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<セミナーレポート公開> 大人も子どもも4人に1人が抱えている“角膜の傷リスク”  眼科医が新たな国民問題『角膜の傷』に対して警鐘を鳴らす

最新調査結果とアイケアを解説するセミナーを開催

この度、現代人の角膜ケア研究室ではここ数年の新しい生活様式の定着を受け、角膜に傷がつくリスクに警鐘を鳴らすべくメディア向けのセミナーを2022年9月28日(水)に開催いたしました。現代人の目の酷使環境や目の角膜ケアの重要性について杏林大学医学部 眼科学 教授 山田昌和先生からご講演いただき、伊藤医院眼科副院長 有田玲子先生より、親子の目の酷使実態の調査結果と考察についてお話しいただきました。セミナーの最後にはお二人の先生から今すぐ実践できる“おすすめのアイケア”について解説・実演いただきました。

山田昌和先生と有田玲子先生

<本セミナーのポイント>

・VDT機器※の利用が増えるなど生活が変化し、現代人の環境は大人も子どもも角膜の傷リスクが非常に高いといえる。

・親子に向けて目の酷使実態を調査した結果、大人も子どもも4人に1人は角膜の傷リスクを抱えていることが明らかに。さらに、疲れ目の不快症状やドライアイの可能性があるにもかかわらずアイケアが不十分な実態が明らかになり、角膜の傷リスクは国民的な問題といえる。

・傷つきやすい角膜を守り、適切なアイケアを習慣的に行うことが大切。


※VDT機器:Visual Display Terminalsの略で、パソコンやスマートフォンなどの情報機器。



■デジタル社会の進展で増大する角膜の傷リスク

 ~目の酷使による角膜の傷への影響とその対処法~

 杏林大学医学部 眼科学 教授 山田昌和先生

デジタル社会の進展で増大する角膜の傷リスク~目の酷使による角膜の傷への影響とその対処法~(山田先生)

セミナーの冒頭では、現代人の角膜ケア研究室の山田先生が現代の生活スタイルの変化による角膜への影響について解説しました。近年のVDT機器※利用時間は増加傾向にあり、大人も子どもも目を酷使する環境にあるとして、全世代で、目の酷使による角膜へのダメージ蓄積が進行していると懸念を示しました。「目の表面にある角膜では生きた細胞がむき出しになっていて、非常に繊細です。そのため外部環境の影響を受け、傷つきやすいといわれています。さらに角膜の傷を放置すると様々な不快症状につながり、視力にも影響が出ることがあります」(山田昌和先生)。山田先生は現代人の生活スタイルによって、角膜の傷リスクが高まっていると警鐘を鳴らしました。



■大人も子どもも4人に1人が抱えている!現代人に知ってほしい角膜の傷リスク

 伊藤医院眼科副院長 有田玲子先生

大人も子どもも4人に1人が抱えている!現代人に知ってほしい角膜の傷リスク(有田玲子)

全世代でVDT機器※利用による目の負担が大きくなり、角膜の傷リスクが高まっている現代。その実態把握のために、眼科医の有田玲子先生監修のもと、小学校5・6年の子どもを持つ親500人を対象にその子どもも含め、「親子の目の酷使・実態調査」を実施し、その結果を考察していただきました。

調査より、大人も子どもも、約25%がドライアイの可能性があり、さらに、大人の7割/子どもの4割が目の疲れを感じているという結果に。全世代でドライアイによる角膜の傷リスクが高まっている実態に注意喚起しました。「大人も子どもも4人に1人がドライアイの可能性があり、非常に多くの方が角膜の傷リスクを抱えていることが明らかになりました」(有田玲子先生)。さらに、アイケアの実態について、親がアイケアをしていない家庭ではその子どもの96.1%がアイケアをできていないという結果から、親子のアイケア実施に相関関係があることを示しました。有田先生は、目を酷使する時間が長く、角膜の傷の影響を受けやすい大人から、アイケアを積極的に行うよう呼びかけました。



■アイケアの重要性と考え方 杏林大学医学部 眼科学 教授 山田昌和先生

アイケアの重要性と考え方(山田先生)

アイケアは、毎日の目の疲れをリセットし、角膜の傷を予防する発想が大切であり、疲れたときだけではなく、日頃から習慣化することが重要だと呼びかけました。目の疲れを感じていても、角膜に傷がついていると自覚していない人が多く、放置してしまう可能性を危惧し、参加者に向けて角膜の傷の可能性を確認する簡単なチェック方法を紹介。「寝ても疲れ目が解消しない」「常に目が乾いてショボショボする」「まぶしさを感じやすい」といった症状を感じる人は、角膜に傷がついている可能性があり、注意を促しました。



■アイケア~実践エクササイズを紹介~ 伊藤医院眼科副院長 有田玲子先生

まばたきエクササイズ


まばたきエクササイズ(有田先生)

セミナーの最後には有田玲子先生より、具体的なアイケアを実践しながらご紹介いただきました。「加齢によって角膜の傷の修復機能が低下し不快症状が長引くこともあるので、継続してアイケアを行うことが大切です」(有田玲子先生)。

角膜の傷を放置することのリスクを危惧し、アイケアの重要性を改めて訴えました。


【今日からできるアイケア】

(1) 目を温める温罨法(おんあんぽう)

・目を温めることで、角膜を覆い、涙の蒸発を防いでいる油が溶けやすくなる。

・あずきで温めるアイマスクやビニール袋に入れた蒸しタオルなどで1日2回・5分以上温めると良い。


(2) 点眼薬

・角膜修復機能を持つビタミンA入りのものを選ぶことが重要。

・角膜にやさしい防腐剤無添加のものもおすすめ。

・1滴で十分効果的であるため、一度に何滴もささない。また、1日の上限回数を守る。(1日3~6回)


(3) まばたきエクササイズの実践

・まばたきが不完全だったり、回数が少なかったりすると、涙の水分の蒸発を防ぐ油が分泌されない。

・まばたきエクササイズで目周りの筋肉(眼輪筋)を鍛えることでまばたきを正しくできるように。



■登壇者プロフィール

山田昌和先生

杏林大学医学部 眼科学 教授 日本角膜学会 理事長

日本コンタクトレンズ学会 理事 山田昌和先生(やまだ・まさかず)

ドライアイなどの角膜疾患を対象にして涙液や角膜試料の生化学的分析を行い、疾患や病態のバイオマーカーの探索を行っている。1986年慶應義塾大学医学部眼科研修医、専修医。93年米国Duke大学アイセンター研究員。95年慶應義塾大学眼科助手。97年慶應義塾大学眼科専任講師。2003年国立病院機構東京医療センター感覚器センター部長。13年杏林大学医学部眼科学教授。現職に至る。

有田玲子先生

伊藤医院眼科副院長 日本角膜学会 評議員 有田玲子先生(ありた・れいこ)

ドライアイ、またドライアイの中でも特に『涙のあぶらの専門家』として、TV・雑誌・講演会・ワークショップ等を通じて精力的に活動する。油不足ドライアイ関連の英論文は70本以上発表し、世界一となる。「多くのかたへドライアイの正しい知識を身につけてほしい」と、2021年にYouTubeチャンネル『眼科医 有田玲子先生のドライアイ診察室』をスタートし、難しいことをわかりやすく明るく解説することをモットーに、ためになる情報を配信中。



■参考情報「現代人の角膜ケア研究室」とは

「現代人の角膜ケア研究室」は、近年増加していると言われている「角膜上皮障害(角膜に傷がついた状態 等)」から現代人の目を守るため、角膜の専門家によって構成された啓発団体です。正しい角膜のセルフケアの方法や、角膜上皮障害の可能性が分かるチェックリストなど、角膜に関する情報を分かりやすく紹介しています。コンテンツの提供も可能ですので、ご希望の方はお問い合わせいただけますと幸いです。

https://www.kakumaku-lab.jp/

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