株式会社マーケットリサーチセンター

    世界の中期加齢黄斑変性の市場規模、疾患概要、疫学予測:2026年調査レポートを発表

    調査・報告
    2026年9月7日 14:00

    株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「世界の中期加齢黄斑変性の市場規模、疾患概要、疫学予測、英文タイトル:Intermediate AMD Market Size; Disease Overview; Epidemiology Forecast; Patient Pool Analysis」調査資料を発表しました。本資料には、市場規模、疾患概要、疫学予測、患者数分析(日本、米国、ヨーロッパ、インドなど)、治療上の課題・アンメットニーズなどの情報などが盛り込まれています。

    ■主な掲載内容

    本レポートは、中等度加齢黄斑変性(Intermediate Age-Related Macular Degeneration:Intermediate AMD)の疫学動向について、過去の患者推移と2026~2035年の将来予測を整理した市場調査レポートである。AMDは黄斑部を中心に進行する網膜疾患であり、世界の視覚障害・失明の重要な原因の一つである。Hirak Debnathらの2025年の報告では、AMDは世界の失明の約8.7%に関与し、2040年までに患者数が約2億8,800万人に達する可能性があるとされる。また、Ramya Gnanarajらの2025年の報告では、2020年時点の世界患者数は約1億9,600万人と推定されている。調査会社は、人口高齢化を背景に、特に中等度AMDの患者プールが2026~2035年にかけて拡大するとみている。本調査では2025年を基準年、2019~2025年を過去分析期間、2026~2035年を予測期間とし、米国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、日本、インドの8主要市場を対象に、有病率、年齢、性別、病期、診断患者数などを分析している。

    中等度AMDは、網膜中心部に位置し、精細な中心視力を担う黄斑が徐々に障害される進行性疾患である。病態では、網膜の下に脂質やタンパク質からなる黄色い沈着物であるドルーゼンが蓄積し、さらに網膜色素上皮の機能異常が加わることで、光受容体の機能が徐々に低下していく。

    中等度AMDは、早期AMDと進行AMDの中間段階に位置する。特徴として、より大きなドルーゼンや色素異常がみられ、まだ高度な中心視力障害が出現していない患者も多い一方、進行AMDへ移行するリスクが高まっている状態である。

    進行すると、主に二つの終末病型へ移行する可能性がある。一つは地図状萎縮を特徴とする進行乾性AMDで、もう一つは異常血管新生を伴う新生血管AMD、いわゆる滲出型・ウェットAMDである。したがって、中等度AMDは単なる軽症段階ではなく、不可逆的な視力障害へ進む前の重要な介入・監視段階と位置づけられる。

    疫学的には、Lisa Lüdtkeらの2024年の1,418枚の眼底画像解析で、中等度AMDが3.88%に認められた。これに対し、早期AMDは6.49%、晩期AMDは0.07%であり、スクリーニング対象集団では早期AMDより少ないものの、晩期AMDよりはるかに多い患者層として存在している。

    このデータは、中等度AMDがAMD自然歴の中で無視できない規模の患者集団を形成することを示している。早期から晩期へ一気に移行するのではなく、中等度という中間段階に一定数の患者が滞留するため、進行予防を目的とした医療需要が大きい。

    年齢との関連は非常に強い。Lisa Lüdtkeらによると、中等度AMDは60~79歳で最も多く認められた。一方、早期AMDは主に40~69歳、晩期AMDは80歳以上で多かった。これは、AMDが加齢とともに早期から中等度、さらに進行期へと病期が移行する典型的な年齢パターンを示している。

    Rohan Bir Singhらの2025年の報告でも、この年齢依存性は明確である。Medicare加入者では、中等度AMDの有病率はより若い高齢者群の5.08~5.38%に対し、85歳以上では15.84~16.75%まで上昇していた。つまり、超高齢者では中等度AMDの有病率が約3倍程度に達する。

    このため、今後のIntermediate AMD市場を左右する最大の人口動態要因は高齢化である。特に85歳以上人口が増加する国では、年齢別有病率が大きく変わらなくても患者絶対数が増加する可能性が高い。

    性別では、女性に多い傾向が示されている。Rohan Bir Singhらの2025年の報告では、中等度AMDの有病率は女性で約7.7~8.3%、男性で約5.6~6.0%であり、女性の方が高かった。

    この女性優位には、女性の平均寿命が長く、高齢人口に占める割合が大きいことなどが関与している可能性があるが、提示資料ではその原因までは明確にされていない。少なくとも疫学的には、女性高齢者が中等度AMDの重要な患者群である。

    人種・民族差も認められる。Rohan Bir Singhらによると、白人集団では中等度AMDの有病率が約7.5~8.0%と、他の人種・民族集団より高かった。したがって、米国など多民族国家では人口構成が患者数推計に影響する。

    世界全体のAMD負担も長期的に増加している。Bo Jiangらの2023年の報告では、世界のAMD患者数は1990年の358万例から2019年には779万例へ増加したとされる。この数値は資料冒頭の「2020年に1億9,600万人」という推定と大きく異なるため、対象となる病期、症例定義、データベース、疾病負担指標が異なる可能性が高い。

    したがって、358万例から779万例という数字と1億9,600万人という数字を同じ意味の「世界AMD患者数」として直接比較することは適切ではない。前者は特定の疾病負担解析上の患者定義、後者はより広いAMD有病者推計を示している可能性がある。

    同様に、2040年に約2億8,800万人という予測もAMD全体の患者数であり、中等度AMDだけの患者数ではない。Intermediate AMD市場を正確に推定するには、AMD全体から病期別に中等度患者を抽出する必要がある。

    国別では、米国に大きな患者集団が存在する。Rohan Bir Singhらの2025年の報告では、40歳以上における早期AMDの粗有病率が11.64%で、約1,834万人、晩期AMDが0.94%で約149万人に相当するとされる。

    ただし、これらは早期AMDと晩期AMDの数値であり、中等度AMD単独の米国全国患者数ではない。そのため、米国のIntermediate AMD患者プールをこれらの数値から直接算出することはできない。

    一方、Medicare集団では中等度AMDの年齢別有病率が示されており、高齢者、とりわけ85歳以上で15%を超えることから、米国の超高齢者層にかなり大きな患者集団が存在すると考えられる。

    インドでは、Hirak Debnathらの2025年の報告によると、AMD全体が人口の約1.4~3.1%に認められるとされる。欧米の高齢者集団より低い可能性があるが、インドは人口規模が大きく、高齢人口も増加しているため、絶対患者数としては無視できない。

    ただし、インドの1.4~3.1%もAMD全体の有病率であり、中等度AMDだけを示すものではない。したがって、インドにおけるIntermediate AMDの具体的患者数を推計するには病期別データが必要である。

    ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、日本については、提示資料では中等度AMD単独の具体的国別有病率は示されていない。しかし、いずれも高齢化が進む市場であり、特に欧州と日本では60歳以上、80歳以上人口の増加が患者数を押し上げる可能性が高い。

    日本も高齢人口の割合が非常に高いため、Intermediate AMDの潜在患者プールは今後重要になると考えられる。ただし、今回の資料から日本固有の病期別患者数や人種差を具体的に示すことはできない。

    市場・疫学上で特に重要なのは、中等度AMDが必ずしも強い自覚症状を示さないことである。中心視力が比較的保たれている段階では、患者自身が病気の進行を認識しにくく、定期眼科検診を受けなければ見逃される可能性がある。

    このため、眼底検査や網膜画像診断によってドルーゼンの大きさ、色素異常などを確認し、病期を正確に評価することが重要である。今後、網膜画像解析技術が進歩すれば、中等度AMDの診断患者数が増える可能性がある。

    Intermediate AMDの臨床的価値は、進行AMDへ移行する前に患者を把握できる点にある。地図状萎縮や新生血管AMDに進行すると、中心視力障害がより深刻になり得るため、中等度段階で進行リスクを評価し、定期的に監視する必要がある。

    治療の中心は、現時点では病気を完全に治癒させることではなく、進行を遅らせ、重症化リスクを減らすことである。Intermediate AMDそのものを完全に消失させる確立した根治療法はない。

    主要な管理方法として、Age-Related Eye Disease Study、いわゆるAREDSに基づく栄養補助療法が挙げられる。資料では、抗酸化成分、亜鉛、銅、ルテイン、ゼアキサンチンなどを含む処方が広く推奨されている。

    これらの栄養補助は、特に進行リスクのある患者において、より重いAMDへ移行するリスクを減らすことを目的とする。したがって、中等度AMDは栄養補助療法の対象となりやすい重要な病期である。

    生活習慣改善も重要である。特に禁煙が推奨されるほか、栄養価の高い食事を維持すること、定期的な眼科検診を受けることなどが長期管理の基本となる。

    定期的な網膜画像検査も重要である。中等度AMDから地図状萎縮や新生血管AMDへ進行した場合には管理方針が変わるため、構造的変化を早期に検出する必要がある。

    したがって、Intermediate AMD管理では「治療薬を投与して終了する」のではなく、長期的なサーベイランスが中心となる。患者が無症状または軽症であっても、定期検査を継続することが重要である。

    市場の観点では、Intermediate AMDは非常に大きな潜在患者市場を形成する。進行AMDより患者数が多い可能性があり、さらに慢性的なモニタリング、画像診断、栄養補助、生活指導を長期間必要とするためである。

    特に人口高齢化によって60~79歳、85歳以上の人口が拡大すれば、Intermediate AMD患者数は自然に増加する可能性がある。85歳以上で15.84~16.75%という高い有病率が報告されていることから、超高齢社会では重要性がさらに増す。

    一方、Intermediate AMD市場を評価する際には、AMD全体の疫学数値と中等度AMD固有の疫学数値を明確に区別する必要がある。世界1億9,600万人、2040年2億8,800万人、世界失明の8.7%という数字はいずれもAMD全体の疾病負担を示しており、Intermediate AMD単独の患者数ではない。

    また、米国の早期AMD1,834万人、晩期AMD149万人、インドのAMD有病率1.4~3.1%も病期や対象が異なる。中等度AMDの市場規模を算出する際には、これらをそのまま中等度患者数として扱わないことが重要である。

    全体として本レポートは、中等度AMDを「早期AMDと視力障害の大きい進行AMDの間に位置し、大型ドルーゼンや色素異常を特徴として、将来的な地図状萎縮または新生血管AMDへの進行リスクを持つ重要な病期」と位置づけている。

    スクリーニング集団では中等度AMDが3.88%に認められ、早期AMD6.49%、晩期AMD0.07%という分布が示されている。年齢では60~79歳に多く、85歳以上では有病率が15.84~16.75%まで上昇することから、加齢との関連が非常に強い。

    性別では女性7.7~8.3%、男性5.6~6.0%と女性に多く、人種別では白人で7.5~8.0%と比較的高い。したがって、人口高齢化だけでなく、性別・人種構成も患者プールの規模に影響する。

    世界のAMD患者数は2020年に約1億9,600万人と推定され、2040年には約2億8,800万人まで増える可能性がある。AMDは世界の失明の約8.7%に関与するとされることから、高齢化に伴う視覚障害対策の中で非常に重要な疾患領域である。

    一方、資料中にはAMD全体、早期AMD、中等度AMD、晩期AMDの疫学数値が混在しているため、それぞれの病期を区別することが不可欠である。とくに世界の1億9,600万人や2億8,800万人という予測を中等度AMD患者数と解釈することはできない。

    2026~2035年の疫学・市場動向を考えるうえでは、人口高齢化、とりわけ80~85歳以上の超高齢人口増加が患者数を押し上げる最も重要な要因になると考えられる。加えて、眼底画像診断や定期検診の普及によって、従来見逃されていた無症候性・軽症の中等度AMD患者がより多く診断される可能性がある。

    その一方で、中等度段階で患者を発見し、AREDS系栄養補助、禁煙、食事改善、定期的な網膜画像モニタリングなどを行うことで、進行AMDへの移行リスクを低減することが重要になる。

    したがって、今後のIntermediate AMD管理における中心的課題は、まだ高度な視力障害がない段階で大型ドルーゼンや色素異常を発見すること、年齢、病変所見、その他のリスク因子に基づいて進行リスクを評価すること、AREDSに基づく栄養介入や生活習慣改善を適切に行うこと、そして地図状萎縮や新生血管AMDへの移行を網膜画像で早期に検出することである。2026~2035年は、中等度AMDを単なる「まだ視力が保たれているAMD」として経過観察するのではなく、不可逆的な視力障害へ進む前の重要な予防・監視段階として積極的に管理することが、臨床・市場双方の主要テーマになるとまとめられる。

    ※目次構成

    01
    序文
    1.1 はじめに
    1.2 調査目的
    1.3 調査方法および前提条件

    02
    エグゼクティブサマリー

    03
    中期加齢黄斑変性市場概要(8主要市場)
    3.1 中期加齢黄斑変性市場の過去市場規模(2019年~2025年)
    3.2 中期加齢黄斑変性市場の予測市場規模(2026年~2035年)

    04
    中期加齢黄斑変性疫学概要(8主要市場)
    4.1 中期加齢黄斑変性疫学状況(2019年~2025年)
    4.2 中期加齢黄斑変性疫学予測(2026年~2035年)

    05
    疾患概要
    5.1 症状および徴候
    5.2 原因
    5.3 リスク要因
    5.4 ガイドラインおよび病期分類
    5.5 病態生理
    5.6 スクリーニングおよび診断
    5.7 中期加齢黄斑変性の種類

    06
    患者プロファイル
    6.1 患者プロファイル概要
    6.2 患者心理および感情面への影響要因

    07
    疫学状況および予測(8主要市場:2019年~2035年)
    7.1 主要調査結果
    7.2 前提条件および根拠
    7.3 中期加齢黄斑変性の診断済み有病患者数
    7.4 種類別の中期加齢黄斑変性患者数
    7.5 性別別の中期加齢黄斑変性患者数
    7.6 年齢別の中期加齢黄斑変性患者数

    08
    疫学状況および予測:米国(2019年~2035年)
    8.1 米国における前提条件および根拠
    8.2 米国における中期加齢黄斑変性の診断済み有病患者数
    8.3 米国における種類別の中期加齢黄斑変性患者数
    8.4 米国における性別別の中期加齢黄斑変性患者数
    8.5 米国における年齢別の中期加齢黄斑変性患者数

    09
    疫学状況および予測:英国(2019年~2035年)
    9.1 英国における前提条件および根拠
    9.2 英国における中期加齢黄斑変性の診断済み有病患者数
    9.3 英国における種類別の中期加齢黄斑変性患者数
    9.4 英国における性別別の中期加齢黄斑変性患者数
    9.5 英国における年齢別の中期加齢黄斑変性患者数

    10
    疫学状況および予測:ドイツ(2019年~2035年)
    10.1 ドイツにおける前提条件および根拠
    10.2 ドイツにおける中期加齢黄斑変性の診断済み有病患者数
    10.3 ドイツにおける種類別の中期加齢黄斑変性患者数
    10.4 ドイツにおける性別別の中期加齢黄斑変性患者数
    10.5 ドイツにおける年齢別の中期加齢黄斑変性患者数

    11
    疫学状況および予測:フランス(2019年~2035年)
    11.1 フランスにおける前提条件および根拠
    11.2 フランスにおける中期加齢黄斑変性の診断済み有病患者数
    11.3 フランスにおける種類別の中期加齢黄斑変性患者数
    11.4 フランスにおける性別別の中期加齢黄斑変性患者数
    11.5 フランスにおける年齢別の中期加齢黄斑変性患者数

    12
    疫学状況および予測:イタリア(2019年~2035年)
    12.1 イタリアにおける前提条件および根拠
    12.2 イタリアにおける中期加齢黄斑変性の診断済み有病患者数
    12.3 イタリアにおける種類別の中期加齢黄斑変性患者数
    12.4 イタリアにおける性別別の中期加齢黄斑変性患者数
    12.5 イタリアにおける年齢別の中期加齢黄斑変性患者数

    13
    疫学状況および予測:スペイン(2019年~2035年)
    13.1 スペインにおける前提条件および根拠
    13.2 スペインにおける中期加齢黄斑変性の診断済み有病患者数
    13.3 スペインにおける種類別の中期加齢黄斑変性患者数
    13.4 スペインにおける性別別の中期加齢黄斑変性患者数
    13.5 スペインにおける年齢別の中期加齢黄斑変性患者数

    14
    疫学状況および予測:日本(2019年~2035年)
    14.1 日本における前提条件および根拠
    14.2 日本における中期加齢黄斑変性の診断済み有病患者数
    14.3 日本における種類別の中期加齢黄斑変性患者数
    14.4 日本における性別別の中期加齢黄斑変性患者数
    14.5 日本における年齢別の中期加齢黄斑変性患者数

    15
    疫学状況および予測:インド(2019年~2035年)
    15.1 インドにおける前提条件および根拠
    15.2 インドにおける中期加齢黄斑変性の診断済み有病患者数
    15.3 インドにおける種類別の中期加齢黄斑変性患者数
    15.4 インドにおける性別別の中期加齢黄斑変性患者数
    15.5 インドにおける年齢別の中期加齢黄斑変性患者数

    16
    患者経路

    17
    治療課題および未充足ニーズ

    18
    キーオピニオンリーダー(KOL)による洞察

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