JICA横浜が新たなコンセプトのもと、リニューアル  国際協力をテーマとしたアートワークを取り入れた展示や空間が完成

JICA横浜《正式名称:独立行政法人 国際協力機構 横浜センター》では、国内外で活躍する複数のアーティスト・クリエイターが参画し、国際協力がテーマのアートワークを取り入れる新たなコンセプトのもと、展示や施設空間のリニューアルを進め、新たに生まれ変わりました。


JICA横浜外観


1階ギャラリー事業紹介展示



■JICA横浜 リニューアル概要

JICA横浜は、日本人の海外移住の歴史および移住者と日系人の現在を伝える海外移住資料館を擁し、国際協力事業や地域連携事業、移住者・日系人支援事業、SDGsへの取り組みなど、さまざまな事業を手掛けています。今回のリニューアルには、日系ブラジル人の現代美術アーティスト、青年海外協力隊出身のアーティストなど、JICA横浜が実施する事業と関わりの深い複数のアーティストをはじめ、イラストレーターや建築家など、複数のクリエイターが参画しています。日系ブラジル人アーティストによる海外移住の歴史をテーマとした作品、青年海外協力隊出身のアーティストがつくる参加型の作品、大陸と海をイメージした空間でのパネル展示など、国際協力や日系社会について、「楽しみながら知る」、「寛ぎながら見る」をテーマとした、ユニークな展示やアートワークを体験いただけます。また、横浜港を一望できる3階のレストラン「ポートテラスカフェ」も、日系ブラジル人アーティストによる作品やテラスソファ席を新たに配し、心地の良い雰囲気でお食事や喫茶を楽しんでいただける空間へと生まれ変わりました。今回のリニューアルによって展示されているアート作品や展示デザインはJICA横浜が取り組む事業をテーマとして、それぞれのアーティストやクリエイターたちが思いを込めてJICA横浜のために制作し、ここでしか見ることのできないものとなっています。



■1階・2階 JICA横浜事業紹介展示

展示デザイン:dot architects(日本、建築家)

グラフィック:UMA/design farm(日本、グラフィックデザイナー)


1階・2階ギャラリーでは、新たな常設展示として、JICA横浜が取り組む国際協力や地域連携事業、SDGs、移住者・日系人支援事業を紹介しています。この展示デザインは、dot architects(ドットアーキテクツ)が手掛けており、世界の海と、大陸や島をモチーフとしてデザインされています。グラフィックデザインはUMA/design farmが手掛けており、写真や図を交えながら、わかりやすく学べる展示となっています。華やかさや楽しさのある空間の中で、国際協力について、寛ぎながら知り、学べる場を演出しています。


1階ギャラリー JICA事業紹介展示(JICAミッション・JICA横浜実施事業・SDGs取組み等)


2階ギャラリー JICA事業紹介展示(日系社会連携等)



■展示デザイン

【dot architects プロジェクト担当:家成俊勝、寺田英史】

家成俊勝、赤代武志により設立された建築家ユニット。大阪・北加賀屋にて、「もうひとつの社会を実践するための協働スタジオ」コーポ北加賀屋を拠点に活動。設計、施工のプロセスにおいて専門家・非専門家に関わらず様々な人との恊働を実践している。設計だけに留まらず、現場施工、リサーチプロジェクト、アートプロジェクトなど様々な企画にもかかわる。第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 審査員特別表彰(日本館出展作家)。


dot architects 撮影:永井杏奈



■グラフィックデザイン

【UMA/design farm プロジェクト担当:原田祐馬、岸木麻理子】

2007年、原田祐馬により設立。大阪を拠点に文化や福祉、地域に関わるプロジェクトを中心に、グラフィック、空間、展覧会や企画開発などを通して、理念を可視化し新しい体験をつくりだすことを目指している。「ともに考え、ともにつくる」を大切に、対話と実験を繰り返すデザインを実践。受賞歴はグッドデザイン賞2016・金賞、日本サインデザイン賞最優秀賞、日本タイポグラフィ年鑑ベストワーク、CSデザイン賞準グランプリなど。


UMA/design farm



■大岩オスカール(日系ブラジル二世・現代美術アーティスト)

「トラベリング・アラウンド・ザ・ワールド」

1階エントランス・2階吹抜柱・2階エントランスの3作品から構成される連作


今回のリニューアルでは、国際的に活躍している日系ブラジル二世のアーティスト、大岩オスカール氏による新作がJICA横浜内の3箇所に設置されます。「トラベリング・アラウンド・ザ・ワールド」と名付けられた本作品は、1階エントランスと、2階エントランス、そして列柱の一連の作品から構成されます。横浜や神戸から出航し実在した移民船や、移民船が出航した20世紀初頭の横浜港の風景などが描かれており、日本から新天地へと渡って行かれた移住者の方々への賛辞・敬意が込められています。日本人の海外移住の歴史を伝える海外移住資料館を有するJICA横浜のために大岩氏が制作した作品であり、ここでしか見ることのできないサイトスペシフィックな作品です。また1階エントランスに設置予定の作品は、大岩氏本人が来日し、ガラス面に直接手書きで制作することを予定しています。(来日時期未定)


1階 大岩オスカール エントランスの作品(作家来日時 現地制作予定)完成予定図


2階 大岩オスカール 吹抜柱の作品


2階 大岩オスカール エントランスの作品


【アーティストトークを開催予定(来日時期未定)】

日系ブラジル二世アーティストとして活動する中で得た経験や初めて来日した時の印象、本作品の制作秘話などを語っていただきます。


【大岩オスカール Oscar Oiwa】

1965年にブラジルのサンパウロで日本人の両親のもとに生まれ、日系ブラジル人として東京、ニューヨークと移動しながら制作活動を行い、世界各国で高い評価を得ている。都市での生活体験や社会問題をテーマに、風刺やユーモアを交えた、俯瞰的でダイナミックな絵画作品を制作。過去の大規模個展に「大岩オスカール」(ブラジル国立美術館、2011)、「光をめざす旅」(金沢21世紀美術館、2019)などがある。

大岩オスカール (C) Oscar Oiwa Studio



■ジェームズ・クドウ(ブラジル、アーティスト、日系ブラジル三世)

3階 レストラン柱「テリトリアル・ディスプレイスメント」


3階 ジェームズ・クドウ「テリトリアル・ディスプレイスメント」


3階レストラン「ポートテラスカフェ」内の3つの柱に展示される「Territorial Displacement」と名付けられた本作品は、中南米地域の自然から着想を得ながら、世界に共通して存在する大地、空、植物、鳥などがモチーフとして描かれています。窓から見える横浜の海や空の色との関係も考慮された本作品は、JICA横浜のために新たに制作され、美しい自然の要素をJICA横浜の建物に挿入することで、心地よさやリラクゼーションを人々に感じてもらうと同時に、自分を見つめ直す時間をもたらすことを意図して作られています。海の向こうに存在する自然や人々、文化など、国境を超えた繋がりを感じてください。


【ジェームズ・クドウ James Kudo】

1967年ブラジル・ペレイラバヘトに日系ブラジル三世として生まれる。色彩を操りながら、あらゆる要素を断片化し、重ね合わせることで流動する世の中でも揺るがないものを表現する。23歳でサンパウロ美術大学に進学、その後、アート・スチューデントリーグ(ニューヨーク)で学ぶ。現在はサンパウロを中心に、東京、ニューヨーク、ドイツ、カナダなどで精力的に活動し、ブラジルを代表する作家の一人。


ジェームズ・クドウ 撮影:Andrea Altemuller



■藤浩志(青年海外協力隊OB・現代美術アーティスト)

2階 インスタレーション「メッセンジャー」


2階 藤浩志「メッセンジャー」


本作品は、中南米地域の日系人及び日系社会ボランティア等の関係者の方々から、開拓時の苦労話や、日本人移住地に生息し遭遇した動植物とのエピソードを募集し、その情報をもとに、JICA横浜の2階にも「移住地」を誕生させたものです。移住当時の原始林に生息していたアリクイやアルマジロ、日本人移住地に今も生息するナマケモノやカピバラを「メッセンジャー」と見立て、来館された方々が、彼らを通じて移住者の方々からのメッセージを受け取るとともに、自分もまた彼らを通じて次の世代、未来へ向けたメッセージを書き残していけるといったコミュニケーションをテーマとした、参加型の作品です。


【アーティストトーク開催(10月頃 開催予定)】

青年海外協力隊美術隊員としてパプアニューギニアに渡ったときの体験や影響、今までのアーティスト活動で大切にしてきたこと、本作品への思いなどについて語っていただきます。


【藤浩志 Hiroshi Fuji】

1960年鹿児島生まれ。京都市立芸術大学大学院修了後、1986年青年海外協力隊員としてパプアニューギニア国立芸術学校に派遣。「社会的に価値を認められていない存在にエネルギーを注ぎ、圧倒的に感動的な状態に変化させる技術としての芸術」を着想する。帰国後は全国各地のアートプロジェクトを手掛け、NPO法人プラス・アーツ副理事長、十和田市現代美術館館長などを経て、現在秋田公立美術大学大学院教授。


藤浩志



■イクタケマコト(日本、イラストレーター)

2階ぬり絵作品「日系移民の歩み」


2階 イクタケマコト「日系移民の歩み」



本作品は、日本人の海外移住の歴史や異国での生活の様子、文化などをリサーチし描かれたもので、ぬり絵として来館者が楽しみながら日系社会について知ることができる参加型の作品です。日本人移住者や日系人の方々が生活するアメリカや中南米などの街の風景、暮らしの様子、現地の文化などが画面一杯に描かれており、移住地での幾世代にもわたる日系移民の方々の勇気や努力、歴史を伝えています。また、作品中央には、多くの移民船が出航した横浜港と世界中の日系社会と日本を繋ぐ役割を担うJICA横浜が描かれています。ぬり絵に参加して、海外移住の歴史や文化に触れてください。


【アーティストトーク開催(11月頃 開催予定)】

お子さまを対象としたおえかき・ぬりえなどをテーマとしたイベントを開催します。


【イクタケマコト Makoto Ikutake】

イラストレーター。福岡県宮若市生まれ、横浜市在住。ゆるいパースと明るい色彩で生活のさまざまな場面を俯瞰したイメージで描いたイラストで、広告、書籍などを多数手掛ける。壁画制作では、ヨコハマトリエンナーレ2017応援イベント、黄金町バザール2020、横浜市パブリックアート、三井住友建設本社ビルなど数メートルの作品を制作、展示している。


イクタケマコト



■本リニューアルの計画・実現について

本プロジェクトは、JICA横浜の事業活動や海外移住の歴史について、より多くの方に知っていただきたいという目的で、2020年1月より開始し、中南米各国でのリサーチなどを経て、計画を策定してきました。JICA横浜のもと、オフソサエティ株式会社がディレクションを行い、展示や作品の方向性、アーティスト・クリエイター選定などを行っています。作品や展示の制作は株式会社丹青社が行っています。


【リニューアル計画・実施体制】

プロジェクト担当:JICA横浜 市民参加協力課 課長 石亀敬冶

         JICA横浜 市民参加協力課 土屋公子

ディレクション :長田哲征(オフソサエティ株式会社)

施工      :株式会社丹青社


【長田哲征 Tetsuyuki Nagata(オフソサエティ株式会社)】

1970年横浜生まれ。美術館・芸術文化施設の計画・プロデュースや展覧会・アートプロジェクトの企画・キュレーションを手掛ける。主なプロジェクトにアーツトワダ・十和田市現代美術館の全体監修・計画策定、ちよだアートスクエア構想の計画策定、六本木ヒルズ パブリックアートPM、YCC ヨコハマ創造都市センター館長および施設運営、展覧会「YCC Temporary」や「RED ROOM」の企画、八戸市美術館管理運営計画など。


長田哲征



■JICA横浜 施設概要

施設名   : JICA横浜《独立行政法人 国際協力機構 横浜センター》

        JICA Yokohama

所在地   : 〒231-0001 神奈川県横浜市中区新港2-3-1

電話    : 045-663-3251(代表)

開館時間  : 10:00~18:00(最終入館 17:30)

        ※1・2階ギャラリー部分。各施設詳細はHPをご確認ください。

アクセス  : JR桜木町駅 徒歩15分

        馬車道駅(みなとみらい線) 徒歩8分

ウェブサイト: https://www.jica.go.jp/yokohama/index.html


JICA横浜 周辺地図

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JICA横浜外観
1階ギャラリー事業紹介展示
1階ギャラリー JICA事業紹介展示(JICAミッション・JICA横浜実施事業・SDGs取組み等)
2階ギャラリー JICA事業紹介展示(日系社会連携等)
1階 大岩オスカール エントランスの作品(作家来日時 現地制作予定)完成予定図
2階 大岩オスカール 吹抜柱の作品
2階 大岩オスカール エントランスの作品
3階 ジェームズ・クドウ「テリトリアル・ディスプレイスメント」
2階 藤浩志「メッセンジャー」
2階 イクタケマコト「日系移民の歩み」
大岩オスカール (C) Oscar Oiwa Studio
ジェームズ・クドウ 撮影:Andrea Altemuller
藤浩志
イクタケマコト
dot architects 撮影:永井杏奈
UMA/design farm
長田哲征
JICA横浜 周辺地図

独立行政法人 国際協力機構 横浜センター(JICA横浜)

独立行政法人 国際協力機構 横浜センター(JICA横浜)

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