中高年はテレビ&ネット&クチコミのクロスメディアDXを加速

中高年はテレビ&ネット&クチコミのクロスメディアDXを加速

「人生100年時代 未来ビジョン研究所」レポート VI 「中高年はクロスメディアDXを加速」

人生100年時代未来ビジョン研究所(代表:阪本 節郎)は、2020年6月11日~6月13日、及び、2021年3月19日~3月26日に、40~70代の“中高年大人世代”を対象として「コロナ下での行動」に関するインターネット調査を実施し、2021年5月13日に第6弾の調査結果を発表しました。

いま、この世代は大きく変化し、高齢社会を大きく変えようとしています。2年後には、国民全体の平均年齢が50歳に達し、4年後には団塊ジュニア(真正)もすべて50代以上となり、日本の人口構造が劇的に変化します。それ以上に生活者の意識と行動が変化しています。新型コロナウイルスはさらにその変化を加速させています。



●新大人緊急調査 2021/03/19~26 全国男女 1308s

●新大人調査   2020/06/11~13 全国男女 1864s



直近の“コロナ第三波の直下”、“第一波・第二波の間”の2つの調査からそのことを明らかにして行きます。


デジタルに関して中高年とりわけ60・70代は少々おくれ気味でしたが、コロナに押されるようにDXがすすんでいます。


(1)コロナ後増えたのは、1位「ネットショッピング」28.2%(90.5%)、および2位「テレビのワイドショー」19.4%(69.5%)

*カッコ内は「コロナ前と変わらない」との合計

(2)普段の情報源、ダントツ1位は「テレビ」2位は「新聞」、さらに「店頭」「メーカーサイト」「友人知人情報」と続く。

(3)商品購入の情報源は1位「クチコミ」、2位「TVCM」、3位「比較サイト」、クチコミは40・50代女性がとくに高い。

「ネットショッピング」と「テレビのワイドショー」がコロナで伸びた。また、「クチコミ」が引き続き強いといえます。

(4)パソコンは、現在所有87.9%、今後使用意向88.1%でわずかだが今後の意向が上回る。男女別では男性が高い傾向。

(5)タブレットは現在所有37.1%と低めだが、今後の使用意向は55.4%と現所有に比べた意向は高い。

(6)スマホは現在所有85.0%、今後の使用意向が90.3%と、すでに所有が8割を超え今後の意向は9割とさらに高い。

(7)携帯電話(ガラケー)はすでに現在所有が20.2%と圧倒的に低い上に今後はより低く、この年代でも過去のデバイスに。

したがって、主要デバイスは「パソコン」と「スマホ」であり、今後「タブレット」が今以上に伸びるか、というところです。

(8)パソコン使用は、主に「サイト閲覧」/「メール送受信」/「オンラインショッピング」。

(9)タブレットは「サイト閲覧」とともに、YouTubeやニコ動など「動画投稿サービス」、に加え「オンラインショッピング」。

(10)スマホはやはり、「メール」およびFacebook・ツイッター・LINE・インスタなど「SNS」、に加え「オンラインショッピング」。

「サイト閲覧」「メール送受信」と「動画」「SNS」で使い分けています。「ネットショッピング」はパソコンが最多ですが、タブレットもスマホも続けて利用というところです。


コロナでネットショッピングが増大し、ここ数年の格安サービスなどでスマホ移行が本格化、中高年大人世代でもDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでいます。とはいえ、片方で、「テレビ」もコロナで増え、「クチコミ」は引き続き強く、40-70代は「クロスメディアDX」といえます。この先、テレビからデジタルへの移行というよりも、テレビ自体がよりデジタル化して行くと考えると、まさに「クロスメディアDX」に将来へのカギがあるといえそうです。とくに、普段の情報源で、テレビに続くのは、新聞・ラジオや雑誌などマスメディアと友人知人の直接の情報、そしてSNS・ブログなどです。その意味でもこれからは、「クロスメディアDX」といえます。



■コロナ後増えたのは、1位「ネットショッピング」28.2%および2位「テレビのワイドショー」19.4%。

「コロナ前と変わらない」と合わせると、ネットショッピングは90.5%、テレビのワイドショーは69.5%となります。


図1


<ネットショッピング>

男女別では、男性23.9%に対し、女性32.4%ととくに女性で増えているといえます。年代別にはやはり、40代で33.1%とより普段使いになっていることがうかがえます。これは、ステイホームで家にいなければならなくなったために、増えたといえます。50-70代でも増えており、コロナによる家庭のDXといえそうです。


図2


<テレビのワイドショー>

男性16.1%に対し、女性22.7%と女性が高くなっています。年代別には、60・70代が各々同じ21.8%と高く、やはり感染すると重症化しやすい60・70代が日々のコロナ情報を得るためにテレビのワイドショーを見る機会が増えたといえるでしょう。


図3


<クロスメディアDX>

緊急情報のテレビ、日々の暮らしのネットショッピングといえそうであり、いわばコロナ下で「クロスメディアDX」が進んでいるといえます。



■普段の情報源、ダントツ1位は「テレビ」2位は「新聞」、さらに「店頭」「メーカーサイト」「友人知人情報」と続く。

普段の生活情報源は圧倒的に「テレビ」であり、40-70代の男女問わず、年代問わず高いといえます。2位は「新聞」で、70代から40代まで年代が下がるにつれ約10%ずつ下がります。

「新聞」に続いて、「ラジオ」や「雑誌」などマスメディアと「SNS」・「ブログ」および「友人知人の直接的情報」などが比較的近いレベルで続きます。その意味でも今後はそれらのクロスすなわち、「クロスメディアDX」といえそうです。


図4



■商品購入の情報源は1位「クチコミ」、2位「TVCM」、3位「比較サイト」、クチコミは40・50代女性がとくに高い。

商品購入の情報源になると「クチコミ」が1位となります。続いて、「TVCM」「比較サイト」となり、ここでも、「クチコミ×TVCM×比較サイト」の「クロスメディアDX」といえます。このうち、クチコミとTVCMは女性が高く、とくにクチコミは40代女性が70.8%、50代が56.7%と40-50代女性がきわめて高くなっています。


図5



■パソコンは、現在所有87.9%、今後使用意向88.1%でわずかだが今後の意向が上回る。男女別では男性が高い傾向。

全体にパソコンについては、男女別では、男性の現在所有92.5%、今後の使用意向93.5%に対し、女性では現在所有83.3%、今後使用意向82.7%とわずかだが今後使用意向が下回っている。


図6



■タブレットは現在所有37.%とパソコンに比べ低いが、今後の使用意向は55.4%と現所有に比べた意向は高い。

男女別では男性現在所有40.7%、今後の使用意向58.9%、女性が現在所有33.5%、今後の使用意向51.9%と男女ともに現所有に比べて、今後の使用意向が高いといえます。年代別には、年代が下がるにつれて高くなる傾向にあり、40代では男女ともに高く、合わせて、現所有45.3%と半数近く、今後の使用意向は64.6%と6割を超えて行きます。


図7



■スマホは現在所有が85.0%今後使用意向が90.3%と、すでに所有が8割を超え今後の意向は9割とさらに高い。

男女別ではパソコンとは逆に女性が高めで、男性の現在所有83.2%、今後の使用意向88.8%に対し、女性は現在所有86.9%、今後の使用意向91.7%となっています。

年代別には、圧倒的に40・50代が高いといえますが、70代でも現所有73.6%で今後の意向84.3%と、ガラケーからの移行は確実にすすんでいるといえます。


図8



■携帯電話(ガラケー)はすでに現在所有が20.2%と圧倒的に低く、今後使用意向は16.1%とさらに低い。

さすがに、ガラケーはこの年代でもオワコンならぬ「終わったデバイス」になりつつある、といえます。


図9



■パソコン使用は、主に「サイト閲覧」/「メール送受信」/「オンラインショッピング」。

パソコンの使用目的は、1位「サイト閲覧」、2位「メール送受信」、3位「オンラインショッピング」、4位「動画」。


図10



■タブレットは「サイト閲覧」とともに、「YouTubeやニコ動など動画投稿サービス」を見るためのデバイス。

タブレットの使用目的は、1位「サイト閲覧」、2位「動画」、3位「メール送受信」、4位「オンラインショッピング」です。


図11



■スマホはやはり、「メール」および「Facebook・ツイッター・LINE・インスタなどSNS」を使うためのデバイス。

スマホの使用目的は、1位「メール送受信」、2位「サイト閲覧」、3位「SNS」、4位「オンラインショッピング」となっています。


図12



<調査概要(1)>

調査対象 :40~70代男女

対象エリア:全国

対象者数 :1308サンプル

調査手法 :インターネット調査

調査日時 :2021年3月19日(金)~3月26日(金)


<調査概要(2)>

調査対象 :40~70代男女

対象エリア:1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)および

      全国中小都市(首都圏、熊本市・岡山市以外の政令指定都市、

      岩手県・宮城県・福島県を除く)

対象者数 :1864サンプル

調査手法 :インターネット調査

調査日時 :2020年6月11日(木)~6月13日(土)



■「人生100年時代 未来ビジョン研究所」(未来ビジョン研)について

「人生100年時代 未来ビジョン研究所」は、2020年4月に設立されました。高齢化がグローバルに進行するなか、世界諸国に先駆けて急速な高齢化の進展するわが国ですが、この人口構造の劇的変化に伴い社会構造も大きく変化して行きます。とりわけそのベースとなる40-70代の生活者の意識・行動が大きく変わろうとしています。これは企業のビジネスやマーケティングにも大きな影響を及ぼし、社会政策等にも大きな変化をもたらします。この中高年大人世代を「新しい大人」ととらえ、これまでにない、新たな時代の扉を多くの人たちや企業とともに開いて行く、そのための研究および事業開発を行っています。

<人生100年時代 未来ビジョン研究所ホームページ http://www.miraivision.net



[所長プロフィール]

阪本 節郎

東京都出身。1975年早稲田大学商学部卒業。株式会社博報堂入社。プロモーション企画実務を経て、プロモーション数量管理モデル・対流通プログラム等の研究開発に従事。その後、商品開発および統合的な広告プロモーション展開実務に携わり、企業のソーシャルマーケティングの開発を理論と実践の両面から推進。2000年エルダービジネス推進室創設を推進。2011年春、発展的に「博報堂新しい大人文化研究所」を設立。2019年4月独立し、人生100年時代 未来ビジョン研究所を設立、現在、所長。


■著書

「巨大市場『エルダー』の誕生」(プレジデント社2003年7月、共著、2007年台湾版・2009年韓国版出版)

「団塊サードウェーブ」(弘文堂2006年1月、共著)

「団塊の楽園」(弘文堂2007年2月、共著)

「50歳を超えたらもう年をとらない46の法則」(講談社α新書2014年9月)

「世代論の教科書」(東洋経済新報社2015年10月、共著)

「シニアマーケティングはなぜうまくいかないのか~新しい大人消費が日本を動かす」(日経新聞出版社2016年3月、2016年韓国版・2018年台湾版出版)


図13



■マスコミへのコメント・出演

日経・読売・朝日・産経・日経MJ・ビジネスアイ・日経ビジネス・アエラ・週刊朝日・ワシントンポスト・ウォルストリートジャーナル・M&Mヨーロッパ・CNN・NHK総・NHK教育・テレビ朝日他


<コラム連載執筆>

●日経MJ新聞「阪本節郎の『新大人』学」(2014.04-2017.03)

●日経新聞「読み解き現代消費」(2014.04-2017.12)

■エルダー関連の公官庁・マスコミ等の委員会委員


<これまでの経歴>

●総務省 高齢者障害者ICT利活用研究委員会

●厚生労働省

 介護保険制度下におけるシルバーサービスの振興ビジョン調査研究事業研究委員会

 団塊世代を活用した健康長寿のまちの展開方策に関する調査研究事業研究委員会

●静岡県 しずおかユニバーサルデザイン推進委員会

●互助会保証株式会社(経済産業省揚力)冠婚葬祭産業の中長期展望検討委員会

●日本BS放送 放送審議委員会

●高齢・障害者雇用支援機構「エルダー」編集アドバイザー会議委員



<参考資料>

人生100年時代 未来ビジョン研究所 これまでのレポート一覧

※これまでのレポートは、下記URLにてご覧いただけます。

http://www.miraivision.net/report (人生100年時代 未来ビジョン研究所WEBサイト)



【未来ビジョン研レポート】

No.1 「日本の感染者数の少なさは中高年“自己管理”パワー」」(2021.4.12)

No.2 「ポストコロナの経済回復は中高年大人世代の力」(2021.4.19)

No.3 コロナで、より「シニアと呼ばれても誰のこと?」(2021.4.26)

No.4 ポストコロナ、これからライフスタイルを創りたい(2021.4.30)

No.5 社会保障費解決のカギは団塊の健康行動が握る(2021.5.10)



【お問い合わせ先】

Email: setsuo.sakamoto@miraivision.net

プレスリリース添付資料

取材依頼・商品に対するお問い合わせはこちら

プレスリリース配信企業に直接連絡できます。