有機エレクトロニクス研究所にn&k Analyzerを納入

技術・開発
2005年5月2日 09:30
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プレスリリース                      2005年5月2日
報道関係者各位


      有機エレクトロニクス研究所にn&k Analyzerを納入

稲畑産業電子機能材本部はこのほど、「光学式薄膜特性測定装置 n&k Analyzer」
を財団法人山形県産業技術振興機構の有機エレクトロニクス研究所(※(1))に
納入しました。同研究所は山形大学工学部の城戸淳二教授の主導で有機EL(※(2))
の研究を進め、内外でも評価が高まっています。なかでも液晶やプラズマに
代わる次世代ディスプレイである「有機ELディスプレイ」が需要伸張が
見込まれるディスプレイ業界で注目を浴びていることに着目し、研究発展への
貢献などの観点から同本部でn&k Analyzerの納入を立案、実現にこぎつけました。

今回、同研究所で導入した装置は「n&k Analyzer 1720RT」です。
最大400×500mmの基板サイズに対応し、反射率Rおよび透過率Tを測定する
機構付きの装置となっています。これまでITO(※(2))や有機層の薄膜は従来の
膜厚測定技術である程度まで対応可能でしたが、材料特性(屈折率n、消衰計数k)
についての測定精度には限界があるとされていました。
n&k Analyzer 1720RTは材料の特性を正確に算出できる独自の物理モデル(※(3))
を用いており、高精度の膜厚測定のほか、有機材料のような不均質な膜厚の
測定も可能となり、電気的特性との相関もとることができるため、有機ELの
研究や次世代材料の特定にも貢献できます。

n&k Analyzerは2003年2月に半導体メーカーのコンソーシアム
「半導体テクノロジーズ(Selete)」(1996年設立、茨城県つくば市)に納入して
以降、超小型・高性能のシステムLSIなど主に半導体部門の研究・開発に貢献した
ほか、半導体デバイスや材料メーカー各社に納入して参りました。
有機エレクトロニクス研究所への納入により、有機EL研究を通じた次世代
ディスプレイの研究・開発にも貢献することになります。


このリリースに関するお問い合わせは下記へ
■稲畑産業株式会社 < http://www.inabata.co.jp/ >
電子機能材本部 K.タニン
電話番号: 03-3639-6549
メール: kittijesada.tanin@inabata.com



※(1) 【財団法人山形県産業技術振興機構 有機エレクトロニクス研究所】
所在地:山形県米沢市
「山形有機エレクトロニクスバレー構想」の中核機関として平成15年11月
オープンした同研究所は、有機EL研究の世界的権威である山形大学工学部
城戸淳二教授(機能高分子工学科)を中心に、城戸教授が集めた数名の研究者と
公募で集まった約10名の研究者、そして県内外の協力企業約15社から派遣された
研究者が一体となって、有機EL素子の高性能化から、有機太陽電池・
有機トランジスタ・有機メモリーなどの有機半導体デバイスの研究や商品開発
を行う。


※(2) 【有機EL】
有機ELの基本構造は、発光層(有機層)が二つの電極の間に挟まれた構造である。
発光層は一層から多層のものまであり、場合によってそれぞれの層の役割は
違ってくる。発光層全体は数百nm以下と、非常に薄いのが特徴的である。
その上、光を外に通すために片側透明電極を使用している。
ITO(Indium Tin Oxide,スズをドープした酸化インジウム)がその代表です。


※(3) 【n&k Analyzer 1720RT】
400X500mmの基板サイズ対応の光学式薄膜特性測定装置。
独自の「光分散方程式(Forouhi-Bloomer Model)、深紫外領域から近赤外領域に
渡る広波長帯域分光技術、そして革新的な光学系の要素技術により構成されて
いる。
同アナライザは膜厚、波長190~1000nm間の光学定数(屈折率nおよび消衰係数k)
スペクトル、エネルギーバンドギャップ、界面の粗さなどを高速で非接触・
非破壊で測定する。

また求められた光学定数からの相関により、薄膜の誘電率、抵抗率といった
電気的特性を評価・管理できる他、ユニークな応用例としてトレンチ深さ等の
微細寸法の測定やフォトマスクの位相差測定にも用いることができる。

測定対象は絶縁膜から有機膜、金属薄膜などと多様で、20Å以下の極薄膜や
100μm以上の厚膜の測定も可能なため、半導体のほかFPD、データストレージ等、
薄膜を用いたあらゆるデバイスに応用できる。

関連URL:
http://www.inabata.co.jp/divisions/it/electronics/products/nandk.html


<参考>
【n&kテクノロジー】
n&kは半導体、フォトマスク、フラットパネル・ディスプレイ、
データストレージなどを含むさまざまな製造業に製品を提供している。
n&kが提供するシステムは費用対効果が高い上、使いやすく、テーブルトップ・
モデルから全自動の300mm生産ツールに至る幅広いモデルを揃えている。
これらのシステムでは正確で高い分解能による「真の測定」が可能で、膜厚、
基板、そして構造に関し事実上どのような組み合わせでも特性測定が行える。
またn&kの製品は、成膜装置等の他装置への組み込みにも好適。


【稲畑産業株式会社】
稲畑産業(東証、大証:8098)は、IT&エレクトロニクス、ケミカル、
プラスチック、住環境、食品といった事業分野で常に斬新なソリューションや
サービスを提供。創業以来、高度な専門知識やノウハウに基づくビジネス
プランニング、マーケティング、製造や物流を通し、幅広いニーズに応えてきた。
海外約50拠点に広がるネットワークを駆使、新たな価値の創造に取り組んでいる。
IT・エレクトロニクス分野では液晶、半導体関連の装置・材料やケミカル製品
に関するトータルソリューションを提供、半導体特性測定装置はテスト&
アセンブリーグループが担当している。

                                以上
 

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