新たなアップサイクルシステム「openmaterial」を 一般社団法人530と株式会社ペーパーパレードが開発  1月から正式に運用開始

一般社団法人530(代表理事:中村 元気)は、株式会社ペーパーパレード(代表取締役:和田 由里子)と共に「openmaterial(オープンマテリアル)」という新たなアップサイクルシステムを開発し、2022年1月から正式に運用を開始いたしました。最終消費を行う人や企業が、廃棄ルールの決められていない素材をそれぞれの自治体のルールに従って捨てられている現状に対して、回収し素材の新たな価値の発見と創造を行います。同時にゼロウェイストな社会の実現を目指し、現在出しているゴミをできる限り減らすことができるように企業サポートをおこなっていきます。


ウェブサイト: https://openmaterial.jp


openmaterial_main visual


リサイクルやリユース、アップサイクルなどで廃棄されるものに次のライフサイクルを提案する動きが世界的に行われています。サスティナブルという言葉が一般化され、社会全体が大量生産の時代から適量生産(必要な分をつくり余剰をなくす)の時代へと移り変わりつつあります。


素材や製品が一度でも社会を経由し役割を終えた後はゴミになるしかないのでしょうか。数が少なすぎたり、回収ルートが整っていないものが素材としてまだ使えるとわかってても、再利用の方法やリサイクルの仕方がわからないものは捨てる以外の可能性を考える時がきています。


これまでの回収と再利用の取り組みの多くは、回収効率の観点から工場廃材や既製品の在庫を使ったものが一般的でした。その枠組みだけでは見逃されてしまうものが多く出てきてしまいます。とくに一度でも社会で消費されたものは回収が困難であったために再利用されてきませんでした。


現状の廃棄ルールにはない視点で、回収と再利用のプロセスを再構築し、素材の可能性を広げていく必要があります。



■openmaterialの仕組みについて

「openmaterial」は、人々の社会経済活動によって生まれ、社会を一度経由した素材を発見し、回収、再利用するという、新たな素材循環の輪を作る役割を担っていきます。


openmaterial_仕組み図


上記図のような流れで、排出者から再利用まで、素材を繋いでいきます。特に、リサイクルの技術や最適な廃棄方法が確立されていないといった、今まで見て見ぬ振りをされ、なかなか認知されにくかった素材を中心に扱います。回収と素材化は、様々なパートナーとの協業を通じて、素材にあった方法を検討します。企画やデザインの分野から製品化まで伴走することも可能です。このように、アップサイクルの全てのフェーズにおいてサポートすることが可能です。


1. 発見

2. 回収/素材化(素材として使える状態に分解、洗浄する)

3. 企画/デザイン

4. 回収/再素材化(また素材として使える状態に分解、洗浄する)



■回収素材事例1:屋外広告

現在、回収にあたっている素材のひとつに屋外広告があります。屋外広告の多くがターポリンという、ポリエステル生地と合成樹脂を重ね合わせて作られた素材で、*1 マテリアルリサイクルが難しい素材です。また、広告という特性上、意匠や肖像のルールが非常に厳しいため、掲出が終わるとそのほとんど全てが焼却か埋め立てになっているそうです。渋谷駅前を例とすると、1年で約20-30トンが廃棄されていると考えており、その全てを救えることになります。また、その先に新たな素材価値を見出したプロダクトに生まれ変わる可能性すらあります。*2 役割寿命と*3 素材寿命のギャップも非常に大きく、広告掲載期間は約2週間~1ヶ月ですが、メーカーが提示するターポリン素材そのものの寿命は5~6年となっています。


寿命ギャップ_素材再利用の課題


もし、企業が広告を掲出するにあたり、広告自体の廃棄する費用を削減できるだけでなく、環境負荷削減に対しての対策を講じた上で広告掲載することができるということが大きなメリットになると考えています。


実際に回収した素材を再利用した事例をご紹介します。2021年11月に渋谷スクランブルスクエア13階にある「渋谷スカイ」で開催されたTRANSIT主催の写真展で使用していたターポリン幕を、廃棄することなくトラベルポーチにアップサイクルし、応募者へプレゼントしました。回収と商品化をサポートすることにより、廃棄されるはずだった素材を新しい価値に変えた一つの事例となります。


広告再利用事例1

広告再利用事例2


■素材の情報やコラボレーションのお誘い

回収後の素材の再利用の可能性についても企業の動向は非常に良好で、すでに多くの企業が再生素材の活用をおこなっています。しかし、今素材として扱われている素材はほんの一部でしかなく、その素材活用の幅を広げていくためにも、様々な業界の商品に可能性を見出すための実験機関として「openmaterial」との協業をぜひご検討いただきたいです。具体的には、以下のような課題を持っている方からのご連絡をお待ちしております。なお回収や製品化にかかる費用などは随時ご相談という形になります。


1. 大量に廃棄されており、回収に困っている素材をお持ちの方/情報をお持ちの方

2. 1の素材を持っていて、再製品化の企画やデザインに困っている方

3. 新製品の開発において、廃棄される素材を選択したいと考えている方



*1 マテリアルリサイクル:廃棄素材を、また新たな製品の原料として再利用すること

*2 役割寿命:素材が、その時使われている用途として終わる時

*3 素材寿命:素材を最大限利用できる寿命の限界



<パートナー>

株式会社ペーパーパレード 代表取締役 和田 由里子

デジタルとフィジカルの境界を横断しながら紙や印刷の新しい価値を生み出すことをテーマにし、産業構造の変化にともない、未来に引き継ぐことが難しくなってきている技術をすくいあげ、新しい可能性を見出し、提案するデザイン会社です。


<リリース企業情報>

一般社団法人530 代表理事:中村 元気

ゼロウェイストをテーマに実験的な社会提案を行う活動家のコミュニティ。アップサイクルやコンポスト、サーキュラーエコノミーなど大きな循環をイメージしながら活動している。原宿をゼロウェイストの実験的な地域として、地元地域や事業者、学校などと新たな消費の形を考えている。



■関連URL

ウェブサイト: https://openmaterial.jp


Instagram(open_material)

https://www.instagram.com/open_material/

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