中で放置する。

    (3) 保温鍋:調理鍋(内鍋)に、肉重量の2倍の水を沸騰させて、火を止め、その中に鶏むね肉を投入。その調理鍋(内鍋)を保温容器に入れ、放置する。

    <試料>
    鶏むね肉 1枚(300g±10g)

    <測定項目>
    (1) 温度  :DATA COLLECTOR(安立計器株式会社、AM-7002)
    (2) 重量減少:加熱前後の重量差
    (3) 硬さ  :クリープメーター(株式会社山電、レオナ-IIRE2-33006B)
    (4) 外観等の観察


    【真空保温調理器「シャトルシェフ」について】
    商品ホームページ
    http://www.thermos.jp/product/cooker/shuttlechef/index.html

     真空保温調理器は、「調理鍋(内鍋)」と、それを保温する「保温容器」の2つで1セットという構成です。
     保温容器は、魔法びんと同じ高真空断熱構造のため、熱を外に逃がしません。
    よって、調理鍋(内鍋)で料理の材料を沸騰後、その調理鍋を保温容器に入れることで、余熱で調理ができます。
     なお、保温調理とは、短時間火にかけた後に保温して、余熱を利用して食材に火を通す調理方法です。
    http://www.atpress.ne.jp/releases/33932/4_4.jpg


    【サーモス株式会社について】( http://www.thermos.jp/ )
     世界で初めて魔法びんを製品化して以来、サーモスは優れた断熱技術とユニークな発想で、真空断熱マグ、保温弁当箱など生活を快適にする製品を皆様にご提供しています。魔法びんの高度な真空断熱技術に生活快適発想をプラスしたサーモスのさまざまな製品は、世界120ヶ国以上で愛されています。


    【本製品に関するお問い合わせ先】
    サーモス株式会社 お客様相談室
    TEL:0256-92-6696
    カテゴリ
    フード・飲食
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