前田真吾医師が参画する国際研究、 左室の「リング状瘢痕」と不整脈 患者の予後との関連を報告

    686例の心臓MRI所見を解析、潜在的な 心筋異常を捉える画像評価の意義を検討

    調査・報告
    2026年9月25日 09:34

     前田真吾医師(東京昭和医院 総院長)が共同著者として参画する国際研究グループは、明らかな基礎心疾患がないと考えられた心室性不整脈患者において、心臓MRIで認められる左室のリング状瘢痕が、その後の重大な臨床イベントと関連することを報告した。研究成果は2021年、医学誌「Circulation」に掲載された。
     心室性不整脈の評価では、不整脈の背景に心筋の異常が存在するかを把握することが重要となる。本研究は、造影心臓MRIの遅延造影所見に着目し、心筋の瘢痕がどのように分布しているかによって、患者の予後に違いがあるかを検討した。
     対象は、特発性と考えられた非持続性心室性不整脈の患者686例となる。研究では、左室の同一短軸断面で、心外膜側または心筋中層の遅延造影が隣接する3区域以上に及ぶ所見を「リング状瘢痕」と定義した。これは、心筋の線維化が一定の広がりを持って分布する画像上の特徴を示す。
     解析の結果により、リング状瘢痕を認めた患者は28例、リング状ではない瘢痕を認めた患者は78例、遅延造影を認めずMRI所見が正常だった患者は580例だった。
     追跡期間の中央値は61か月である。全死亡、心室細動または血行動態が不安定な心室頻拍による心停止からの蘇生、植込み型除細動器の適切な治療作動を合わせた複合評価項目は、リング状瘢痕群で14例(50%)、非リング状瘢痕群で15例(約19%)、正常MRI群で2例(約0.3%)に認められた。ほかの因子を考慮した解析でも、リング状瘢痕とイベント発生との関連は維持された。
     この結果は、当初は特発性と考えられた不整脈でも、心臓MRIによって潜在的な心筋異常が見つかり、その分布がリスク評価の手がかりとなる可能性を示している。瘢痕の有無に加え、形状や広がりを評価する意義が示唆された。
     一方、リング状瘢痕群は28例と少なく、本研究は観察研究である。画像所見と予後の関連は示されたものの、瘢痕が直接イベントを引き起こしたと断定することはできない。また、50%という数値は複数の転帰を合わせた発生割合であり、死亡率を意味しない。
     今回の知見は、心臓MRIを活用した不整脈患者のリスク評価を検討するための資料となる。ただし、この所見に基づく検査や治療方針が予後を改善するかについては、本研究とは別に検証が必要となる。

    東京昭和医院について
    東京昭和医院は、東京都港区麻布十番に所在する医療機関。内科・循環器内科・皮膚科の保険診療を中心に、健康診断や自由診療の予防医療・再生医療なども提供している。
    名称:東京昭和医院
    所在地:〒106-0045 東京都港区麻布十番三丁目1番6号
    総院長:前田 真吾
    診療科:内科、循環器内科、皮膚科
    アクセス:東京メトロ南北線・都営大江戸線「麻布十番駅」1番出口より徒歩約1分
    電話:03-6811-5618

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