マクニカ、Physical AI検証環境を構築し、ロボティクスAI実装を支援

    ~協働ロボットを利用した仮想空間・現実空間の一体検証を実現~

    その他
    2025年11月28日 13:00

    株式会社マクニカ(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:原 一将、以下マクニカ)クラビス カンパニーは、協働ロボットの実機を利用し、仮想空間でのシミュレーション結果を即時に現実空間のロボティクスにて検証できるPhysical AI検証環境を構築したことを本日発表いたします。ここで得られたベストプラクティスをもとに国内のロボティクスAI実装を強力に支援します。

    ■Physical AIが切り拓く、社会課題解決の新時代
    ロボットや自動運転車などの自律マシンが、現実世界を認識・理解し、複雑な行動を実現する「Physical AI」の進化により、人とCyber Physical System(CPS)が協調し、現実(Physical)空間とデジタル(Cyber)空間を高度に融合させることで、社会や産業のさまざまな課題を解決する新たな枠組み「Human with CPS」の時代が到来しつつあります。デジタルツインやSim2Real技術の活用に伴い、製造現場作業の安全性・生産性が飛躍的に向上し、また危険作業や災害現場においては自律移動ロボットにより人命リスクを大幅に低減します。さらにスマートファクトリーやスマートシティの実現を通じて、サステナブルな社会インフラの構築やエネルギー効率の改善にも貢献します。

    ■ロボティクス×AI実装の障壁
    AIとロボティクスの融合が期待される一方、多くの企業がPoC(概念実証)段階で立ち止まり、本格的な実装に至らないケースが見受けられます。その背景には、AI学習・シミュレーション環境整備の難しさや、AI・データサイエンス分野における人材育成の遅れ、そして目まぐるしく進化する最新テクノロジーに対する習得の遅れなど、複合的な課題が絡み合っています。
    これらの障壁を乗り越えるためには、最先端のAIとロボティクス技術を融合し、迅速に検証できる環境の整備が不可欠です。加えて、現場で活用できる技術トレーニングの強化や、企業・研究機関・スタートアップが連携するパートナーエコシステムの形成が、実装フェーズへの移行を後押しする鍵となります。

    ■マクニカの取り組み
    マクニカでは、NVIDIAの「3コンピューター ソリューション」(AI学習基盤、仮想空間シミュレーション用のインフラ、エッジAIデバイス)を自社内で採用し、協働ロボットの実機を利用したPhysical AI検証環境を整備・構築しました。このデモンストレーションでは、仮想空間でロボットの学習用データを生成・拡張し、現実空間で物体のピックアンドプレースなど、AIモデルの開発から実機検証までを一貫して実現できます。マクニカは、ロボティクス・AIの開発から導入・運用までを担う産業エコシステム全体に対して、国内のAI実装と社会実装の加速を支援します。

    Demo #1:デジタルツイン環境上で学習用データセットを生成
    NVIDIA Omniverse ライブラリ及びオープンソースのロボティクス シミュレーション フレームワークであるNVIDIA Isaac Sim を活用し、仮想空間上にロボットや作業環境を再現。現実の作業シナリオをシミュレーションしながら、AIモデルの学習に必要な多様なデータセットを効率的に生成します。これにより、現場での収集が困難なデータも安全かつ大量に取得可能です。

    Demo #2:学習用データセットの拡張
    NVIDIA Cosmos 世界基盤モデルを用いて、既存のデータセットを拡張。様々な条件やバリエーションを加えることで、AIモデルの汎用性・適応力を高めます。これにより、現実環境での予期せぬ状況にも強い、堅牢なロボティクスAIの開発が可能となります。

    Demo #3:2地点間の経路最適解を検証
    NVIDIA Isaac ROS と NVIDIA cuMotion を活用することで、カメラ映像から得られるロボットと障害物情報より、ロボットが未知の障害物を回避しながら、2つの所定のポーズ間で最適経路をわずか数秒で生成します。仮想空間と現実空間の両方でシミュレーションを行い、動作・精度・反応速度などを評価します。実際のロボット運用に直結する技術検証です。

    Demo #4:物体のピックアンドプレースなど一連の作業工程の検証
    NVIDIA Isaac GR00T N1.5の視覚言語アクション (VLA) モデルを用いて、ロボットアームが物体をつかみ上げ、指定場所へ正確に配置する一連の作業工程を制御・検証します。仮想空間でのシミュレーション結果を現実空間にフィードバックし、実機での動作精度や安定性を確認します。

    ■今後の展望
    今後は、Physical AIにおける顧客との共同検証の場を整備し、パートナー企業とのコミュニティネットワーク形成を目指します。また、NVIDIA国内代理店として、Cosmos世界基盤モデルをはじめとするNVIDIAの最先端のテクノロジーのトレーニング・構築を支援します。マクニカは、Physical AI分野へ参入することで、パートナーエコシステムによる業界横断的な価値創出を加速させ、日本社会の未来を支える基盤技術の社会実装を推進していきます。
     なお、2025年12月3日から東京ビッグサイトで開催する「2025国際ロボット展」にてデモンストレーションを展示します。
    ・会 場:東京ビッグサイト
    ・日 程:2025年12月3日(水)~6日(土)
    ・時 間:10:00~17:00
    ・ブースNo.:W4-65
    ・URL:https://www.macnica.co.jp/public-relations/news/2025/148749/

    【国際ロボット展におけるPhysical AI検証環境デモンストレーションについて】https://www.macnica.co.jp/business/semiconductor/articles/nvidia/148716/

    【製品に関するお問い合せ先はこちら】
    株式会社マクニカ クラビス カンパニー 製品担当
    TEL:045-470-9821

    ※本文中に記載の社名及び製品名は、株式会社マクニカ及び各社の商標または登録商標です。
    ※ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご承知ください。

    株式会社マクニカについて

    マクニカは、半導体、サイバーセキュリティをコアとして、最新のテクノロジーをトータルに取り扱う、サービス・ソリューションカンパニーです。世界28か国/地域91拠点で事業を展開、50年以上の歴史の中で培った技術力とグローバルネットワークを活かし、AIやIoT、自動運転など最先端技術の発掘・提案・実装を手掛けています。
    マクニカについて:www.macnica.co.jp

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