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計画購買、“ウエル活”にみる「買い物に楽しさ」求める消費者心理 コロナで変わったDgSの使われ方 75万枚レシート調査

2020年DgS売上ランキング5社のレシート構成比・消費者調査

フィールド・クラウドソーシング事業を展開するソフトブレーン・フィールド株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:木名瀬博)は、全国のアンケートモニター(以下、POB会員)から独自に収集する、日本初のレシートによる購買証明付き・購買理由データベース「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy(R)(以下、POBデータ)」を有し、国内最大規模の月間1100万枚のレシートを収集し(提携サイト含める)、生活者の購買行動を分析しています。


今回はドラッグストア(以下、DgS)における購買行動を分析しました。

  

■調査概要 

・DgS全体のレシート合計金額に占める商品カテゴリー別構成比は2020年1-6月と21年1-6月を比較すると、

「食品(生鮮・総菜以外)」が<26.8%→31.0%(+4.2pt)>」、「食品(生鮮・総菜)」が<3.5%→4.6%(+1.1pt)>と食品購入の割合は増加。主要カテゴリーの「日用雑貨」は、<27.0%→24.3%(-2.7pt)>、「美容・健康」は、<15.7%→13.4%(-2.3pt)>と減少し、「医薬品」は、<12.8%→11.2%(-1.6pt)>と伸び悩み、「飲料」や「酒類」は微増となった。

 

調査結果では、2020年度ドラッグストア売上ランキング5社のチェーン別(ウエルシア、ツルハ、コスモス、サンドラッグ、スギ薬局)のレシート合計金額に占める商品カテゴリ―別構成比、DgSの利用動向アンケート結果(利用頻度・来店動機)、

DgS3チェーン(ウエルシア・ツルハ・コスモス)とGMS・SM(イオン・マックスバリュ・ヤオコー)の商品カテゴリー別レシート購入率(出現率)分析のほか、SNSなどで話題の“ウエル活”(ウエルシアで毎月20日に実施されるお客様感謝デー)を購入レシートから、効果検証をしました。

 

DgS業界の2020年度売上高は、8兆363億円・店舗数2万1284店舗となり、拡大が続いています(出典:日本チェーンドラッグストア協会)。昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、地域に住む人の生活を支える業態として存在感を発揮しました。それから1年経過した現在、DgSにおける消費者の購買行動に変化はあったのか、求められることとはー

 

POB会員から収集したレシートデータ(調査期間:2020年1月~6月、DgSレシート枚数 302,697枚、21年1月~6月、DgSレシート枚数 443,536枚)から、まずは、DgS全体および、2020年度DgS売上高ランキング5社(連結ベース)、「ウエルシア(本社東京都:企業名:ウエルシアホールディングス)」、「ツルハドラッグ(本社北海道、企業名ツルハ)」、「コスモス(本社福岡県:企業名:コスモス薬品)」、「サンドラッグ(本社東京都:企業名も同じ)」、「スギ薬局(本社愛知県:企業名スギホールディングス)」のチェーンごとに、レシート合計金額(※)に占める、商品カテゴリー別の構成比を分析しました。※レシート合計金額は、「食品(生鮮・総菜以外)」・「食品(生鮮・総菜)・「日用雑貨」・「美容・健康」・「医薬品※調剤は含まない」・「飲料」「酒類」の7カテゴリーのレシート合計金額です。

                                                                      

 

DgS全体の商品カテゴリー別構成比は2020年1-6月と21年1-6月を比較すると、「食品(生鮮・総菜以外)」が<26.8%→31.0%(+4.2pt)>」、「食品(生鮮・総菜)」が<3.5%→4.6%(+1.1pt)>増加し、消費者のDgSにおける食品ニーズの高まりにより、食品比率の割合は増加しています。

また、主要カテゴリーの「日用雑貨」は、<27.0%→24.3%(-2.7pt)>、「美容・健康」は、<15.7%→13.4%(-2.3pt)>と減少し、「医薬品」は、<12.8%→11.2%(-1.6pt)>と伸び悩み、「飲料」や「酒類」は微増となりました。

 

次に、チェーン別の商品カテゴリー別構成比と、直近の動向をみていきましょう。

※以下売上高は連結ベース


■ウエルシア

(参考:売上高約9496億円 21年2月期、店舗数約2262店 ※21年7月現在)

「食品すべて」は<34.0%→38.9%:+4.9pt>増加し、5チェーン中では、「コスモス」に次ぎ、食品構成比が高いことがわかります。スーパーのような値ごろ感がある商品を揃え24時間営業を行う店舗も多く、公共料金の支払いも可能。調剤併設店舗率は7割を越え、ドラッグストアとしてだけではなく、地域の便利なお店として人気を集めています。

 

■ツルハドラッグ

(参考:売上高約8410億円 20年5月期 店舗数1309店 ※21年7月現在)

「食品すべて」が、<22.3%→26.8%:+4.5pt>、「飲料」や<7.9%→9.0%:+1.1pt>、「酒類」においても<6.8%→8.6%:+1.8pt>」と増加しました。

精肉・青果の取り扱いを店舗を拡大させ、公式アプリに楽天ポイントと連携した企画や、商品検索・在庫確認、電子お薬手帳などデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進。アプリの利便性だけではなく、今年5月には、デリバリーサービス「Wolt(ウォルト)」と提携(現在北海道7店舗で実施)。店舗商品を配達し、コロナ禍における消費者のワンストップショッピングのニーズに対応しています。

 

■コスモス

(参考:売上高約6844億円 20年5月期 店舗数1134店 ※21年6月末現在)

「食品すべて(58.2%)」がおよそ6割の構成比を占め※21年1-6月、なかでも「食品(生鮮・総菜)」は、<9.9%→12.5%:2.6pt>に増加し、毎日低価格で販売するエブリデー・ロープライス(EDLP)の実現により、消費者がSMと同様に利用する傾向はさらに強まっています。21年5月期の決算説明会では、調剤事業への本格的参入や、関東や中部に70店ほど、中四国、九州に50店前後の出店を見込んでいることが発表され、他地域でも存在感を高めてくることが予想されます。

 

■サンドラッグ

(参考:売上高6343億円 21年3月期 店舗数1216店 ※21年3月末現在)

主要カテゴリーの「美容・健康(18.5%)」、「医薬品(17.1%)の割合は35.6%で、5チェーン平均23.3%を12.3ptも上回りました※21年1-6月。「食品すべて」の構成比が、2割程度と5チェーン中もっとも低く、店頭に積まれている目玉商品とのついで買いや、クーポン販促が来店動機となり、利益率の高い商品カテゴリーも購入されたことが予想されます。今年6月にはファミペイを導入するなど、多様な決済方法に対応しています。

 

■スギ薬局

(参考:売上高6025億円 21年2月期 店舗数1420店 ※21年6月末現在)

「食品すべて(30.0%)」、「日用雑貨(31.2%)」※21年1-6月、となり、生活必需品がバランスよく購入され、「化粧品」においては<15.9%→14.9%:-1.0pt>昨年同等の水準となりました。今年1月末に開店した「新宿三丁目店」では、「化粧品」を同社最大級の売場面積で展開し、トレンドである「韓国コスメ」をコーナー化するなど、インバウンドに頼らない都市型ドラッグストアとして挑戦しています。

 

次からは、DgSの利用動向を明らかにするべく、21年7月2日~5日の4日間にわたって普段DgSで員い物をすると回答した、全国のPOB会員5228人(半数以上が関東在住者)を対象にアンケートを実施しました。

2020年DgS売上ランキング3チェーンをメーン利用すると回答した「ウエルシア(N=835人)」、「ツルハドラッグ(N=352人)」、「コスモス(N=258人)」に注目し、利用動向に関するアンケート結果をみていきしょう。

※N数は各チェーンメーン利用者

 

まず普段DgSを利用すると回答した5827人の来店頻度は、「月に2~3回(30.9%)」がもっとも多く、「週に1回(28.3%)」と合わせると、回答者の6割近くを占めました。一方で、「週に4日以上(3.3%)」は、きわめて少数であることがわかりました。

チェーン別にみると、食品構成比の高い「コスモス」利用者の来店頻度は、およそ7割が「週に1回以上(69.4%)」他チェーンは4割程度であったことから、DgSの中でも日常使いされる傾向があります。

     

次に、「DgSの来店動機」を選択肢(複数回答)で尋ねると、普段DgSを利用すると回答した5827人のうち、およそ半数近くの人が「食品以外の生活必需品の購入(46.1%)」や、「セール・特売商品購入(46.1%)」と回答しました。「ウエルシア」・「ツルハドラッグ」・「コスモス」をメーン利用する人の最多回答をみていきましょう。

 

まず、「ウエルシア」利用者からは、「今なら防虫・殺虫剤などの季節商品、ティッシュやトイレットペーパーなどの日用品などが安く、ウエルシアデーやクーポンなどでお得に買える(大阪府50代女性)」といった、「食品以外の生活必需品の購入(47.2%:N=835人)」、「ツルハ」利用者からは、「全般的にお菓子が安い。肉や野菜も売っているのでよく利用。クーポンも有りポイントも貯まる(北海道60代女性)」とあり、「食品購入(53.1%:N=352人)」が来店動機の最多回答となりました。

 

「コスモス」利用者からは、「アプリで20円オフなど、さまざまな商品のクーポンを利用するため(滋賀50代女性)」といった、「クーポンやチラシなどの販促(70.9%:N=258人)」が最多回答となり、全体平均を<+29.0pt>、他2チェーンよりも抜きんでており、「他社よりも商品が安いが、アプリから配信されるクーポンでさらに安くなる(愛媛60代男性)」といった声がありました。

 

そして注目すべきは、「ウエルシア」利用者からの、「特価品が多く買い物に行くのが楽しみ(大阪40代男性)」、「クーポン、キャンペーンが頻繁にあるので楽しんで利用している(埼玉40代女性)」といった声であり、「買い物を楽しむため(13.3%:N=835人)」が、全体平均を<+4.3pt>上回りました。

子育て中のママや、節約情報に敏感な人の間で話題の節約術として、“ウエル活”が流行っています。


“ウエル活”とは、毎月20日にウエルシアで開催されている「お客様感謝デー」に、200ポイント以上のTポイントを会計時に利用すると、1.5倍の買い物ができるため、それまでになるべくたくさんのTポイントを貯めて利用することを言います。

実際にコメントでも、お客様感謝デーを利用して、「毎日20日ウエル活で、サプリメント購入(兵庫50代男性)」単価の高い商品を購入する人や、「流行りのウエル活のために、ドラッグストアをハシゴしたりします(愛知40代男性)」お客様感謝デーの原資となるTポイントを効率的に貯める人もいました。

 

実際に”ウエル活“がどのように利用されているか、効果検証をするべく、21年6月のウエルシアにおけるPOB会員の購入状況を下図にまとめました。


まず、6月20日は日曜であったこともあり、【購入レシートの投稿は6,294枚:レシート1枚あたりの平均購入金額1,761円・平均購入個数は4.8個】でした。前週13日日曜に遡ると、【購入レシートの投稿は606枚:レシート1枚あたりの平均金額は914円・平均購入点数は3.3個】であったことから、普段の日曜日よりも、レシート枚数はおよそ10倍、平均購入金額は2倍近くとなり、いかにウエルシア利用者にとって、ウエル活が支持されているかがわかりました。

この結果から推測されることは、コロナ禍で外出が制限され、ECやライブコマースが注目される中、消費者に足を運んでもらうためには、実店舗でそのチェーンならではの「買い物の楽しさ」を提供できるかが、選ばれるチェーンになるためのポイントになると言えそうです。


 

次に、各チェーンどのカテゴリーが購入されているのか、「ウエルシア」「ツルハ」「コスモス」の購入レシート全体のカテゴリー別出現率(購入率)をPOBデータから分析しました(図表4)。今回は、DgSの比較対象として、GMS「イオン」とSM「マックスバリュ」、「ヤオコー」においても同様に図表にまとめました(図表5)。

 

DgSチェーンごとに、21年1-6月の購入率の高い順にみていくと、ウエルシア、ツルハは、「日用品」、「日用雑貨」などのDgSならではの商品や、「菓子」、「パン・シリアル類」、「アルコール飲料」など、1位~5位まで購入商品カテゴリーは同一となりましたが、「コスモス」においては、以下の特徴がありました。

 

まず、コスモスは食品類の商品カテゴリーの購入率が10%以上の品目が12位まで続き、食品購入目的で利用されるされる傾向が購入率からもわかります。「農産」「畜産」などの購入率は、マックスバリュやヤオコーよりは低くなりますが、イオンと同等程度で、日配品などの「水物(豆腐・納豆など)」、「ヨーグルト」、「乳飲料(牛乳など)」や、「冷凍食品」は、GMS・SMチェーン(イオン・マックスバリュ・ヤオコー)よりも、コスモスのほうが購入率が高いことから、それら商品カテゴリーの価格競争力の高さが裏付けされた結果となりました。

     

最後にアンケートでは、「DgSに求めること」を選択肢(複数回答)で尋ねると、普段DgSを利用すると回答した5827人のうち、「日用品の充実(58.0%)」でもっとも多く、「取扱商品の全般の安さ(55.5%)」、「食品全般の充実(40.2%)」と続き、「健康・美容関連商品の充実(20.4%)」、「調剤薬局の併設(10.0%)」を大きく上回りました。


コメントをみると、「スーパーのような生鮮や総菜の取り扱い」や「調剤薬局の営業日、営業時間の拡大」といった声のほか、「ポイントやクーポンの内容の良さ」を挙げるコメントが多くみられ、「ポイント還元率の高さ、大手共通ポイントが使える・貯まるようにして欲しい」や、「クーポンの使い方をわかりやすくして欲しい」など、消費者にとって「低価格」は当たり前になりつつあり、DgS店頭購入時の利便性だけではなく、特典などが重視される傾向が、コロナ禍でさらに強まったことが推測されます。


他にも、コロナ禍のDgSの利用動向については、「近場、短時間で買い物を済ませたい」と考える消費者ニーズがのほか、「公式アプリからのクーポンや特売商品、新聞折り込みチラシやデジタルチラシなどを閲覧などをしてから買い物する」といったコメントも多く、来店前に「安く購入できる商品」、「いかにお得に購入できるチェーンはどこか」を、調べてから計画購買する傾向があり、それらの販促が重要視されていることがうかがえます。

 

 〇調査概要 

 図表2)、図表3)POBアンケート分析  

N=5828人、普段DgSで買い物をする全国POB会員男女

2021年7月2日~7月5日 インターネットリサーチ  


図表1)、図表4)、図表5)POBデータ分析 各チェーン・業態のレシート枚数

     

 

【報道関係お問い合わせ先】

ソフトブレーン・フィールド株式会社 

広報担当 石井(いしい)/ 山室(やまむろ)

TEL:03-6328-3883  FAX:03-6328-3631 MAIL: press@sbfield.co.jp

   


Point of Buy(R)データベースは、全国の消費者から実際に購入/利用したレシートを収集し、ブランドカテゴリや利用サービス、実際の飲食店利用者ごとのレシート(利用証明として)を通して集計したマルチプルリテール購買データです。

同一個人(シングルソース)から「消費行動」に関わる複数種類のデータを収集しており、ショッパーの行動結果からリアルなショッパーの実態に直接迫り、マーケティング戦略に不可欠なデータを、“より精度を高く”  企業・メーカーに提供します。

集計対象は、消費財カテゴリ68種類 約6,000ブランド、飲食利用カテゴリ10種類約200チェーン(2018年1月現在)。全ての利用証明に購入/利用理由(フリーコメント)がデータ化されています。

 

■当事業の特長:

- 日本初のレシートによる購買証明付き購買理由データ

- 「セゾンポイントモール」会員と、「Ponta Web」会員、「履歴書情報」のある当社登録会員「キャスト」で構成された約80万人

人のネットワークに基づく本人認証度の高いデータを提供

- 700企業以上のチェーン情報を公開

- ビジネスモデル特許による全チェーン共通オリジナルブランドマスター(※JICFS/IFDBベース)を生成

  詳細はこちら https://www.sbfield.co.jp/press/20170222-10722

  ※JICFS/IFDB:JANコード統合商品データベース  (一財)流通システム開発センター

 

■ サービス詳細参照ページ:

・「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy(R)」 

  https://www.sbfield.co.jp/multi-idpos

 

【ソフトブレーン・フィールド株式会社 会社概要】 

ソフトブレーン・フィールド株式会社は、ソフトブレーン株式会社(本社:東京都中央区、設立年月日:1992年6月17日、代表取締役社長:豊田浩文)のグループ会社として、全国の主婦を中心とした登録スタッフ96,611名のネットワークを活用し、北海道から沖縄まで全国のドラッグストアやスーパー、コンビニ、専門店など222,828店舗以上をカバーし、営業支援(ラウンダー)や市場調査(ミステリーショッパー、店頭調査など)を実施しています。当社代表の木名瀬博は、2004年にアサヒビールの社内独立支援制度に応募し、合格第1号事業として独立しました。

 

「木名瀬 博のフィールド虎の巻」 URL:https://www.sbfield.co.jp/toranomaki

本社所在地 :東京都港区赤坂3-5-2 サンヨー赤坂ビル5階

設 立 :2004 年7 月 / 資本金 :151,499,329円  

代表取締役社長 :木名瀬 博    URL : https://www.sbfield.co.jp/


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