コロナ禍においてもテクノロジー投資は高水準に ー 「Harv...

コロナ禍においてもテクノロジー投資は高水準に  ー 「Harvey Nash/KPMG 2020年度CIO調査」 日本語版を刊行 ー

KPMGコンサルティング株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長兼CEO:宮原 正弘、以下:KPMGコンサルティング)は、ハーヴィー・ナッシュ社(本部:英国・ロンドン、CEO:Albert Ellis)と合同で、世界83ヵ国、4,219名のCIO(最高情報責任者)およびテクノロジーリーダーを対象に、新型コロナウイルス(COVID-19)の前、初期、そして現在進行中の影響について世界最大規模の意識調査を実施し、「Harvey Nash/KPMG 2020年度CIO調査」(以下、CIO調査)の日本語版を刊行しました。


今年の調査では、新型コロナの危機に対処するためにIT予算の5%程度が追加支出され(5%は回答中央値)、55%のCIOおよびテクノロジーリーダーの予算が拡大したことが明らかになりました。また、22回目を迎える今年は、2019年12月~2020年3月と、2020年5月~8月の2回に渡り調査を実施した結果CIOおよびテクノロジーリーダーにとってサイバーセキュリティのニーズが高いことが明らかとなりました。その背景には、リモートワーカーを狙ったサイバー攻撃を受ける間口が急激な広がりを見せたことで、4割以上の回答者が新たなサイバーインシデントを経験していることが挙げられます。



■「2020年度CIO調査」の主な調査結果

●テクノロジー投資は高水準に

2020年の初め、テクノロジー投資は非常に活発な状態でした。オペレーションの効率化、顧客との繋がり/関係性、新しい製品やサービスの開発が必要とされ、過去12カ月でIT予算が増加したと回答しているCIOおよびテクノロジーリーダーの比率は55%となりました。(図1)。


【図1】過去12カ月でIT予算が増加したと回答した割合


●ニューリアリティにおける経営層の優先課題とテクノロジー投資戦略

分野別のテクノロジー投資の重要度に関し、「労働力の最適化」が、新型コロナ前の8位から急上昇してトップ3に入りました。企業のリモートワークを実現し、多種多様な職種や専門の従業員が関係と生産性を維持するためのツールを提供するうえでテクノロジーチームが重要な役割を果たしていることがうかがえます(図2)。

「オペレーションの効率化」と「顧客との繋がり/関係性の改善」は、新型コロナ前に引き続き、新型コロナ以降も上位を占めていますが、CIOおよびテクノロジーリーダーからの回答をみると、これらの目的は変化している傾向にあります。「顧客との繋がり/関係性」は、より良い関係やデジタル体験を充実させるだけでなく、市場への新しいチャネルを開拓し、消費者行動への理解を深め、非対面の方法であっても顧客との関係を強化できるようにすることに重点を移していることがわかりました。一方「オペレーションの効率化」も、企業が自動化やリーンガバナンス・モデルによって混乱や資源の制約を補おうとするなかで、まったく新しい観点で定義される可能性があります。


【図2】テクノロジー投資の最重要が高い分野トップ3


●テクノロジーマネジメント

ニューリアリティを考えた際に重要視されるテクノロジー投資分野について、回答者の約半数(47%)は、セキュリティとプライバシーを最も重視し、新型コロナがデジタルトランスフォーメーション(DX)と新興技術の採用を恒久的に加速したと答えています(図3)。


【図3】テクノロジー投資の最重要分野


●リモートワークの急増とともに増加したサイバー攻撃、トップはスピアフィッシングとマルウェア

2019年の調査では、サイバー犯罪に対する経営層の関心が高まるとともに投資が拡大し、サイバー攻撃がピークアウトし減少し始めたとの結果が出ました。本年の調査においても、新型コロナ前にまとめた回答では、大規模攻撃は再び減少していました。ところが、新型コロナの影響で、多くのオフィスワーカーが突然セキュリティ対策の整った環境から自宅などでのリモートワークとなり(回答者の86%がかなりの割合の従業員をリモートワークに移行させていることを報告)回答者の4割以上(41%)がリモートワークによるサイバーセキュリティインシデントの増加を経験したと報告しています。


また、回答者の4分の3は新型コロナによって攻撃対象領域が拡大し、サイバーセキュリティの重要性が高まったとしています。特にスピアフィッシングとマルウェア攻撃が急増したことから見て、リスクの増大は主に新たにリモートワークになった従業員に対する社内の脅威によるものと考えられます。つまり、対外的な境界のセキュリティを技術的に高めるよりも、社内の人材を教育することに重点を置くべきと考えられているものと推察されます(図4)。


【図4】新型コロナにより増加したサイバー攻撃の種類



■「Harvey Nash/KPMG 2020年度CIO調査」について

本調査は、世界最大規模の回答者数を誇るCIOおよびテクノロジーリーダーを対象とした調査です。今年度の第1回目は、新型コロナが中国以外で問題になる前の2019年12月下旬に開始しました。2020年3月に2,791人から回答を集めた時点で調査を中断し、その後新型コロナ関連の質問を含め、5月から8月にかけて第2回目として調査を開始し、新たに1,428人から回答を得ました。


「Harvey Nash/KPMG 2020年度CIO調査」は下記URLよりダウンロードいただけます。

URL: https://home.kpmg/jp/ja/home/insights/2020/12/cio-survey-2020.html



■ハーヴィー・ナッシュについて

ハーヴィー・ナッシュは、競争が加速し技術力が大きく左右する世界での成功に不可欠である高い技術を持った人材の雇用、人材マネジメントなどに関して、世界のリーディングカンパニーにサービスを提供してきました。36の拠点に、2,500人を超えるプロフェッショナルを擁しており、クライアントの変化し続けるニーズに応えられる体制を整えています。様々な規模のクライアントに対して、テクノロジー人材採用、ITアウトソーシング、リーダーシップサービスを提供しています。



■KPMGインターナショナルについて

KPMGは、監査、税務、アドバイザリーサービスを提供するプロフェッショナルファームのグローバルネットワークです。世界147ヵ国のメンバーファームに約219,000名のプロフェッショナルを擁し、サービスを提供しています。KPMGネットワークに属する独立した個々のメンバーファームは、スイスの組織体であるKPMG International Cooperative(“KPMG International”)に加盟しています。KPMGの各メンバーファームは法律上独立した別の組織体です。



■KPMGコンサルティングについて

KPMGコンサルティングは、KPMGインターナショナルのメンバーファームとして、ビジネストランスフォーメーション(事業変革)、テクノロジー、リスク&コンプライアンスの3分野でサービスを提供するコンサルティングファームです。戦略、BPR、人事・組織、PMO、アウトソーシング、ガバナンス・リスク・コンプライアンス、ITなどの専門知識と豊富な経験を持つコンサルタントが在籍し、金融、保険、製造、自動車、製薬・ヘルスケア、エネルギー、情報通信・メディア、サービス、パブリックセクターなどのインダストリーに対し、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。

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